京都発アグリテックの坂ノ途中、シリーズCで8.3億円を調達——ハウス食品、味の素、インパクトファンドらも参加

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Image credit: On The Slope

京都を拠点に、新規就農者の農業参入支援、対面や直販での野菜販売などを展開するスタートアップ・坂ノ途中は17日、シリーズ C ラウンドで8億3,108万8,000円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、三井住友海上キャピタル、ハウス食品グループイノベーションファンド(ハウス食品と SBI インベストメントが運営)、味の素(東証:2802)、GLIN Impact Capital、taliki、ハックベンチャーズ、京都信用金庫など。調達額には、日本政策金融公庫からのデットが含まれる。

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今回参加した投資家のうち、三井住友海上キャピタル、ハックベンチャーズ、京都信用金庫は、以前のラウンド参加に続くフォローオンでの出資。今回ラウンドは坂ノ途中にとって、2014年10月に実施したシードラウンド(4,600万円を調達)、2016年12月に実施したシリーズ A ラウンド(2億円を調達)、2019年5月に実施したシリーズ B ラウンド(6億円を調達)に続くものだ。今回ラウンドを含め、累積調達額はデットを除いて13億7,200万円に達した。

坂ノ途中の設立は2009年7月、創業者の小野邦彦氏が京都大学在学中に「環境×農業」分野での起業に興味を持ち、2006年のキャンパスベンチャーグランプリ大阪大会での特別賞受賞を経て事業を開始。同社は、新規就農者の農業参入支援と対面や直販での野菜販売、有機農産物の生産者とバイヤーのマッチングプラットフォーム「farmO(ファーモ)」、東南アジア各国の森林内におけるスペシャルティコーヒーの栽培・流通「海ノ向こうコーヒー」の3つを軸に事業を展開している。

野菜販売事業の小売では、野菜セット定期宅配が約6,700件となり過去2年間で4倍に成長。また、飲食店・ホテル・小売店向けの法人販売では、スマートフォンから簡単に注文できるオンライン注文サイト「やさいノート」が事業を牽引しているという。新規就農者を中心に、坂ノ途中が販路を提供する提携生産者は約300件に達し、過去2年間で約1.5倍に増加した。また、「海ノ向こうコーヒー」の国内では生豆の販売額が昨年同月比400%のペースで増加しているという。

同社では、調達した資金を、生産者との連携強化、自社便流通網の拡充やロジスティクスセンターの立ち上げによる物流体制の強化、海ノ向こうコーヒーの事業拡大に充てるとしている。

via PR TIMES

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