メンタルに課題を抱える人とカウンセラーをマッチングする「Unlace」運営、 デライト、ZVC、エウレカ旧&現経営陣から6,000万円を調達

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左から:永原健太郎氏(デライト・ベンチャーズ プリンシパル)、黄未来氏(Z Venture Capital インベスメントマネージャー)、中村裕一氏(エウレカ取締役 CMO)、前田康太氏(Unlace 創業者)、石橋準也氏(エウレカ 代表取締役 CEO)、赤坂優氏(franky 代表取締役)、西川順氏(franky 取締役 COO)
Image credit: Unlace

<2日正午更新> 写真およびスクリーンショットを差替、投資家名に Z Venture Capital を追加。

精神状態の不調やうつ病などメンタルに課題がある人とカウンセラーをマッチングするサービス「Unlace(アンレース)」を運営する Unlace(旧 Plag)は2日、シードラウンドで 約6,000万円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、デライト・ベンチャーズ、Z Venture Capital(ZVC)、個人投資家として、エウレカの共同創業者である赤坂優氏と西川順氏(現在はそれぞれ、franky 代表取締役 CEO と 取締役 COO)、石橋準也氏(エウレカ代表取締役 CEO)と中村裕一氏(エウレカ取締役 CMO)。

新型コロナウイルスの感染拡大から生じた社会不安や労働環境の変化から、精神疾患やうつ病を発症する人は増えている。しかし、精神内科への受診、産業医への面談回数、心理カウンセラーへの相談が顕著に増えている、という話はあまり耳にしない。メンタルヘルスのカウンセリングが普及しているアメリカとは対照的に、日本ではおそらく、メンタルが原因で医療やカウンセリングにかかることに、後ろめたさを感じている人が多いからではないかと、Unlace 創業者の前田康太氏は考えた。

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以前は「Pairs」開発元の新規事業開発を担当していた前田氏は、かつて出会い系と揶揄されたマッチングアプリが社会に浸透し、もはや恋愛や結婚など人生を豊かにするためのインフラとして定着したのと同様、メンタルに課題のある人と、その人に最も合いそうな精神科医、公認心理師、臨床心理士といったカウンセラーを結びつけることで、メンタルヘルスへのアクセスをより身近なものにしようとしている。一部例外を除いて保険診療が認められていないため、カウンセラーにとっては事業機会を増やすことにも寄与することになる。

一時的な鬱や、大人の発達障害のような症状など、メンタルヘルスでは人によって悩みの深さも違う。Unlace のユーザは約8割が女性で、半分は過去に精神科などへの通院経験が無い人たち。スマホでメッセージを打つだけで相談できる手軽さが評価されている。

サブスクであり、マッチングであり、社会的スティグマを変革していくという点で、まさに、Pairs と Unlace が目指している世界は似ている。Pairs は人生にプラスをもたらすのに対し、Unlace は人生のマイナスを減らすというアプローチ。(前田氏)

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日本では現在、国が指定した精神疾患についてのみ、医師の指導のもとでのカウンセリングにしか保険適用が許されない。この点については、カウンセラーの C2C マッチングによって相談者であるユーザとカウンセラーの間のタイムラグを埋められ、事実、会員登録後の課金転換率(コンバージョンレート)は35%で、85%の人は登録後30分以内にカウンセラーからメッセージがもらえているため、同社ではハードルは乗り越えられると見ている。将来は、企業の福利厚生適用や弁護士との連携も視野に入れているそうだ。

この分野では2014年にローンチした「cotree(コトリー)」が先行している。Unlace では、サービスやカウンセラーのマッチングに関わる柔軟性などで差別化を図る考えのようだ。

<参考文献>

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