企業の二酸化炭素排出量を「見える化」するSweep、2200万ドルを調達

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炭素管理プラットフォームSweepは、ビッグデータによる大企業の炭素排出量削減を可能にするため、シリーズAラウンドで2200万ドルの資金を調達した。

先月の国連気候変動会議(COP26)の影響もあり、現在多くのビジネス分野で地球規模の気候変動が最重要課題となっており、企業は環境への影響に対処するようますます強く求められている。今年初めには数十の銀行が、ゼロエミッション経済の実現に必要な「兆円単位の資金」の動員を視野に入れた「ネットゼロ銀行同盟」を立ち上げた。また昨年にはBlackRockがサステナビリティを「投資の新しい基準」とすることを発表している

しかし、善意を意味のある行動に移すことは「言うは易く行うは難し」である。カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)が昨年行った調査によると、世界の銀行の約半数は、投資ポートフォリオについて気候への影響分析を行っていないことが判明している。また、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が最近発表したレポートによると、全組織の90%以上が、二酸化炭素排出量の総量を包括的に定量化できていないことが判明した。

これは、特に広範なサプライチェーンやパートナーネットワークにまたがるいわゆる「スコープ3排出量」については、排出量の会計処理が複雑であることが一因となっている。そこでSweepは、あらゆる企業が継続的に排出量を測定し、誰もが二酸化炭素排出量をよりよく理解するために必要なデータにアクセスできるプラットフォームを提供することで、この問題を解決したいと考えている。

Sweepは、顧客が数行のコードであらゆるシステム、サービス、データベースに接続するために使用する様々なAPIを提供している。一般的なデータの種類としては発電、土地利用、旅行、物質輸送などがある。Sweepプラットフォームは、サプライチェーン内のすべての企業の気候データを接続し、全員が協力してビッグデータの洞察を引き出すことができる。ユーザーは、個人またはチーム全体の目標を含む目標を設定し、競争を通じてプロセスを「ゲーミフィケーション」することも可能だ。

Sweepは、膨大な量の異種データを接続し、企業の直接・間接排出量を総合的に把握することを目的としている。

Above: “At a glance” data in the Sweep dashboard

Sweepへの出資

気候技術系新興企業の2021年の資金調達額は320億ドルと報告されており、2016年に比べて5倍に増加している。コカ・コーラのボトリングパートナーであるコカ・コーラ・ヨーロピアン・パートナーズ(CCEP)は、以前、温室効果ガス(GHG)排出量の93%がスコープ3であると推定したことがある。数十年先の終末的なシナリオが無数に想定される中で「時間がない」という意識が高まっており、企業はサプライチェーン全体でより積極的に排出量に対処する必要があるのだ。

Sweepの共同設立者兼CEOであるRachel Delacour氏は、VentureBeatの取材に対し「企業はスコープ3の排出量についてより責任を持つようになり、継続的に正確な排出量データを取得する需要が高まるだろう」と述べている。

Sweepは2020年、フランスのモンペリエを拠点に、DelacourとNicolas Raspal(彼は2015年にBime Analyticsという以前のビジネスインテリジェンスのスタートアップをZendeskに売却している)が、Raphael GüllerYannick Chazeと共に設立した。同社は4月に500万ドルのシード資金を得てパブリックベータを開始し、その間に通信大手のオレンジやフランスの多国籍企業サンゴバンなどと協業している。また、COP26に関連したパイロットプログラムの一環として、フランスの投資銀行Bpifranceと協力し、投資先2社のカーボンフットプリントを測定している。

Delacour氏は「金融機関の投資、融資、引受活動(=スコープ3排出量)は直接排出量よりはるかに多いにもかかわらず、それを報告しているのはわずか25%」と現状を語る。

Sweepは、リードインベスターのBalderton Capital、New Wave、La Famiglia、2050からさらに2200万ドルを調達しており、「ネットゼロへの確かな道筋を築きたい」見込み客に対応するだけの資金を十分に備えている。

「企業とサプライヤーをつなぐSweepの手法は、前例のない透明性と規模を実現し、業界全体に波及効果をもたらすように設計されています。サプライヤーや販売業者の参加によるこの連鎖的な効果は、より多くのユーザーがSweepのプラットフォームを利用することで、より多くの産業がクリーンな環境に移行できるようになることを意味するのです」(Delacour氏)。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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