ゲーム内アイテムに登場したBNPL(後払い)「Halliday」に注目/GB Tech Trend

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600万ドルを調達した「Halliday」(Image Credit:Halliday)

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

今週の注目テックトレンド

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ゲーム内アイテムに「後払い」の考え方が登場しました。

Web3領域への投資を強めるAndreessen Horowitz(以下a16z)も出資する、「Halliday」は8月4日、600万ドルの資金調達を発表しました。同社はゲーム運営企業と提携し、ゲーム内アイテムをNFT化、貸し出しと後払い機能を実装する技術を開発します。仕組みは次のようなものです。

Hallidayは「レポ(Repo)」と呼ばれる後払い(BNPL)サービスをユーザーに提供しています。レポとは、二者間の契約です。

ユーザーはHallidayが所有するNFT化されたゲームアイテムを「後払い」で購入し、ローンのような形で返済していきます。完済すればHallidayからアイテムの所有権を買い取れる、というわけです。想定される完済までの期間は1〜3カ月だそうです。

彼らはこのゲームアイテムを所有権とアクセス権に分けていて、もし支払い不履行が発生した場合は「アクセス権」がHallidayへ渡り、ユーザーはアイテムが使えなくなります。一般的なリース契約のようなものです。

こうしたレポの仕組みは、多くのゲームにAxie Infinityで見られた、エコシステムの拡張性をもたらすものになるのではないでしょうか。

一大NFTゲームタイトルとして有名となった「Axie Infinity」では、プレイを始めるのには3体のモンスターを「購入」する必要がありました。初期費用となる数百ドルのお金を揃えられる人は、日本でも限られていますが、同タイトルが流行ったフィリピンでは尚更です。

そこで同じくa16zが出資する「Yield Guild Games」が登場しました。彼らはAxie Infinityを始めたいユーザーと、自分が所持するNFTモンスターを運用したいユーザーをマッチングさせ、ゲームスキルのある多くの人に、Play-to-Earnの形で稼ぐ機会を提供。ゲーム内で先に稼がせ、後で貸し出し料を徴収するレンディングモデルを確立しています。

Yield Guild Gamesの登場により、Axie Infinityはユーザー層の拡大へと動くことができ、Win-Winの関係を構築するに至りました。Axie Infinityがレンタルモデルであれば、Hallidayは後払い・ローンモデルです。今後Play-to-Earnなゲームの時代が本格的に到来することを見込み、Yield Guild Gamesに見た新たな価値を見出し、a16zも出資を決めたのかもしれません。

ゲームアイテムにあるレンディングやローンの動きは、今後さらに発展を遂げ、「証券化」への道を辿るかもしれません。多くのレンディングユーザーのデータが集まることで、各ユーザーの信用指数が事前予測され、その数値に基づき機関投資家が一定のリスクを追いながらも出資する市場も興っていくと想像されます。ゲームアイテムが証券の1つとなり、そこに金融市場が芽生えていくようなイメージです。

未だ走り始めたばかりのHallidayですが今後の動向に注目が集まります。

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