コミュニティやクリエイターがNFTで資金調達「Koop」:大学中退の21歳が作る新世界(2)

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Koopのチーム。左手前の女性が創業者のNatalia Murillo氏

チームになった若き顔ぶれ

(前回からのつづき)南カリフォルニア大学の中退し、暗号通貨(資産)への情熱を追求するためにニューヨーク拠点の同社を創業したのが21歳の創業者、Natalia Murillo氏だ。両親がアルゼンチン人第1世代のアメリカ人という、決して裕福とは言えない彼女にとってこれはかなりの挑戦だったことだろう。

「私は神経科学とデータ科学を学ぶUSCの新入生でその後、COVID-19パンデミックが発生しました。ちょうどクリプトとNFTに出会った頃だったので休学することにしたんです。それ以来、私は本当に本当にクリプトの世界に深く入りました。正直なところ、インターネット上で最も楽しかったのは、複数のDAOに貢献したり、友人とNFTに投資したりしたことです。その経験の後、私はクリプト世界で何かを作る必要があると気づいたのです. そこで少し落ち着いて深く腰を下ろし、自問自答しました。将来を予測することは、やりがいのあるプロジェクトに取り組むための最良の方法のひとつだと思います」。

さらに彼女はこう続けた。

「最初に感じた未来予測のひとつは、人々が自らが住む国や街よりもデジタルコミュニティに愛着を感じるという未来でした。そしてその感情は私自身だけでなく、特にコロナ禍ということもあり、実際にはすべての大学生の間で益々強くなっていると感じたんです。

今日のゲームでは情熱をもって架空世界に参加する人々が出てきています。かれは地元の民主主義活動よりも熱心にこちらに参加しているのです。しかし、こういった「市民権モデル」はサブスクリプションの域を超えていないのです」。

そこでMurillo氏は、人々がこれらの「おたくな」デジタル架空世界に参加できる場所に焦点を当てた。彼女はこう続ける。「Koopはグローバルに接続されているものの、ハイパーローカライズされた未来を可能にするプロダクトです。今日のネットワークプラットフォームのいくつかはこれらの『デジタル市街地』を可能にしますが、友人グループと一緒にプライベートな空間で時間を過ごすことはできません」。

Murillo 氏によると、Koopに早くから飛びついたのはくたびれた従来型の働き方から抜け出し、より自由度の高い方法を求めているZ世代、またはミュージシャンのような個人という話だ。

「複数のパートタイム仕事をする機会に恵まれるようになったことで、固定の雇用主を選ぶというコストがバカ高くなったんです」。

こういった人々が複数のKoopsに参加することは理にかなっている。というのも、彼女の考えでは商品はコミュニティに売り込むのではなく、コミュニティから生まれるからだ。スーパースターが全てをお膳立てするのではなく、次のスーパースターはKoopからコミュニティと共に生まれることになると彼女は強調する。。

「例えばクリエイターを想像してみましょう。私たちがYouTuberのLogan Paulと一緒に仕事をするとします。彼はNFTのコレクションをつくり、その資金はすべてコミュニティのトレジャリーに入ることになるので、彼のコミュニティーに関わる人なら誰でもその資金にアクセスすることができます。そして、その資金をどうするかはコミュニティが投票することで決まるのです。この投票することこそ、Web2などでは見られないような、新しいタイプの参加やファンによる真の関与を可能にするものなのです」。

(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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