グルメSNS「シンクロライフ」、加盟店にカード決済機能提供へ——CRMと決済を1プラットフォームで実現可能に

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Image credit: SynchroLife

トークンエコノミー型グルメ SNS「SynchroLife(シンクロライフ)」を運営する GINKAN は20日、これまで提供してきた CRM・ロイヤルティプログラムにキャッシュレス決済機能を統合する「シンクロ PAY」をリリースした。今後、既存の SynchroLife 加盟店(今年3月時点で1,500店舗)を皮切りにシンクロ PAY 対応を希望する店舗を募り、ユーザ(SynchroLife を使う飲食店の訪問客)はこの機能を今年11月頃から利用できるようになる予定だ。タクシーの GO や S.RIDE のように、アプリに紐づいたクレジットカードで決済できるようになる。

小売店や飲食店の店頭でスマートフォンをかざす機会が増えた今、CRM と決済を1つのプラットフォームで処理できることは、UI/UX の向上を望む人にとっては永年のテーマだ。例えば、筆者はある牛丼屋に行って食事を済ませた時、某ニュースアプリでクーポンをパーコード提示し、ポイントアプリでバーコードを提示し、さらに、バーコード決済の画面を提示する、といった具合に3回スマホ画面を店員にスキャンしてもらう必要が生じる。

「SynchroLife」からの支払画面(シンクロ PAY)
Image credit: SynchroLife

例えば、中国に行くと Alipay(支付宝)や WeChat Pay(微信支付)であれば、店頭では一回の提示で CRM(誰が来店してくれたかの情報獲得)と決済が処理される。日本でこれが実現しない理由の一つは、データ収集に関わる法律の制約と聞いたことがあるが、むしろ、店舗に CRM を提供するポイントカード事業者には決済データを集めようとするモチベーションが働かず、また、決済事業者が店舗に CRM を提供しようとするモチベーションも働かない、という市場論理が理由と考えた方が妥当かもしれない。

また、その UI/UX のシンプルさから言って、モバイル決済は、バーコード決済よりも NFC 決済が王道と言われてきた。だから、メルペイは iD で使えるようになっているし、楽天ペイは Suica で使えるようになっている。しかし最近、店頭でバーコードを提示している人を見かける機会が増えていないだろうか。すなわち、わざわざバーコードを表示して画面を店員に提示する煩わしさを、その体験を通じて得られる別のメリットが凌駕するようになっているわけだ。

「シンクロ PAY」のスキーム
Image credit: SynchroLife

この体験を浸透させた功労者の一人は、PayPay と言って間違いないだろう。GINKAN 創業者で代表取締役の神谷知愛氏は、この PayPay が作り上げた秀逸なモデルで、消費者の決済体験が変わり、それに〝慣れてくれた〟ことがシンクロ PAY 導入に大きく関係しているという。

決済は便利であることが全てで、それ以上の価値はない。ただ、決済にマーケティングや楽しい体験がついてくると、決済の価値が変わる。(神谷氏)

シンクロ PAY は、ユーザのみならず、飲食店にとってのメリットも大きい。通常、カード会社や決済代行会社は、送客や来店客の購買誘引促進の対価として、カードで決済された代金の一部を手数料として受け取っており、これが彼らの主たる収入源だ。ただ、SynchroLife は CRM(主に既存客のリピート率向上)をバリュープロポジションとしているため、シンクロ PAY での決済に伴う加盟店手数料を低く抑えられるのだ。店舗にとっては、同じカード決済でも、SynchroLife 経由の方が手数料が安くなるケースが出てくるかもしれない。

初めて SynchroLife に出会ってから数年が経過するが、ここまでに、トークンエコノミクス対応、カード会社などが展開する OMO 決済基盤対応、e ギフトサービスとの提携など、数々の機能進化を図ってきた。ここへ来て決済機能が加わることで、さらに期待してしまうのは、決済と親和性の高い来店前予約や来店後のモバイルメニューオーダーなどへの機能拡充だ。神谷氏によれば、資源の選択と集中の観点から自社でこの分野に進出する可能性はなく、既存事業者らとのシステム連携などを積極的に検討していきたい、とのことだった。今後の展開が期待される。

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