無人化で韓国クリーニング市場の総取り狙う「LifeGoesOn」/完全無人化ビジネス(3)

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Image credit:LifeGoesOn

(前回からのつづき)LifeGoesOnはモバイルランドリーサービス「LaudryGo」、無人スマートランドリー「LAUNDRY24」を運営する韓国のスタートアップだ。LaudryGoが2019年3月に LaundryGo をオープンして以来月平均15%以上で成長している同社だが、2021年9月に韓国産業銀行などから500億ウォン(約47億円)を調達2022年4月には無人ランドリーPenguinHouseを買収。無人スマートランドリー市場に進出し、リブランドされたLAUNDRY24が誕生した。

同社の特徴は冒頭の買収によるサービス実現に加えて、独自開発の技術によりスマートファクトリーを実現している点だ。韓国のスタートアップメディア「Platum」によると、同社は洗濯が完了した衣類を顧客別に自動的に分類・出荷する衣類自動出庫システムなどからなるスマートファクトリーを擁している。1時間で3,000枚の衣類の洗濯、400個の家具のクリーニングが可能で、これは既存の工場出荷数に比べて3倍の性能になるそうだ。

これによって店舗、玄関先での受け渡しの完全無人化に加え、ドライクリーニングサービス、コインランドリー機能、流通、建設に至るまでワンストップでサービスのバリューチェーンを自社で運営することに成功している。

韓国のスタートアップメディア「Startup Recipe」によると、 市場優位のポジションを獲得する戦略として領域のスタートアップを買収するケースが増加している。同社もLaudryGoをベースとして同様の戦略を取っており、これを実現するためには組織設計・運用に相当なノウハウが必要となるが、代表のチョ・ソンウ氏が新鮮食品配達サービスDum & Dummerceをイグジットさせた連続起業家であることが大きく貢献しているようだ。

また利用者も確実に増加している。Platumによると、LAUNDRY24の2022年6月には月間売上10億ウォン(約1億円)を突破。契約した加盟店数も80店舗を超え、平均月間取引額は約700万ウォン(約70万円)で、売上1,000万ウォン(約100万円)を突破した加盟店も生まれているという。

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