ニュースサマリ：顧客とのエンゲージメントに特化したマーケティングプラットフォームのReproは10月26日、ウェブサイトの表示速度を高速化させるツール「Repro Booster」の提供開始を発表した。独自に開発した「先読み技術」を中心とするもので特許を取得済み。

ユーザー企業は発行されるタグを入れることで、訪問者がクリックするであろう可能性の高いコンテンツを予測して表示を高速化させる。CDNなどのキャッシュ（一時保存）方法と異なり、クリックを予測して表示させるコンテンツを事前にユーザー側の端末にダウンロードしておくため、ECなど動的なサイトでも有効に運用できる。なお、CDNなどとの併用は可能。

ユーザー企業には設定パネルが提供され、リアルタイムに変動するコンテンツやページを指定し、古い情報を自動でクリアする機能など、サイトごとの特性や施策に合わせた設定も可能になっている。

現在、個人情報保護強化の流れでサードパーティーCookieに制限がかかりつつあり、ユーザー閲覧履歴を使った従来型のデジタルマーケティング手法に黄色信号が点っていた。サイトの表示速度改善は利用体験価値の向上に寄与する一方、古くから運用しているサイトなどでは、全体に開発の手を入れることが難しくなっているケースも多々ある。そこでReproではコンテンツクリックを「先読み」するアイデアで開発工数を劇的に下げることに成功した。

テストマーケティングに参加した婚活パーティー情報サイト「オミカレ」では、A/Bテストによる表示速度が平均で1秒改善し、サイト全体のコンバージョンレートが116%向上したとの結果を報告している。