名古屋発・有機農業自動化のトクイテン、シード資金を調達——XTech Ventures、MTG Venturesらから

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トクイテンのロボットがトマトを収穫する様子。
Image credit: Tokuiten

AIとロボットで有機農業の自動化を進めるトクイテンは14日、シードラウンドで調達したと発表した。このラウンドには、XTech Ventures と MTG Ventures が参加した。また、日本政策金融公庫からデットファイナンスも実施した。調達金額は不明。

トクイテンは昨年8月、クラウド請求管理サービス「Misoca(2016年に弥生が買収)」を創業した豊吉隆一郎氏が、早稲田大学次世代ロボット研究機構にて研究院准教授を務める森裕紀氏らと共同創業した。昨年10月には、愛知県主催のサービスロボット社会実装推進事業「あいちロボットトランスフォーメーション(ARX)」にベンダーとして採択された

近年、製造過程で CO₂を排出する化学肥料や環境負荷が大きい化学農薬を使用しない「有機農業」への移行が推進されているものの、農業従事者の平均年齢は67.8歳と高齢で、従来の慣行農業に比べて手間がかかる有機農業はロボット活用による省力化に期待が寄せられている。

同社はこのような背景を踏まえて、生産者として有機農業を営みながら、AIやロボットを活用した有機農業の自動化を目指し、環境負荷の小さい有機農業への移行を促進する「トクイテンパッケージ」を開発している。これは環境モニタリングや設備の遠隔操作を行う「スマート農業」、AI や遠隔制御を用いて様々な農作業を行う「農業ロボット」、データ活用と植物生理学の理論を基にした「再現性のある有機農業」を組み合わせ、有機農業の収量アップとコスト削減を目指すものだ。

2023年後半には、収穫・液体散布(水、薬剤、液肥など)・管理(葉かき、芽かき)、運搬、モニタリング(収量予測、病害虫発見)の自動化を進めていき、人件費換算で半分の削減を目指すとともに、農業への新規参入を検討する企業などへ「トクイテンパッケージ」の提供を開始する予定だという。

また、今回の資金調達の発表と合わせて、AI や遠隔制御で農作業を自動化する農業ロボット「ティターン」を発表した。アタッチメントを変更することで様々な農作業に対応し、現在はミニトマトの収穫に対応したアタッチメントを実装している。今後は葉かきなどの管理作業、薬剤の噴霧、重量物の運搬作業などに対応するアタッチメントの開発を進め、将来的にはミニトマト以外の作物にも対応できるようにするという。

調達した資金をもとに、ロボットエンジニアや生産スタッフなどの人材を採用し、農業ロボット「ティターン」の開発、ロボットや AI を活用して有機農業の自動化を実現する「トクイテンパッケージ」の開発に注力する。

via  PR TIMES

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