沖縄OIST発・インド人研究者創業のEF Polymer、5.5億円をシリーズA調達——残渣で水不足解決、5カ国1.2万軒の農家が導入

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Image credit: EF Polymer

<17日午前7時更新> 訂正線部を削除、赤字部を追記。

沖縄発のポリマー(高分子吸収体)技術スタートアップ EF Polymer は11日、シリーズ A ラウンドで5.5億円を資金したと発表した。このラウンドに参加したのは、ユニバーサルマテリアルインキュベータ(UMI)、西本 Wismettac ホールディングス、MTG Ventures、Beyond Next Ventures、ライムタイムベンチャーズ、沖縄振興開発金融公庫。MTG Ventures、Beyond Next Ventures はシードラウンドに続くフォローオンでの参加。

EF Polymerは、OIST(沖縄先端技術大学院大学)に在籍するのアクセラレータプログラムに参加したインド人研究者が立ち上げたスタートアップで、超吸水性ポリマー(SAP)を事業の軸としている。オレンジの皮など果物の不可食部分を原料としていることから100%オーガニックで生分解性を有しているため、農地に適用すると、土壌の保水力と保肥力を向上させる効果で約40%の節水、約20%の肥料の節約に加え、10~15%の収量増加が期待できるという。

同社は昨年度までにアメリカ、インド、日本市場を中心に累計で約100トンの超吸水性ポリマーの販売を達成した。1トンのポリマー生産に約10トンの作物残渣をもとにするため、約1,000トンの作物残渣をアップサイクルすることに成功したことになるという。EF Polymer のポリマーは、これまでに5カ国で約12,000軒の農家に導入された。

同社は調達した資金を使って、ポリマーの生産能力の拡大、R&D の強化、グローバル需要に応える体制を整える。また、農業以外の分野での応用を想定した研究開発力の確立を目指す。

EF Polymer は、「Okinawa Startup Program」2019-2020 のファイナリストだ。2019年の Climate Launchpad Award のグランドファイナルで「炭素技術賞」を受賞した

via EF Polymer

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