「たくさんお金を使っている人ほど経済貢献度が高い」を見える化——決済データでEarnできるGameFiウォレット「SyFu(サイフ)」の可能性

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Image credit: Ginkan

子供の頃に、高級住宅街の大きな家に住んでいる同級生とか、高級外車に乗っている知り合いのパパとかを羨ましく思った記憶はないだろうか。聖人君子ならともかく、誰しもがそんな欲からお金持ちになりたいと考え、それで勉学に励んだり、スポーツに励んだりする原動力になることはある。今の時代であれば、小中高生で起業家の道に進む、という選択肢もあるだろう。

しかし、その家や外車は、凄まじい借金の抵当に設定されている可能性だってある。見るからに莫大な財産を持っていた人が、夜逃げするかように忽然と姿を消したり、会社や生活が傾いたりしてしまったりするのはそのためだ。すなわち、アセットはキャッシュフローを生み出すから素晴らしいのだが、我々はともすれば、キャッシュフローよりもアセットに目を奪われがちだ。

経済という指標で人を評価するならば、アセットをたくさん持っているよりも、キャッシュフローをたくさん生み出した人こそ、世の中への貢献が高いとして評価されるべきだろう。以前公開されていた長者番付制度(高額納税者ランキング)は所得税を元にしていたが、仮に世の中に支払った消費税の金額でランキングを作ることができれば、誰が最も世の中に貢献したか、を目の当たりにできるかもしれない。

9年ほど前からグルメ SNS アプリ「SynchroLife(シンクロライフ)」を取り上げてきたが、開発元の GINKAN は今年2月、ミンカブ・ジ・インフォノイド(東証:4436)に事業譲渡されたことを発表した。サービスとしては今後も継続されるがオーナーシップは変更され、GINKAN は今後もサービス運用の面でミンカブ・ジ・インフォノイドに協力していく。

SynchroLife が事業譲渡という決断をした遠因には、やはり新型コロナウイルスの感染拡大がある。SynchroLife 自らは接客・飲食業ではないものの、SynchroLife のお客の多くが接客・飲食業だったからだ。未曾有の病が社会に与えたダメージは、間接的にも SynchroLife の経営計画に変更を余儀なくさせた。GINKAN 代表取締役の神谷知愛(ともちか)氏に久しぶりに会った。

インタビューに応じる GINKAN 代表取締役 神谷知愛氏(左)。右は、SynchroLife でマーケティングを担当してきた Laura Symborski 氏(右) Image credit: Masaru Ikeda

我々はコロナのインパクトをもろにくらったけど、この経験を通じて痛感したのは、人が外に出ないと経済が止まるということだ。コロナ禍では、世界の GDP が3%以上、下がったとも言われている。つまり、我々が日々、飲んだり食べたり、何かと生活にお金を使っていることが、いかに大事かということだ。改めて、消費するということの大事さを感じた。

日本人の価値観の中では、お金は無駄に使うべきではない、倹約して貯蓄に回すべきだ、という考え方もある。でも、積極的に消費している人の方が経済を回しているわけで、そのことは評価されるべきだ。なのに、世の中には、例えば、預金残高を証明するすべは用意されているのに、どれだけ消費しているかを証明するものがない。(神谷氏)

この消費の度合いを見える化し、その度合いによってポイントが貯まる(実際には NFT が貯まる)というアイデアを形にしたのが、GINKAN が次の事業にしようとしているプロジェクト「SyFu(サイフ)」だ。クレジットカードや電子マネーなどの決済データを取り込み、ゲーミフィケーションの要素を取り入れ、消費のボリュームに応じて NFT が溜まったり、育ったりするというものだ。

Image credit: Ginkan

神谷氏らが作った SynchroLife は、ゲーミフィケーションの要素は取り入れられているものの、飲食店をコアとして OMO(Online merges with Offline)的な効果を生み出すことに集中していた。SyFu では、オンライン・オフライン関係なく、また、対象業態も飲食業だけにとどまらない。

これまで決済データは、ユーザにとっては自分の決済データであるにもかかわらず、その所在はクレジットカード会社や決済サービス会社にあった。SyFu を使えば、日常の実際の購買活動・消費活動と決済データを結びつけることができ、よりデータが価値を持つという。ゲーミフィケーションの要素とからみあい、ユーザは率先して、この体験を楽しむようになることが期待される。

神谷氏は GINKAN の本社がある香港、そして、開発チームが拠点を置く東京から、SyFu の世界展開を狙う。世界向けのサービスを画策するスタートアップのニュースについては、BRIDGE の英語版でも取り上げることが多いのだが、現時点で明らかにできることはまだ少ないので、英語版では(もちろん日本語版でも)次回以降で詳細を取り上げたいと思う。

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