ライブ配信プラットフォーム「palmu」運営、5億円を調達——Web3活用で、配信者と視聴者の両方に利益還元

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「palmu」
Image credit: Light

次世代型ライブ配信プラットフォーム「Palmu」を運営す Light は7日、5億円を調達したと発表した。同社はアーリーステージとしているが、具体的なラウンドは不明。なお、これより前、同社はシードラウンドで、B Dash Ventures、千葉道場ファンド、XTech Venrures、Now、East Ventures、AA Fund から調達している。

今回のラウンドに参加したのは。Emoote、前澤 web3ファンド、韓国の Hyperithm、Spiral Capital、GMO AI & Web3、B Dash Ventures、KDDI Open Innovation Fund、W、FLICKSHOT、その他、名前非開示の個人投資家数名。B Dash Ventures は前回シードラウンドに続くフォローオン。シードラウンドと今回ラウンドを合わせた累積調達額は9億円に達した。

Light は、以前、東京大学在学中に Candle を創業し、2016年10月にクルーズに売却した金靖征氏により2020年4月に創業。なお、金氏は複数のスタートアップに投資する個人投資家でもある。Palmu は、ブロックチェーン技術を取り入れたライブ配信プラトフォームで、Web3 のもたらす経済的インセンティブ、ライブの配信者だけでなく、視聴者やファンに与えることができる。

Palmu のもたらす既存のライブ配信プラットフォームとの違いは大きく2つある。トークンを採用していることで、利益がプラットフォームの運営者だけでなく、ライバー(配信者)にも大きく還元されるという体験の違い。もう一つは、そのライバーを応援するリスナー(視聴者やファン)にも利益が還元されるということだ。

ライバーはギフティングを通じて、リスナーに応援し続けてもらう必要があり、コミュニティの熱狂状態を維持するために、月に300時間とかライブを配信し続けるなど、ライバーが頑張り続ける必要があった。Palmu では、ライバーが成長すれば、リスナーにも利益が還元される。経済的インセンティブが両者で一致するので、リスナーがライバーと同じ目線で楽しむことができる。(金氏)

この Web3 を取り入れたライブ配信プラットフォームは、ライバーのエコシステムにもうまくフィットする。ライバーが一定の成功を収め卒業すると、ライバー事務所を立ち上げることがある。金氏によれば、このようなケースでも、それまでに築き上げたコミュニティを無駄にせず、トークンの仕組みを活用し、ライバーがライバーを支援するスキームを構築できるという。

行った投資に見合った利益が分配されるという点で株式という仕組みは非常に優れているし、参考となる情報も比較的入手しやすいなど、株式は金融商品としての成熟度は高い。他方、Web3 の分野は法律が未整備で、投機に使われやすいなどの課題があるが、金氏は、「マーケットとしての成熟度が増していく、3〜5年後の未来を見ながら事業を進めていく」と語ってくれた。

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