
Image credit: Delight Ventures
デライト・ベンチャーズは5日、デライト2号ファンドを組成し、150億円の調達でファーストクローズを迎えたと明らかにした。このファンドは、デライト・ベンチャーズが2019年9月に組成した1号ファンド(約100億円)に続くものだ。2号ファンドの最終的な目標規模は不明。なお、1号ファンドの出資者は、ほぼ DeNA(東証:2432)のみで、純投資とベンチャービルダー投資の両方の役割を担ってきたが、今回から、純投資の2号ファンドとベンチャービルダー投資のファンドに二分された。
これにより、純投資の役目を担う2号ファンドは、外部の投資家も受け入れることとなった。2号ファンドは、DeNA がアンカーインベスターを務め、第一生命、日本生命、みずほ銀行、三井住友銀行、横浜銀行、三菱 UFJ 銀行、三井不動産(東証:8801)が出資参加した。2号ファンドの投資対象はシード〜シリーズ A ラウンドで、チケットサイズは数千万円程度。バーティカルは限定していないが、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)認定 VC としてのネットワークを生かし、ディープテックへの投資に注力するとしている(全体の15%程度を目標)。
デライト・ベンチャーズのマネージングパートナーである渡辺大氏は BRIDGE の取材に対し、2号ファンドでは、アメリカ型の投資手法を積極的に取り入れ、早い段階で IPO するのではなく、大きく育ててからイグジットできるよう、スタートアップを長期的に支援していきたいと語った。そのために、2号ファンドの LP はオープンイノベーションや共創に力点を置きやすい事業会社よりも、金融機関を中心に集めたそうだ。

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一方、ベンチャービルダーファンドは DeNA からの単独出資なので、ファンドのオーナーシップを強く持って運用ができる。ファンド規模は15億円。ベンチャービルダーやそのファンドを主体的に担当する、デライト・ベンチャーズのマネージングパートナー坂東龍氏によれば、元々 DeNA グループ内からの応募が多かったベンチャービルダーだが、2021年10月のオープン化以降は、9割がグループ外からの応募だという。起業のハードルを下げ、投資判断基準を上げ、上流工程にありがちな失敗可能性を下げられるようにしたいと抱負を語った。
1号ファンドでは、2号ファンドのように純投資とベンチャービルダー投資のファンドが分かれていなかったが、1号ファンド全体で31社への投資が実施され、うち、14社がベンチャービルダー案件だったという。ベンチャービルダーから輩出されたスタートアップには、「WITH Fitness」を運営するウィズカンパニー、SaaS 管理サービスの「zooba」、事業計画 SaaS 開発の projection-ai、そして先日、敢えなくサービスを終了したがフードデリバリの「Chompy」などがある。
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