
農業における DX ソリューションや残渣型バイオスティミュラントの開発や実装を行う AGRI SMILE は6日、シリーズ A のエクステンションラウンドで約7.5億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、ジャフコ、HERO Impact Capital、サイドウェイズ、SMBC ベンチャーキャピタル。シリーズ A ラウンドの調達額としては約9.2億円に達した。
これは AGRI SMILE にとって、2020年1月に実施した4,000万円の調達(ラウンドは不明)、2021年9月に実施したシリーズ A ラウンド(約1.7億円を調達)に続くものだ。今回の調達を受けて、創業以来の累積調達額は約9.6億円に達した。同社では、テクノロジーの力で続可能な農業の推進に向けて注力するとしている。
AGRI SMILE は、全国の農業協同組合(JA)と連携し、ソフトウェアとバイオテクノロジーを駆使して持続可能な農業を実現しようとしている。その活動は、農作物の栽培から販売までをカバーし、産業の成長を支えるアカデミア領域においても DX を推進している。さらに、異常気象への対策やカーボンニュートラルに貢献するバイオスティミュラントの研究開発にも着手している。
AGRI SMILE が展開している事業は、大きく分けて、次の4つに大別される。
- 研究開発事業 …… バイオスティミュラントの開発と実装を行い、気候変動による環境ストレスを軽減し、安定した農作物の収穫を可能にする。バイオスティミュラントとは日本語では「生物刺激剤」と訳され、植物や土壌により良い生理状態をもたらす、さまざまな物質や微生物を指す。
- KAISEKI 事業 …… ビッグデータを活用して化学肥料削減の余地や土壌改良の方向性を見つけ、バイオスティミュラントの活用を支援し、農産物の収量と品質を向上させる。
- 産直プライム事業 …… オンライン販売を通じて消費者に直接農産物を提供し、農産物の販売成長を促進する。
- Academia Hub 事業 …… 外部の研究者や民間企業と連携し、持続可能な農業の技術開発を支援し、共同研究を推進する。
AGRI SMILE は2018年8月、京都大学農学研究科で、植物の免疫でバイオスティミュラント資材の開発を行っていた中道貴也氏(現、代表取締役)により創業。150以上の JA とのネットワークを通じ事業を拡大しており、KAISEKI 事業では、1JAで約12億個もの農産物を解析し、提携産地全体での青果物取扱高は約1,000億円に達している。
また、産直プライム事業も導入から1年で売上が5倍、2年で18倍超に成長した。AGRI SMILE の成長には、研究開発事業への投資が大きく貢献しており、3つの DX 事業の売上も着実に伸長している。今後、AGRI SMILE は営業利益を積み上げ、研究開発事業への投資を加速させ、中期的には国際展開も視野に入れている。
via PR TIMES Summarized by ChatGPT
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