OpenAI、9割の従業員700名が退職を伝えるーー共同創設者のIlya Sutskever氏の名前も

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OpenAIで繰り広げられる大騒動に衝撃的な展開があった。

月曜日の朝6時前(訳註:記事掲載の現地時間)に、OpenAIの従業員770人のうち500人が、OpenAIに残っている役員に辞任を申し出たというニュースが流れた。月曜日の午後の時点で、その数は700人に増えていると、レポーターのAshlee Vance(アシュリー・バンス)氏がツイートで伝えた。

驚くことに共同設立者であるIlya Sutskever(イリヤ・スッツケバー)氏も「含めた」12名の幹部社員たちが署名した書簡の中で、役員たちがすぐに辞任しなければ、自分たちも辞めると述べているのだ。テックジャーナリストのKara Swisher(カーラ・スウィッシャー)氏は月曜日早朝のツイートで、この手紙のコピーを公開した。

書簡の中で幹部グループは、Sam Altman(サム・アルトマン)CEOの解雇を決定した後、理事会の懸念に耳を傾け、安定化をもたらすために取締役と協力しようとしたが、取締役はその申し立てについて具体的な事実や書面による証拠をもって回答しなかったと述べている。同グループは、理事会には職務を遂行する能力がなく、不誠実な交渉を行っていると認識するに至ったと述べた。

同グループによると、この決定から2日以内に、取締役会はMira Murati(ミラ・ムラーティ)暫定CEOを「会社の利益の最大化に反して」交代させたという。さらにこのグループは会社の破壊を許可することが「ミッションに合致する」とリーダーシップチームに伝えたとも指摘している。

「あなたの行動は、あなたがOpenAIを監督する能力がないことを明白にしました。私たちは、私たちの使命と従業員に対する能力、判断力、配慮に欠ける人たちのために、あるいは一緒に働くことはできません」。

同グループによるとMicrosoftは、OpenAIの全従業員が新たな子会社に参加することを選択した場合、そのためのポジションを用意することを保証したという。(月曜未明の別のニュースでは、MicrosoftのSatya Nadella(サティア・ナデラ)CEOが、元CEOのAltman氏や共同設立者のGreg Brockman(グレッグ・ブロックマン)氏らをMicrosoftの新しい取り組みに参加させるために雇用したと発表したばかりだった)。12人は現取締役全員が辞任し、理事会がBret Taylor(ブレット・テイラー)氏やWill Hurd(ウィル・ハード)氏など2人の新しい独立取締役を任命し、Sam Altman氏やGreg Brockman氏を復職させない限り、間もなく退職すると述べている。

とにもかくにも驚いたのは、共同設立者のSutskever氏がこの書簡の署名者であったことだ。Altman氏の解雇を主導したのはSutskever氏であることは、金曜日に共同設立者のGreg Brockman氏が時系列で報告したことも含め、広く報道されていた。

ただ、こうやってみてみると、取締役会の過半数がAltman氏の解雇に賛成したことで、Sutskever氏が最初の理事会の決定に同意してしまったという可能性もある。そして、彼も会社の幹部であるという役割から話をリードしていたが、週末の出来事で考えを変えたのかもしれない。この書簡が発表される直前、Sutskever氏は取締役会の行動に参加したことを「深く後悔している」とツイートした。

更新:8:20 a.m.:OpenAIからの大量離脱の脅威は、どう見てもこの騒動の勝者となったMicrosoftにとって大きなワイルドカードのままであり、同社株は月曜日の早朝取引で1%上昇した。

Update 1:27 p.m.: 署名した従業員の数は700人に増えた。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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