営業職の強化支援SaaS「ナレッジワーク」、45億円をシリーズB調達——コンパウンドスタートアップ目指す

SHARE:
Image credit: Knowledge Work

セールスイネーブルメントクラウド「ナレッジワーク」を開発するナレッジワークは29日、シリーズ B ラウンドで45億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、World Innovation Lab(WiL)、グロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP)。これは同社にとって、2022年4月に明らかにしたシリーズ A ラウンドの 1st クローズ、2022年6月に明らかにしたシリーズ A ラウンドの 2nd クローズに続くものだ。GCP は過去ラウンドに続くフォローオンで、累積調達額は61.2億円に達した。

また、同社は今回の調達とあわせ、WiL パートナーの難波俊充氏、元 Fond 創業 CEO の福山太郎氏が社外取締役に就任した。WiL は、マルチプロダクト/SaaS のホリゾンタル展開戦略に強く、また、福山氏はコンパウンドスタートアップとして代表的な Rippling の経営陣と懇意にするなど、コンパウンドスタートアップに造詣が深いため今回参画してもらったという。Rippling は創業から6年で30個のプロダクトをローンチしており、時価総額は100億米ドル超え、いわゆる、デカコーンとして知られている。

<参考文献>

<関連記事>

ナレッジワークは2020年4月、リンクアンドモチベーション出身で「モチベーションクラウド」のローンチに携わった麻野耕司氏らにより創業。社内にはデザインマネージャーを筆頭に、グッドパッチ出身者が数多くメンバーにいるという。「働くことをよくする」を合言葉に、ナレッジワークを2020年10月にステルスローンチ、2022年4月に正式ローンチした。ナレッジワークは、誰もが売れる営業になれる営業力メソッドがセールスイネーブルメントを SaaS ベースで開発している。

Image credit: Knowledge Work

セールスイネーブルメントでは、ナレッジ(営業資料や動画)、ラーニング(営業の学習プログラム作成)、ワーク(アポ作成や商談アジェンダ作成)、ピープルの4つの領域が必要になるという。これまでナレッジの仕組みを開発してきたが、「当初想定していたより大手企業への導入が進んだ(麻野氏)」として、MVP(マーケットプロダクトフィット)フェーズはひとまず完了したととらえ、今後、ラーニング、ワークなど隣接領域(営業職と営業職に隣接した領域)のプロダクト開発に着手する。

ナレッジワークでは、今後3年間でプロダクトを10個ローンチする計画だ。平均して1年に3〜4つ出すことになるが、これにより、売上を積み上げられるコンパウンドスタートアップを目指すという戦略だ。社外の販売代理店、コールセンター、販売職など、ナレッジワークが貢献できる領域を拡大していく。具体的には、2024年4月にセールス職向けのワーク領域の新プロダクト、2024年7月にセールス職向けのラーニング領域の新プロダクトをローンチする計画だ。

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する