東北の地域共創に特化したアーリーファンド「スパークル」、1号ファンドを30億円規模で組成

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スパークルの創業者で代表取締役の福留秀基氏
Image credit: Spurcle

仙台を拠点とするスパークルは8日、30億円規模となる「Spurcle 1号ファンド」を組成したと発表した。ファーストクローズ段階での LP は、ソユー、山一地所、能代電設工業、仙台協立、リージョンズ、T、麻生要一氏、高野秀敏氏、福羽泰紀氏、深松努氏、村上ひろみ氏。現時点での調達額は数億円規模と見られる。今後、ファイナルクローズに向けて、追加で LP を募る模様だ。

スパークルの創業者で代表取締役の福留秀基氏は、コンサルティングファームのシグマクシスでデジタル戦略コンサルタントを経て、2019年12月に東北地域でスタートアップ投資などを実施する MAKOTO グループの投資部門(MAKOTO CAPITAL)に参画。スパークルは、昨年8月末に MAKOTO CAPITAL の事業を MBO(関係者による事業買収)する形で設立された。

スパークルは、地方企業を LP に招き入れることで、地方企業とスタートアップの共創を取引ベースで進めることを主眼に置いている。地域企業との取引や新規事業創出を目指すポストシードからアーリーステージのスタートアップ、Web3 やディープテックのプレシードからシードステージのスタートアップが投資対象で、チケットサイズは500万円~5,000万円を想定。20~30社に投資する。

スパークルの1号ファンドからは、初出資案件として、オランダを拠点に日本人開発者が運営する GameFi スタートアップ Murasaki に投資した。Murasaki は、Play and Earn モデルに新しい解釈を加えた NFT に特化したゲーム「Cyberstella」を開発・提供している。スパークルは、この出資は純投資ながら、地域企業との協業を見据えた戦略ラウンドと位置付けている。

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スパークルでは、グロースのためのハンズオン支援に加え、地域企業への取引拡大を見据えた商談開始からスキーム構築までのハンズイフ支援、LP による知見の共有や支援、また、今後、地域共創コミュニティによる販路開拓や取引推進を行う。東北における投資ビークルとしては、前出の MAKOTO のほか、地元大学や地銀 CVC のものが多い。スパークルのような独立系ファンドの誕生や活躍が期待される。

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