
メールは今でもビジネスの重要な武器だが、「定型文」と思われないようにするにはどうすればいいのだろうか?
トルコのスタートアップ Nureply はこの問題に着目し、ジェネレーティブ AI を活用してカスタマイズされたメールを作成するソフトウェアを発表した。このツールはメール開封率を2.4倍と大幅に向上させ、メール作成に費やす時間と人件費を大幅に削減する。
5,000時間と10営業日を削減、AI 連携で企業が潜在顧客とつながるのを支援

Nureply の創業者 Onur Geneş 氏は、過去にソフトウェアスタートアップ Epistio を創業したが、チームメンバーが限られていたため、自らも事業開発に参加することになった。「読んで面白い営業メール」は、彼にとって潜在顧客を拡大するための鍵となった。
しかし、この種のメールは顧客にとって、一つ間違うと見知らぬ人からの迷惑メールであり、「スパム」や「定型文メッセージ」の間は紙一重だ。
興味深い営業メールは、開封するのが楽しく、送信者のビジネスに興味を持たせ、さらに連絡を取ってビジネス協力を始めるようなものでなければならない。
Nureply の公式サイトの記事によると、見知らぬ人への良いメールを書くには平均5分、英語を母国語としない人には10分以上かかるという。メールの内容をカスタマイズする場合、1日の時間のほとんどのメールを書くことに費やされなければならなくなり、これらの一生懸命書かれたメールは、メールボックスのゴミ箱に入ることになるかもしれない。
AI ソフトウェア開発の経験を持つ Geneş 氏は、AI を使って自分の書き方をマネさせてみることにした。ソフトウェア開発後、開発者からのメールを A/B テストしたところ、AI を使ったバージョンのメールの方が2.4倍返信が多かったことに驚いたという。シミュレーションテストの結果に驚いた彼は、この技術の普及を決意し、2022年にスタートアップ Nureply を設立した。
カスタマイズコンテンツ × フォローアップが鍵
Nureply は AI を導入し、カスタマイズされた営業メールの作成を支援する。AI を使って企業プロフィールを書く以外に、より重要なのは「アイスブレイク文」だ。
Nureply では、企業は整理された見込み客情報をインポートすることができ、ソフトウェアは、ファイルに提供された名前と情報を自動的に検出し、LinkedIn のプロフィール整理を通じて、特定の見込み客の関心に一致するアイスブレイク文を書く。
初めての人への営業を成功させるもう一つの秘訣は、コンタクトを取った後のフォローアップだ。途切れることのないメールでのコンタクトを通じて、見込み客との関係を一定期間にわたって培っていくことが重要だ。Nureply プラットフォームは、営業メールソリューションとして、メール内容や頻度設定などのフォローアップメール機能も提供し、マーケティングプロセスのプロセスとコストを簡素化することを期待している。
Starter プランは営業メールの配信管理がメインで、AI によるカスタマイズライティングサービスは提供されないため、AI 機能を利用したい場合は Growth プランを選択することをお勧めする。なお、AI 機能の利用回数には制限があるため、AI 機能を制限なく利用したい場合は、生涯利用可能な Pro ソリューションを選択する必要がある。
設立1年未満で2,500人以上が利用、地元 VC から20万米ドルを調達
Geneş 氏は、Nureply のローンチ前に、事前登録者にβサイトの招待状を送った。βテストに連絡した30人のユーザのうち、20人が初日に Nureply への加入を決めた。
設立から1年足らずで、Nureply は2,500人以上のユーザを集め、ユーザらは AI の助けを借りて、営業メールに25万以上のアイスブレイク文を書いた。Nureply は2023年1月、Boğaziçi Ventures から総額20万米ドルを資金調達した。
【via Meet Global by Business Next(数位時代) 】 @meet_startup
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