入賞者が語る「ハッカソンビジネス活用術」/no plan 芹川 葵氏 × ACV村上仁・宮本明佳【ACVポッドキャスト】

本稿はアクセンチュア・ベンチャーズが配信するポッドキャストからの転載。音声内容をテキストにまとめて掲載いたします

アクセンチュア・ベンチャーズ (ACV)がスタートアップと手を取り合い、これまでにないオープンイノベーションのヒントを探るポッドキャスト・シリーズです。旬のスタートアップをゲストにお招きし、カジュアルなトークから未来を一緒に発見する場を創っていきます。

no plan Inc.(※日本法人の正式名称はノープラン株式会社) はウェブ開発やブロックチェーン技術の実装、コンサルティングを得意とするスタートアップです。ステーブルコインのJPYC、レコチョク、SUSHI TOP MARKETINGなど、大企業のWeb3ビジネスやWeb3スタートアップの事業開発やサービス開発に取り組んでいます。

同社は共にカヤック出身の岡室庄悟氏(現在 no plan CEO)と芹川葵氏(現在 no plan CTO)が創業しました。二人はさまざまなハッカソンで賞を総なめにする実力者で、起業に至ったきっかけもハッカソンなのだそう。

そして昨年の春に開催されたWeb3とエンターテインメントをテーマにしたハッカソン「WEB3 x Entertainment Creative Hackthon/Ideathon」にてフルオンチェーンのミニゲーム「ZKWordle」を披露。

フルオンチェーンのWordle(5文字の単語をヒントを得ながら当てるゲーム)にZokrates(ZKP)を使い「回答を明かすことなく」回答を知っていることを証明するプロセスを期間内に構築されました。アクセンチュアとしてもこのアイデアにPodcast prizeを提供しております。

ポッドキャストではアクセンチュアの村上仁・宮本明佳が、Web3業界の勢力図を大きく変えていくかもしれない最新技術や、no planが目指すビジネスの方向性などについて同社CTOの芹川氏に話をお伺いしました。ポッドキャストから一部をテキストにしてお送りします。

ハッカソンで勝つ秘訣

芹川さんがWeb3に興味を持たれたきっかけを教えてください

芹川:僕がWeb3、ブロックチェーンに興味を持ったのは、2018年頃に開催されたビットコインのハッカソンがきっかけです。Twitterで参加者を募集していたので、出ようと思いました。そのときはブロックチェーンのこと何もわからなくて、とりあえず参加したんですけど、そこでたまたま優勝してどっぷりはまっていったんです。2018年の秋にも出まくって、アメリカにも行ったしベトナムにも行きました。そこでネットワークや知り合いも出来ました。

パートナー企業さんと一緒に展開されていることを教えてください。

芹川:公開できる情報だと、JPYCさんの技術顧問をさせていただいてたり、レコチョクさんのNFTのマーケットプレイスの開発のアドバイスをさせていただいたり、上場会社のクシムさんとNFTとかDeFiの分野で一緒に研究していたりとか、NFTを配りまくってるSUSHI TOP MARKETINGさんに、開発の支援や技術顧問をさせていただいております。最近話題のクエストリーさんとも提携しています。全部、基本的に技術ベースの支援になっています。

創業者2人の最初の出会いがハッカソンというのは珍しいケースですね。芹川さんは、Web3だけではなく、いろんな分野のハッカソンに参加されていたんですか。勝つ秘訣はなんですか

芹川:学生時代もVRのコンテストとかに出てました。カヤック時代のときは毎月、社内ハッカソン「作っていいとも」があって、新卒の時はそれに毎月プロダクトを出していました。大体いつも同じメンバーで参加していて、皆で集まってアイディアとかを出し合ってツール選定からみんなで相談してやっています。

(ハッカソンで勝つ秘訣は)目的を何にするかによって変わってくるんですけど、**絶対勝ちたいのであれば、スポンサーの方をすごく意識します。**どういうものを求められているのか、すごく考えます。ツールやSDKを使って欲しいのかなとか、そこ(スポンサー)が出してくれたら大喜びするようなサービスを作ってますね。

Web3エンタメハッカソンで攻めたワケ

今回(Web3エンタメハッカソン)では何を意識しましたか。

芹川:今回は攻めたモノを作りたいと思っていました。勝ちにいくんだったら別なものがあった気がしますが、別に僕らはゲーム畑でもなかったし、チームの中で最大限に面白いものをと、今までなかったようなものを作りたいなと考え、バリバリの技術で攻めようと考えていました。それでゼロ知識証明や「RANDAO」というイーサリアムの乱数を使えば面白くなるんじゃないかなと。

RANDAOはランダム値を生成するための機構ですが、それを使ってゲームを作るのを僕は見たことなかったので。ゲームと乱数は相性が良いので組み合わせて作れば面白いんじゃないかなという発想で作り始めました。RANDAOはイーサリアムのPoS(Proof of Stake)のための仕組み(バリデータ)のためにできた副産物なんです。

(CDN)の「Cloudflare」にも確か使われてますよね。世界中でレイテンシーが違うと、勝負が不利になっちゃうから、それを担保するためにということで工夫をしたものですね。ちょうどClouflareを使ったフレームワークの「Superflare」を使ってみたいなと思って、ちょっと無理やり入れたら面白いかなと思って使ってみました。

面白くてよさそうな技術を、「Wordle」というシンプルなUI/UXと組み合わせ、全世界で同時に戦えるようにするのはすごいアイデアだなと思いました。しかも、他のゲームとか他のユースケースにも転用できそうですよね。

芹川:ハッカソンの終盤になるにつれて、自分たちも同じことに気づいて、フレームワークとして売り出そうか、ゲームとして売り出そうか迷ってたんですけれど、さすがにフレームワークだったらウケが悪いんじゃないかなと考え、最終的にはゲームの方に落としました。エンタメハッカソンでしたし、わかりやすくこういう未来もありますよと(いう提案です)。

RANDAOはイーサリアムだけなので、別の乱数生成の技術を使う必要があるかもしれないすけど、エッジで処理して、ランダムを生成取ってくるというのは、今後必要になってきそうなベースの技術かなとは思いますね。

開発し続ける「no plan」

no planのサイトにはテックブログ記事の数々がズラリと並ぶ

no planはWeb3に特化した会社なんですか?

芹川:よく聞かれるんですが、僕たちはWeb2の開発とかもすごい得意なので、絶対Web3オンリーだみたいな感じにはしてないんですよね。現在Web2のお客様もいらっしゃいますし、Web3のお客様もいらっしゃいますので、あえてそこは線引きはしてないです。

一番僕たちが得意なのは受託開発になるんですね。そこは順調に伸びてはいます。それを作りつつ、自社サービスを作りたいねと言って、いろいろやってるんですけど、今のところヒットは生み出せてないですね。

社員はいなくて僕と岡室だけで、基本は業務委託で手伝っていただいていて、総勢で10名を超えてきたかなという感じですね。エンジニアは基本国内の人たちですが、住んでいる場所は世界中です。

自社サービスは、どれくらいのペースで作られているんですか。

芹川:できるだけ小さな製品を作って、MVPとして出していくことを意識しているので、1カ月で開発してとりあえず様子を見る、みたいなケースは結構多いです。ユーザーの反応を見て、伸びそうだったらもうちょっと作ろうとか、リーンなプロダクト開発をしています。

toBとtoCのサービスで違うとは思うんですけれども、toBのサービスだとしたら、ちゃんと利用登録してくれるかみたいなところは見ています。全然登録が進まないとかだったら、普通にそれ(解決しようとしたこと)はペインじゃないとかありえそうですよね。

また、継続して使ってもらえるかとか、登録しても全然使われてないとかだったら意味ないと思うので、その辺は何が足りてないのかみたいなのを見ていく必要があるのかなとは思いますね。

ハッカソンのビジネス・メリット

ハッカソンとか出ると審査員の方とかビジネスサイドの方と知り合いになりますもんね。仕事にも繋がっていますか

芹川:そこでご縁があることもあるので助かります。現在コニカミノルタ様とか、大企業とも連携してサービスを進めています。また、実はハッカソンが情報を仕入れるための機会になっています。ハッカソンで新しいネタを仕入れて試して作って性能評価するみたいな感じです。

今後、芹川さん個人、または、no planという会社として、どんな世界観のプロダクトを作りたいですか

芹川:開発は手段でしかないです。大事なのは価値提供であって、いかに課題を解決できるかなので、ローコストで組み合わせで作れた方がいいと思います。「車輪の再発明」をせず、うまく活用して一番良いプロダクトを作っていきたいと思っています。

(海外も)チャレンジしていきたい領域ではあるんですけど、現実そんなにできてないなと思います。海外のコミュニティとの繋がりが日本よりは弱くなってしまうので、そこが弱点なのかなと思います。

接点も少ないですし、Twitter(現在はX)とかも国内のユーザーには海外に比べればリーチしやすいですが、海外に向けてどうアプローチしていくか、海外に受け入れられる広告とかもチャレンジしていくしかないので、そこは弱いです。

最後にメッセージをお願いします。

芹川:弊社としては、これからもWeb3の領域を問わず挑戦していきたいと思っています。挑戦していく上で重要なのは、エンジニアやデザイナーやビジネス開発の方ですので、一緒に開発できるメンバーが増えればいいなと思っています。もしご興味ありましたら、TwitterのDMなどで、興味ありますなどメッセージをいただければと思います。

ありがとうございました。

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