リチウム回収技術開発のLiSTie、UMIから1.5億円をシード調達

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イオン伝導体リチウム分離法「LiSMIC(Li Separation Method by Ionic Conductor)」
Image credit: LisTie

リチウム回収技術の実用化を目指す LiSTie は29日、シードラウンドで1.5億円を調達したと発表した。このラウンドにはユニバーサル マテリアルズ インキュベーター(UMI)が参加した。また、同社は文部科学省の中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3)において、交付額上限15億円で採択されたことも合わせて発表した。

文部科学省の中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3)は、スタートアップによる研究開発を促進し、その成果を国主導の下で社会実装するための制度である。文部科学省では、宇宙、核融合、防災分野を対象に、大規模技術実証事業(フェーズ3事業)を実施し、その経費の全部または一部を補助することで、スタートアップ等の先端技術の社会実装を促進している。

LiSTie は、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(QST)発のスタートアップ。溶液からリチウムのみを選択的に回収する技術、イオン伝導体リチウム分離法「LiSMIC(Li Separation Method by Ionic Conductor)」の実用化を目指している。

同社によると、低 CO2 社会の実現に向け、EV や再生可能エネルギーへの転換が進む中、リチウムイオンバッテリーの需要はますます高まっているという。さらに、将来のエネルギー源として期待される核融合技術にもリチウムが必要であり、LiSTie は使用済みリチウムイオンバッテリーや塩湖などからリチウムを効率的、高純度、低コストで回収することで、リサイクルと安定供給の実現を目指している。

同社の開発する LiSMIC 技術は、ワンパスで電池原料の水酸化リチウムを99.99%の純度で直接製造することが可能となる。従来の方法と比較して炭酸リチウムを介さずに製造できるため、効率的で高純度かつ低コストでリチウムを回収できる。この技術は、廃リチウムイオンバッテリーや塩湖などのリチウム資源にも応用可能であるという。

今回の資金調達により、LiSTie は LiSMIC 技術の PoC(概念実証)の実現を目指し、国内外の大手リチウム製造企業への試験導入を進める予定である。5年後の実用化に向けてスケールアップ開発を行い、ベンチプラントによる実証も計画しているという。

via PR TIMES    Summarized by ChatGPT

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