バーチャルヒューマンメッセンジャー「文小言」公開、miHoYo「上海秋葉原」建設か——中国スタートアップシーン週間振り返り(7月29~8月4日)

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「Wen Xiao Yan(文小言)」
Image credit: Baidu(百度)

本稿は、Technode(動点科技)が、7月29日~8月4日に配信した「News Feed」記事の中から主要ニュースを翻訳したものです。

70以上のアプリが実名登録と顔認証に基づく中国の新しいサイバー ID システムをテスト(8月2日)

「WeChat(微信)」「Xiaohongshu(小紅書)」「Taobao(淘宝)」など中国の主流アプリは、新しい国家サイバー ID システムをテストしている。

公式文書によると、この規則は、「個人情報のセキュリティを保護し、ネットワークに信頼されるID戦略を推進する」ことを目的として、実名登録に基づくデジタル ID を各個人に提供することを提案している。

70以上のアプリがベータテストに参加しており、ユーザは ID 認証、顔認証、携帯電話との連携、8桁のパスワード設定などのステップを経て、公式アプリから取得した仮想番号でログインするよう求められる。財新

miHoYo、新本社拡張の一環として「上海秋葉原」の建設を計画 (8月1日)

中国のソーシャルプラットフォーム「Weibo(微博)」でカメラマン「龍宮輝夜」が投稿した写真によると、上海に拠点を置くゲーム開発会社「miHoYo」は、建設中の新本社ビルに加え、「上海版秋葉原」エリアの建設を準備しているようだ。

秋葉原は日本の東京にある地区で、活気のある電気店、アニメや漫画の店、ゲーム文化で有名だ。「ドラゴンボール」「NARUTO-ナルト-」「ONE PIECE」のような象徴的なシリーズは国際的な人気を得ており、ACG(アニメ、コミック、ゲーム)文化の世界的な普及に貢献している。

今回の動きは、上海が ACG の世界的なハブとしての役割を強化すると同時に、miHoYo とファン、そして自国のゲーム文化との結びつきを強めることになるだろう。龍宮輝夜の写真によると、上海の秋葉原エリアは全長1km、2000㎡の ACG 関連のトレンディな施設が建設される予定だ。

最近、ネットユーザは miHoYo が次の新作タイトル「ASTAWEAVE HAVEN」の商標登録を行っていることを発見した。このシミュレーション経営ゲームは7月22日に中国国家新聞出版局から認可ライセンスを取得した。miHoYo の以前のゲームと同様に、ASTAWEAVE HAVEN のアイコンは片目がウインクしている小さなパンダかタヌキのようだ。龍宮輝夜

Baidu(百度)、AI デジタルヒューマン・ソーシャルメッセージングアプリ「Wen Xiao Yan(文小言)」をローンチ(8月1日)

Baidu(百度)は最近、「ERNIE Bot(文心一言)」をベースにした AI デジタルヒューマン・ソーシャルアプリ「Wen Xiao Yan(文小言)」を発表した。これは、AI バーチャルキャラクタとの「リアルタイムのコミュニケーション、交流、感情的なつながりの確立」のための AI アプリケーションサービスである。公式発表によると、Wen Xiao Yan は、生き生きとした個性を持つ「AI ソーシャルオブジェクト」として模擬デジタルヒューマンを使用し、交流を〝よりリアルに〟する。

アプリのインターフェイスはシンプルで、主に2つのセクションに分かれている: 「チャット」と「ディスカバリ」だ。ユーザは「ディスカバリ」セクションで上下にスワイプして、お気に入りのデジタルヒューマンのチャットパートナーを見つけることができる。それぞれのデジタルヒューマンにはアバター、ニックネーム、プロフィールがあり、ユーザは自分の興味や趣味に合わせて選ぶことができる。デジタルヒューマンのアバターをクリックすると、チャットのインターフェイスに入ることができる。

アプリ内で一連の質問をしたところ、デジタルヒューマンは全員、比較的満足のいく回答をしてくれた。しかし、写真をアップロードして、そのアイテムがどのルートで購入できるかを尋ねたところ、デジタルヒューマンは一般的な美辞麗句で答えるだけで、購入リンクや商品例を示さなかった(対照的に、Taobao でオブジェクトの写真をアップロードすると、同じか似た外観のアイテムの商品リンクが直接開く)。

現時点で、Wen Xiao Yan は数分間体験する価値のある AI デジタルヒューマンアプリだ。あなたの社会的ニーズの一部を満たすことができる。メリットとしては、新鮮で楽しい体験ができること、AI が実際の人間に近い生活アシスタントとして機能し、有益なやりとりを提供してくれることなどだ。しかし、デメリットもある。最初の目新しさがなくなると退屈になること、デジタルヒューマンの表情や態度が不自然に感じられること、パーソナライズされたデジタルヒューマンを作るためのサポートがないことなどだ。動点科技

中国で人気の短編連続ドラマ、視聴者を惹きつけるも黒字化に苦戦(7月31日)

新しくリリースされたドラマシリーズが100話近くあったとしたら、あなたはそのドラマを時間をかけて見たいと思うだろうか?1話が10分、あるいは2分しかなかったらどうだろう? 中国では、このような短編ドラマシリーズによって、映画1本分の時間で、ドラマチックな場面が満載の凝縮版ソープオペラを楽しむことができる。

主に縦型フォーマットで上映されるこれらのミニドラマの超短時間は、短編動画時代の特徴である短い注意力に対応している。この新しいストーリーテリングの方法は、コロナ禍に中国で急速に発展した。

「Douyin(抖音)」の最大の競合「Kuaishou(快手)」は、2023年第4四半期に同社のプラットフォームにおける「短編ドラマのヘビーユーザ」が9,400万人に達したと決算報告で言及した。同グループは、ヘビーユーザについて、1日に10話以上を視聴するユーザと定義している。動点科技

Meituan(美団)の香港特化フードデリバリ「KeeTa」、コンビニ配送にセブンイレブンを追加か(7月30日)

Meituan(美団)の香港のデリバリプラットフォーム「KeeTa」は、セブンイレブンのようなコンビニエンスストアを誘致しようとしていると、中国メディア「Jiemian(界面)」が伝えた。Foodpanda や Deliveroo のような競合他社は、KeeTa ではまだ利用できない非食品アイテムを配達している。

KeeTa は昨年11月、デビューから半年足らずで、注文量で香港第2位のフードデリバリプレイヤーとなった。同プラットフォームは、リヤドでのサービス開始を控え、香港の最前線スタッフの一部を中東の事業を支援するために移転させたと報じられている。界面

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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