膜タンパク質を標的とした創薬を加速、リベロセラが7.2億円を調達——大鵬薬品や田辺三菱製薬の米CVC、東大IPCから

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Image credit: LiberoThera

膜タンパク質を標的とした創薬の研究・開発を行うリベロセラは1日、追加出資ラウンドで7.2億円の調達を実施することに合意したことを発表した。

このラウンドには Taiho Ventures(大鵬薬品工業のアメリカ CVC)、MP Healthcare Venture Management(田辺三菱製薬のアメリカ CVC)、東京大学協創プラットフォーム開発(東大 IPC)が参加した。また、2024年7月31日付けで、MP Healthcare Venture Management の小沢将太氏が取締役に就任したことを合わせて発表した。

今回の調達は同社にとって、2021年8月に実施した調達に続くものだ。Taiho Ventures は以前のラウンドに続くフォローオンでの参加。

リベロセラは、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)などの膜タンパク質を標的とする医薬品の創出を目指すバイオ創薬企業である。

2018年の創設以来、創薬標的として注目されながら、その複雑な立体構造による精製の困難さや、難発現性などの理由で創薬が困難とされていた膜タンパク質標的である GPCR に対し、抗体医薬品や抗体・薬物複合体(Antibody-drug conjugate)などの画期的な医薬品の創出に取り組んでいる。

リベロセラは、理化学研究所で開発された「膜タンパク質調製技術」と「非天然アミノ酸導入技術」を活用している。これにより、機能構造を保ったまま膜タンパク質を高純度で調製し、創薬スクリーニングに応用することが可能になるという。この技術は、創薬コア技術として重要であり、GPCR に対する抗体医薬などの医薬品候補の取得を可能にする創薬プラットフォームを構築しているという。

リベロセラの事業モデルは二つに分かれており、まず、自社単独もしくは協業パートナー企業とのアライアンスに基づくパイプライン型創薬事業がある。これは、抗体医薬などの有効性と安全性を評価し、医薬品開発候補を創出し、それらを製薬企業へライセンスアウトしたり共同開発を行っている。

もう一つは、共同研究型創薬技術提供事業である。これはリベロセラの膜タンパク質調製技術を製薬企業との共同研究に提供し、難易度の高い創薬ターゲットに対するボトルネックを解決するものであるとしている。

今回の追加資金調達により、同社は創出した医薬品候補の治療薬としての可能性を細胞や動物モデルを用いて検証し、非臨床開発から初期臨床開発までシームレスに実施できる体制をさらに充実させ、創薬研究開発を加速させるとしている。

via PR TIMES    Summarized by ChatGPT

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