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エンジェル投資「AngelList」がインドで新ファンドをローンチ

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ピックアップ:Silicon Valley-based AngelList launches angel fund in India ニュースサマリー:シリコンバレーを拠点に、スタートアップと投資家を繋ぐオンラインプラットホームを運営する「AngelList」がインドで新たにエンジェル・ファンドを設立する。 AngelListが資金調達・投資に関する法律・規制面での対応業務を請負うことで、同プラッ…

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Image Credit: AngelList

ピックアップSilicon Valley-based AngelList launches angel fund in India

ニュースサマリー:シリコンバレーを拠点に、スタートアップと投資家を繋ぐオンラインプラットホームを運営する「AngelList」がインドで新たにエンジェル・ファンドを設立する。

AngelListが資金調達・投資に関する法律・規制面での対応業務を請負うことで、同プラットフォームを利用するエンジェル投資家はプロセスの負担が減り、投資業務に集中できる。

加えて、資金・期間の面でリスクを抑えつつ、自由なエンジェル投資を促すブラインド・プールと呼ばれる手法を採用。投資資金は少額(110万ドル〜160万ドル)で、運用期間は半年から12カ月と短期間である一方、エンジェル投資家に意思決定の柔軟性を与える。

話題のポイント:ここ数年、AngelListはエンジェル投資家のためのプラットホーム構築に力を注いでいるように見受けられます。先日も米国で第3号目となるスカウト・ファンドを組成しています。

<参考記事>

スカウト・ファンドの仕組みでは、AngelListが資本の調達・投資における法律・規制要件の遵守業務を担い、スタートアップ経験者かつ目利きに秀でているエンジェルらが投資に集中できる環境を提供することで、ファンドとしてのパフォーマンスを向上させることに成功しています。

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Image Credit: AngelList

実はAngelListにとって今回がインド市場への初挑戦という訳ではありません。すでに「First Cheque」と呼ばれる投資ファンドの組成を支援した経歴も持っています。これは複数の成功したスタートアップの創業者らによって運営されるファンドです。

スタートアップ・エコシステムが盛り上がりつつあるインドにおいて、大型ラウンドに集中する投資家(ソフトバンクやUSV、Tiger Globalなど)の存在はもちろん重要ですが、エンジェル・シードラウンドに対しての投資ニーズも今後さらに増加していくでしょう。

ベンチャー・ファンドの戦略として真新しいことに加え、インドのエコシステム活性化という意味でもAngelListの動向には注目です。

スタートアップのオンライン投資AngelList創業者が暗号通貨インデックスファンドを開始

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<ピックアップ> AngelList Creator Naval Ravikant Backs S&P-Style Cryptocurrency Fund 暗号通貨関連はビットコインの乱高下、大物投資家たちの踏み絵宣言、詐欺だらけの戦場、各国による禁止令などなどなど、完全に北斗の拳状態で話題が絶えない状況になっております。楽しい。国内も大型ICOプラットフォーム「COMSA」が…

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<ピックアップ> AngelList Creator Naval Ravikant Backs S&P-Style Cryptocurrency Fund

暗号通貨関連はビットコインの乱高下、大物投資家たちの踏み絵宣言、詐欺だらけの戦場、各国による禁止令などなどなど、完全に北斗の拳状態で話題が絶えない状況になっております。楽しい。国内も大型ICOプラットフォーム「COMSA」が様々な困難を抱えながらもトークンセールス初日で50億円以上を集めるなど、その力強さは目を見張るものがあります。

そんなお祭り状態の暗号通貨ですが、そこはやはり安定に向けた動きも着々と進んでおりまして、そのひとつにインデックスなどの指標づくりがあります。Coindeskに掲載されていた話題によると、元facebookとGoogleの創業者が立ち上げたBitwise Asset Managementが10月2日にBitwise Hold10 Private Index Fund(以下、Bitwise Hold10)を開始すると発表。Bitwise Hold10はいわゆるインデックスファンドで、同社独自の指標「HOLD 10 Index」に連動した商品を提供しています。

HOLD 10 Indexは暗号通貨の時価総額トップ10指標で、執筆時点でビットコインが半分以上、イーサリアム、リップル、ビットコインキャッシュなど有名どころの銘柄が組み込まれています。国内では木村新司氏率いるAngoプロジェクトがより詳細なSynCrypという指標を提案していますが、Bitwiseのような連動投資商品の販売は開始していません。

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そしてBitwiseが注目されるべき理由はやはりNaval Ravikant氏の名前でしょう。スタートアップ界隈であればご存知のオンライン投資プラットフォーム「AngelList」の創業者であり、最近では暗号通貨関連でも度々目にすることがありました。いわゆる株式型のクラウドファンディングは法的制約も多く、その代替案としてのICO(新規コイン公開)による資金調達手法やブロックチェーン技術の活用は私自身も注目するところであります。

暗号通貨への投資はボラティリティの高さゆえに投機性も高く、ややバブルっぽい盛り上がりのある一方、海外のコインは詐欺も多く、そもそもそれを保有しておくウォレットをどうするのかなど、安全性を提供することは結構な急務になっています。Bitwiseはそういった面倒ごとを一手に引き受けてくれる上に、今後、投資対象となるコイン案件情報についてもおそらくNaval氏のスタートアップ・ネットワークが活用されることは容易に想像ができます。

デットやエクイティでの資金調達に加えて新たな「仮想通貨」を活用した資金調達マーケットが顕在化するなか、スタートアップや投資関係者にとっても事業推進にどのような手法を選択するのか、考えるべきことが多くなりそうな時代になってきました。

via coin desk

 

AngelListがProduct Huntを買収

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読者の皆さんが好きで、よく知る Product Hunt は変化しつつある。少なくとも、所有権という点では。同社は今日(12月1日)、投資シンディケーションプラットフォームの AngelList に買収されたと発表した。14人いる Product Hunt の従業員の大多数は、そのまま勤務を続けるという。 買収に関わる諸条件は開示されていないが、Product Hunt の CEO Ryan Ho…

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Image Credit: Product Hunt

読者の皆さんが好きで、よく知る Product Hunt は変化しつつある。少なくとも、所有権という点では。同社は今日(12月1日)、投資シンディケーションプラットフォームの AngelList買収されたと発表した。14人いる Product Hunt の従業員の大多数は、そのまま勤務を続けるという。

買収に関わる諸条件は開示されていないが、Product Hunt の CEO Ryan Hoover 氏はその価格に満足しており「La Croix(炭酸飲料)を1ケース買うには十分なもの」と語っている。

Hoover 氏は、Facebook が2012年に Instagram を買収したときのように、買収後も Product Hunt のすべてを今のまま保つことをユーザに保証できる方法を探していた。

Product Hunt のブランド、名前、サイト、コミュニティは、すべてそのまま維持されるだろう。Product Hunt は今後も、現在我々が持っているロードマップに沿って運営されるが、Product Hunt と AngelList は、互いの目標を達成すべく道を見出すことになるだろう。

我々は今後も、コミュニケーションに非常に多くの絵文字を使い続け、Philz Coffee を飲み、人々の目の前でコミュニティを築いていく。(Ryan Hoover 氏)

Hoover 氏は、ブログ投稿の中でそのように語っている。同時にまた、彼は AngelList と Product Hunt は一緒になることでさらに強くなり、エコシステム、メーカー、ユーザに対し、役立つ情報源になると考えている。

Product Hunt が AngelList に買収されたことは、少し驚きを持って受け止められたかもしれない。むしろ、Hearst、Google、Verizon、Comcast などが買収をするだろうとの憶測があったくらいだ。Hoover 氏は、これまでにも買収に関する会話が複数あったことを明らかにしたが、Product Hunt とそれらの〝求婚者〟との間で明らかに関係性が認められなかったため、申し出を断ってきたと語った。

<関連記事>

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WebSummit 2016 で登壇した Product Hunt CEO の Ryan Hoover 氏(中央)。左は、Product Hunt の投資家でもあり、Reddit 共同創業者 Alexis Ohanian 氏。
Photo credit: Masaru Ikeda

3年前のローンチ以降、Product Hunt は、人々が他で類を見ないプロダクトを集積できる場所として成長した。そのような成長を遂げる一方、Hoover 氏は AngelList の CEO Naval Ravikant 氏と会い、その結果、両者は同じオーディエンスに対して、異なるフォーカスでサービスをアピールしていくという結論に至った。つまり、Product Hunt にとってのフォーカスは、発見とディストリビューションであり、AngelList にとっては、資金調達や人材調達をするスタートアップの困難を解決したい、というものだ。

これらは異なる目標だが、オーディエンスは非常に似ている。非常に多くの戦略的な共通点を見出すことができるだろう。(Hoover 氏)

Product Hunt がいとも早く身売りすることや編集権の独立を危惧するユーザもいるかもしれないが、Hoover 氏はこれまでの非難を振り返り、Product はコミュニティから付託された責任を決して忘れていない、と語った。

我々は編集権を維持し続ける。情報の正しさとコミュニティこそが重要だからだ。コミュニティこそ、Product Hunt をProduct Hunt にせしめているもの。情報の正しさとコミュニティからの信頼こそ、我々を我々にせしめているものだ。(Hoover 氏)

Hoover 氏自身は今回の買収に非常に満足しており、AngelList の一部となることで、人材調達関連のサービス提供など、Product Hunt のロードマップにおける新サービスの開発が加速されると考えている。

Product Hunt は2013年のサービスローンチ以降、5万社の1億件以上のプロダクトを紹介してきた。VentureBeat に Hoover 氏が語ったところでは、Product Hunt のユーザの約半数はアメリカ国外からのアクセスとのことだったが、正確な数値は開示しなかった。副業としてスタートしていたかもしれない Product Hunt は、今や調子よく資金調達を遂げたスタートアップに成長した。もはや人気あるプロダクトを紹介するだけでなく、書籍ポッドキャストReddit の Ask Me Anything のようなサービスライブストリーミングネイティブ版のデスクトップアプリStripe で実現された購入ボタンSlack ボットまで提供している。

現在では、ユーザがプロダクトを発見できるよう多くのツールを提供しており、次のフェーズでは、プロダクトを製造するメーカーを探したり、コミュニティを構築したり、ビジネス取引を支援したりできる機能が備わり、Product Hunt と AngelList の連合体は、確実にものづくりのエコシステムに役立つだろう。スタートアップは一連のプロセスを、資金調達したり人材調達したりできる AngelList から始め、その後プロダクトを開発し、Product Hunt 上で公開する。いうまでもなく、複数の機会において、両者の間で重なり合う部分も存在するだろう。

Product Hunt は Andreessen Horowitz、Betaworks、Cowboy Ventures、CrunchFund、GV、Ludlow Ventures、Slow Ventures などの VC に加え、Alexis Ohanian 氏(Reddit 共同創業者)、Nir Eyaz 氏、そして AngelList の Ravikant 氏自身も参加したベンチャー投資により710万ドルを調達している。Product Hunt は買収前の段階で黒字化していない。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

AngelListが、中国の三大プライベート・エクイティ企業CSCと共同で4億米ドルのシード投資ファンドを組成へ

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Uber を含めて全世界650のスタートアップに2億500万ドルを投資したオンライン投資プラットフォーム AngelList が、より大きな市場を狙っている。 最近、中国の3大私募投資専門会社である China Science & Merchants(CSC、中科招商)が、個人と共同投資のノウハウを保有している AngelList と共同で「CSC Upshot」という4億ドル規模の投資フ…

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Uber を含めて全世界650のスタートアップに2億500万ドルを投資したオンライン投資プラットフォーム AngelList が、より大きな市場を狙っている。

最近、中国の3大私募投資専門会社である China Science & Merchants(CSC、中科招商)が、個人と共同投資のノウハウを保有している AngelList と共同で「CSC Upshot」という4億ドル規模の投資ファンドの組成を決定した。

これは、シードステージ・スタートアップを対象とした投資ファンドの中で最も大きな規模だ。一般的には、ファンドの規模が大きいほど、スタートアップが成長する可能性が大きいと専門家は述べている。

私たちの投資ファンドは、中国の有限責任投資組合員(LP)が世界的に投資することができるようにするために組成されており、また、中国のスタートアップがシードステージでも、世界に進出することができるようにすることを意図している。

AngelList創業者 の Naval Ravikant 氏はこのように説明している。一般的に中国では、シリーズDラウンドの投資を受けた企業が、世界市場に進出しているのとは、非常に対照的なコンセプトである。

<関連記事>

AngelList はこれまでにCSC がトップ50の投資家を選ぶのに協力し、すでに収益性の高い取引を成立された履歴があると伝えている。この2年間、AngelList は個人投資家の個人的なネットワークを利用して、より多くの投資を引き出す「シンジケートモデル」を開発してきた。 今日 AngelList は、165個のシンジケート方式の投資をする4,400人の投資家を保有している。

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Naval Ravikant 氏(撮影:池田将)

50人のトップの投資家と共に、CSC Upshot は AngelList のプラットフォーム上でディールを成立させるかどうかを投票で決定できる内部ツールを用意した。

Ravikant 氏は「投資された資金を適切に活用しなければ、市場をよくない方向に招きかねない」と懸念を示した。今年の第3四半期には、AngelList は企業価値が450万ドルから510万ドルまで上昇したが、その理由は、近年の市場へのアーリースタートアップ投資のための投資資金の流入が増えたためだと伝えられている。これにより、アーリーのスタートアップがシリーズAの投資を受けることが難しくなったと説明した。以下の Matter Mark が調査した資料でもわかるように、アメリカのアーリースタートアップのシリーズA投資が減少する傾向にある。

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Ravikant 氏は投資を適切な時に適切に使用しなければ、市場のすべてのアーリースタートアップの企業価値を低下させることに成り得ると強調した。

最初は CSC が10億ドルのファンドを提案したが、AngelList は、あまりにも大きな金額だと考えた。4億ドルでさえ規模が大きいので、6〜8年にかけて分割投資をしなければならない。初年度に約2,000万〜3,000万ドルの規模で始め、徐々に育てていく考えだ。

今回のファンドは、中国企業がアメリカのスタートアップに投資を増やしていく適期に組成された、と専門家は語った。今年の初め、Alibaba(阿里巴巴)は Snapchat に2億ドルを投資しており、中国市場での Uber のライバルである Didi Kuaidi(嘀嘀快的)が Lyft に1億ドルを投資していると付け加えた。

【via BeSuccess】 @beSUCCESSdotcom

【原文】

請求書発行クラウドのMakeLeaps、AngelListを通じ、Dave McClureなど有名投資家から60万ドルを調達

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから クラウドベースの請求書発行プラットフォームを提供する MakeLeaps は今日、AngelList を通じて60万ドルを資金調達したと発表した。このラウンドには、AngelList の Naval Ravikant(関連記事)、はてなの Richard Chen、500 Startups の Dave McClure…

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

クラウドベースの請求書発行プラットフォームを提供する MakeLeaps は今日、AngelList を通じて60万ドルを資金調達したと発表した。このラウンドには、AngelList の Naval Ravikant(関連記事)、はてなの Richard Chen500 Startups の Dave McClure らが参加した。

2011年10月、オーストラリア人連続起業家 Jason Winder 氏によって設立された MakeLeaps は、フリーランサーや中小企業向けをターゲットとした請求書発行プラットフォームを提供してきた。これまでに15,000以上のユーザを獲得している。同社によれば、MakeLeaps のサービスは4月から6月の3ヶ月間で、20%もの高いユーザ売上成長率を見せている。

今回の調達を受けて、MakeLeaps はサービスをエンハンスし、大企業が社内の請求書発行作業にこのプラットフォームを組み込めるよう、ERP や B2B決済サービスとの連携を計画している。さらに、エンタープライズ・ユーザ向けのマーケティングを強化するため、営業人員を増員するとも明らかにした。

AngelList創業者Naval Ravikantが語る、成功するスタートアップ・ハブの作り方(3/3)

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本稿は、5月14日〜15日に韓国・ソウルで開催されたスタートアップ・カンファレンス「beLAUNCH 2014」の取材の一部である。2日目に行われたファイヤーサイド・チャットのセッションに、起業家と投資家をつなぐソーシャル・ネットワーク「AngelList」の共同創業者 Naval Ravikant が登壇し、スタートアップ・シーンにおけるエンジェル投資やクラウドファンディングの重要性、成功するス…

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左から:Naval Ravikant (AngelList)、Jai Choi (Teckton Ventures)

本稿は、5月14日〜15日に韓国・ソウルで開催されたスタートアップ・カンファレンス「beLAUNCH 2014」の取材の一部である。2日目に行われたファイヤーサイド・チャットのセッションに、起業家と投資家をつなぐソーシャル・ネットワーク「AngelList」の共同創業者 Naval Ravikant が登壇し、スタートアップ・シーンにおけるエンジェル投資やクラウドファンディングの重要性、成功するスタートアップやスタートアップ・ハブの作り方について考えを披露した。

今回はその第三回目である。なお、このセッションのインタビュアーは、サンフランシスコを拠点にスタートアップ向けシード投資を行っている、Teckton Ventures の Jai Choi が務めた。

(トランスクリプションと翻訳:池田 将)

前回からの続き)

では、君が最近興味を持っているものに話を移してみよう。最近、心を躍らされるビジネスモデルや企業を教えてくれないかい?

Naval: 私なら、投資家にどんな会社をやるべきかなんて聞かないね。投資家にそれがわかるくらいなら、私が先に始めているよ。そういうことではなくて、起業家は世界中の誰よりもよくわかっていること、熱意を持てること、10年以上やれることをやるべきなんだよ。

2つほど興味のある分野があるが、いずれも深い技術的な専門知識が必要になる。Bitcoin と、そのウォレットである Blockchain、暗号技術には興味を持っているよ。ウェブならではの、中央集約化されてないしくみをうまく利用しているからね。

ドローンの世界に目を向けてみると、この分野でコンシューマ向けアプリをまだ見かけていない。ビジネス向けや軍事用ばかりで、多くの技術は開発途上だ。3D プリンティングも将来有望だ。ハードウェアはよりソーシャルに、コネクティッドに、安価になっていくだろう。そこでは面白いことが起きている。より深い技術が展開されていくだろう。共有経済は巨大だ。料理、車、家、掃除機、洗濯、食品店、あらゆる分野に共有経済の可能性がある。

こういうものはシリコンバレーで始まったばかりだが、韓国や中国市場では適用できて、それ以外の市場には合わないようなものもあるだろうと思う。韓国の人々が共有しているものがあるだろうが、モバイルやブロードバンドを使えば、もっと効率よく共有できるだろう。共有経済は新たな可能性ある分野だと考えている。マーケットプレイスのビジネスだからだ。サービスを供給する側と享受する側の両方に、うまく合わせなければいけない。それがうまくできれば、信じられないようなビジネスになると思う。

これまでに見てきたアイデアやビジネスの中で、もう一度やってみたいと思うものはある?

Naval: 全部やってみたいね(笑)。すべて形にしたい。それこそ、私が今 AngelList をやっていることの理由だ。すべての会社とつながっていられる。そこには何十万という素晴らしいアイデアがあるからね。アイデアに限界は無い。エグゼキューションあるのみだ。

現在、レイターステージのファイナンス事情を考えてみると、より多くの PreIPO やヘッジファンドが流入してきていますよね。これはいいことなのでしょうか、悪いことなのでしょうか? こういうキャピタルは現在の市場状況において差別化できるのでしょうか?

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Naval: いいか悪いか、白黒つける必要は無いと思うよ。必然的なものだからね。かつては、3社に1社が次ラウンドへの資金調達をし、10社に1社が大きな会社になっていた。今ではそれが、5社に1社、ないし、10社に1社が次ラウンドへの資金調達をし、100社に1社が大会社になっている状況だ。大きな会社へと成長していた企業が、今では速いスピードで超巨大な会社と成長するようになった。すごい短期間でゴジラのようにね。

そこで投資家はこう考えるようになった。「どうせ成功者に賭けるのなら、成功者にすべてを賭けよう」ってね。ごく少しの限られた成功者に多額を投資するんだ。

この傾向は顕著になっていると思うよ。ヘッジファンドやプライベート・エクイティ・ファンドは、投資した企業がIPOしたり、多額のバリュエーションになったりするまで待たなくなるだろう。そこは市場の多くが存在する場所ではないんだ。市場の多くが存在する場所では、彼らは私がどんな会社に注目しているか、常に調べているよ。

起業家にとって、これからの十年間は会社を作ることより、会社に投資してもらうことの方が難しくなるだろう。もし会社をやるなら、じっくり考えた方がいい。週末に友達とちょっと考えたようなアイデアで、会社を始めない方がいい。そのアイデアがうまく行かなかったら別の週末には退屈するだろうし、思ったように行かなければ、次の週末にはそのアイデアをやめてしまうだろう。やろうとしていることに深い知識と確信を持たなくちゃいけない。皆が失敗すると言おうが、毎度のように障害にぶち当たろうが、進み続けられる勇気と確信をね。

多くの駆け出しの起業家にとって、現在、資金調達は重要なことですよね。投資家に何を求めたいですか? シード・インベスターや(レイターステージに投資する)ベンチャー・インベスターにとって、何が重要でしょうか?

Naval: シード・インベスターやベンチャー・インベスターは、同じものを求めているね。だって、エンジェルやシード・インベスターの所へ行って、「(ある程度育った)ベンチャーとしてはまだ十分ではないけど、あなたにはちょうどいいかも。だって期待値も低いし、さほど多くの資金も調達できていないでしょう?」とは言えない。

問題はシード・インベスター達が、彼らのポートフォリオのスタートアップが、ベンチャーマネーを調達する必要が生じることを知っていることだ。(レイターステージを相手にする)ベンチャーキャピタリストが企業に対して持つべき基準に、シード・インベスター達が縛られてしまっている。だから、シード・インベスターは、ベンチャー・インベスターと同じものを求めてしまっている。

シード・インベスターなら、ベンチャー・インベスターのように考えたり、起業家に「その市場は十分に大きいの?」なんて聞いたりするのをやめるべきだ。逆に起業家にはこう言うべきだ。

「大きくて重要なことをやっているのか?」「君のチームはそのことを長くやっていけるのか?」「チームはそのことに見識があるのか?」「競合からの追い上げを交わせる要素はあるのか?」「多くのユーザがサインアップするほど、会社が力を得るとか、技術が高度になるとか、そういうマーケットプレイス効果はあるのか?」

そして、最後に、「それはよいディストリビューション・モデルなのか?」「普及させる方法を知っているのか?」

ディストリビューションを独占するのは大変難しいけど、賢明なスタートアップなら、その方法を見出せるだろう。

では、そろそろセッションをまとめたいと思います。会場から質問ですが、数十年にわたり起業家兼投資家をやっている立場からアドバイスをもらえますか? 人生哲学とか。

Naval: そうですね、私は若かった頃、若くいられるなら何でもしたいと思っていた(笑)。この壇上で話している人から何かを得られたとしても、それは聴衆の皆さんの若さに比べれば貴重なものではない。若さにしがみつくべきだ。若くい続けられるなら、そうすべき。強くお勧めしたい。

なので、私は常に生き急いでいた。常に前のめりで生きて来た。決断も速くし、苦労し、走り、競争し、急いできた。時として、短時間で決断すると、答を誤ることもある。しかし、すべてを人生の糧だと思っている。人間関係であれ、健康であれ、お金であれ、ビジネスであれ。

Warren Buffett が一代で世界一の富豪になったのは、彼が我慢強かったからだ。彼は投資して30年間待った。彼は株を売ることもせず、お金が必要なときにも、そこから換金することもしなかった。

同じように、人間関係においても、今後20〜30年間にわたって人生を共にするであろう人と仕事し、彼らを愛するべきだ。今後20〜30年間にわたって続けられる、ダイエットやワークアウトをすべきなのと同じようにね。

20〜30年後に誇りに思える人と、誇りに思える方法でビジネスをすべきだ。なぜなら、報酬は最後の最後にもたらされるから。いろんな要素をかけ合わせ続けるんだ。その要素から得られた数式が、人生のあらゆる場面に応用できることがわかるだろう。ビジネスのことだけを言ってるんじゃない。我慢強く、常に長期の展望を持って計画することだ。

私は常に自分に問うている。「この決断について、1年後の自分、5年後の自分、10年後の自分はどう感じるだろう? この人と10年後も一緒に仕事しているだろうか? こういうふうにやっていたいだろうか? 作ったものに自信を持ち続けられるだろうか?」

その人と2年間仕事を共にできないのなら、その仕事はやめて他のことをやった方がいい。だって、そんなことやっても意味はないから。

時間です。貴重な話をありがとうございました。(会場拍手)

AngelList創業者Naval Ravikantが語る、成功するスタートアップ・ハブの作り方(2/3)

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本稿は、5月14日〜15日に韓国・ソウルで開催されたスタートアップ・カンファレンス「beLAUNCH 2014」の取材の一部である。2日目に行われたファイヤーサイド・チャットのセッションに、起業家と投資家をつなぐソーシャル・ネットワーク「AngelList」の共同創業者 Naval Ravikant が登壇し、スタートアップ・シーンにおけるエンジェル投資やクラウドファンディングの重要性、成功するス…

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左から:Naval Ravikant (AngelList)、Jai Choi (Teckton Ventures)

本稿は、5月14日〜15日に韓国・ソウルで開催されたスタートアップ・カンファレンス「beLAUNCH 2014」の取材の一部である。2日目に行われたファイヤーサイド・チャットのセッションに、起業家と投資家をつなぐソーシャル・ネットワーク「AngelList」の共同創業者 Naval Ravikant が登壇し、スタートアップ・シーンにおけるエンジェル投資やクラウドファンディングの重要性、成功するスタートアップやスタートアップ・ハブの作り方について考えを披露した。

今回はその第二回目である。なお、このセッションのインタビュアーは、サンフランシスコを拠点にスタートアップ向けシード投資を行っている、Teckton Ventures の Jai Choi が務めた。

(トランスクリプションと翻訳:池田 将)

前回からの続き)

話題を変えて、急速に変化しているVCについて話してみよう。シード・インベスターのコミュニティには、多くのアクセラレータがいるよね。この点について、意見を聞かせてほしい。

Naval: それは、ここでもどこでも起こっていることだけど、以前に比べて、プロダクトが格段に安く作れるようになったということが、そのような変化の根底にある。ウェブサイトをローンチするにも、何百万ドルもかつては必要だった。Sun や Oracle からサーバを買って、データベースを買って、Windows を買って、コードも一から書く必要があった。ディプロイが終わって、そこからようやくお客を集めることができたわけだ。

でも、今はすべてのソフトウェアはオープンソースで手に入る。ホスティングも簡単に増やせる。Amazon とか、Rackspace のようなホスティング・サービスを使えばいい。マーケティングも Twitter や Facebook や Google でできるし、カスタマーサービスもオンラインでいいしね。スタートアップを構築するコストは破壊されたわけだ。

かつて気にすべき市場はデスクトップPCユーザだけだっだ。今は、皆がスマートフォンを持っているよね。Google Play や Apple iTunes Store もあるから、マネタイゼーションも簡単になった。会社を作るのも、お客さんを獲得するのも遥かに簡単になったわけだ。

もちろん、そこには激しい競争がある。投資家は、その規模が小さく俊敏になった。アメリカでは毎週のように、2つから4つのシードファンドが立ち上がり、一方で複数のベンチャーファンドが失敗して閉じている。そこで、数十億ドル規模のベンチャーファンドは、こういった小さくて俊敏な1,000万ドルや2,000万ドル規模のシードファンドに資金を渡すようになっている。彼らは、10万ドルとか、30万ドルとか、50万ドルとか、その規模で小切手を書いているんだよ。それが未来だね。

VC業界で破壊的なプレーヤーについても、教えてくれるかな? Andreessen や Y Combinator は、なぜ大きなインパクトを与えているのだろう?

navalNaval: そうだね。イノベーション・ベンチャーは多くなかった。なぜなら、それは実行するのは難しいけど、儲かるものだったから。よいベンチャーキャピタリストなら、その段階で既に儲かるので、何かを変えようとする意思は働かない。この業界には、3つの破壊が試みられていることを述べたい。

Andreessen は、頭から足の先まで、すべてを提供できるフルスタックのVCだ。彼らは少し手を引き始めてはいるものの、シード企業に投資している。ビッグステージの企業にも投資するだろう。積極的で、成長を続けているVCと言っていい。

Y Combinator は、経験が未熟で、リソースに十分にアクセスできない若い起業家や技術者にアドバイスを与えていた。彼らに重要な教育を与え、少しばかりの資金も与えてね。

で、AngelList だが、我々はそれをすべてオンラインでやろうとしている。すべてを透明に、そして効率的に。すべての人に投資家へのアクセスを提供し、オンラインで運営、履歴を記録し、透明に運営される新時代のシードファンドを作るんだ。これをやるのは大変難しい。非常に賛否両論がある。長きにわたって、ベンチャーというのはスケーラブルではないと考えられていた。ベンチャーは職人技で、寿司職人であったり、コーヒーを一杯一杯淹れてくれるバリスタのようなもの。多くの愛情と注意を必要としたのだ。

それはすべて正しいけれど、スタートアップの数や種類や、必要となる資金が格段に小さくなった現在の状況を考えれば、キャピタルの世界にもイノベーションが必要なんだ。

そうすると、アクセラレータには今後、他のビジネスモデルとか市場があり得るのだろうか。

Naval: もちろん。アクセラレータについて言うなら、急成長しているモデルがたくさんあるよ。Y Combinator は10週間のトレーニング・プログラムに起業家を投入し、デモデイの時期に複数のスタートアップを卒業させる標準的なモデルだよね。サンフランシスコには、10万ドルとか20万ドルとかを出してくれるハードウェア・アクセラレータもあるよ。彼らには卒業とかデモデイとかいう概念はなくて、時間をかけてスタートアップをよい状況に持ってゆき、時間をかけて構築するという考え方なんだ。

ロサンゼルスにある Science というアクセラレータは、スタートアップを自ら作って輩出しているんだ。Y Combinator と違って、株式シェアを多くを取るが、大きな資金は出さない。その代わり、そのスタートアップに多くの時間を割く。つまり、すでに出来上がったスタートアップを助けるというよりは、スタートアップを作り上げてスピンアウトさせるわけだね。

他にも大変多くのモデルが試されているよ。500 Startups は世界で成功しているね。彼らは、起業家の居るところなら、世界中どこにでも行くと言っている。起業家をシリコンバレーに連れて行くのではなくて、自分達から起業家の居る場所に出向いているんだ。

アクセラレータのモデルを見て、アクセラレータが多過ぎると言う人がいるよね。アクセラレータが多過ぎる、VCが多過ぎる、スタートアップが多過ぎる、でも、誰もどれが必要のないものかなんてわからない。競馬のようなものだね。競馬では、20頭くらいの馬が出走するけど、優勝できない19頭がどれかなんて、最後まで、誰もわからないんだよ。

競争においては、常に多過ぎるプレーヤーが存在するもの。その中から、どれが重要で、どれが適正なものかを我々は決めて行くんだ。

ロサンゼルスのアクセラレータ「Science」のウェブサイト。
ロサンゼルスのアクセラレータ「Science」のウェブサイト。

この会場には起業家が多いと思うけど、彼らに次の AirBnB や Twitter のようなものを期待しますか? シリコンバレーから学んだ内容を元に、韓国のスタートアップに実現できることとは何でしょうか。

Naval: シリコンバレーでうまく行っていることが、韓国でもうまく行くとは限らない。私なら、今すでにあるものをコピーすることはしないね。

まず、韓国の人が考えるべきなのは、世界でも最も多くのインターネット人口が存在するということ。他の誰もができない、インターネット人口密度の高い場所でこそ可能なサービスが実現できるはずだ。ネットも高帯域だし、それも生かすことができるだろう。

第二に、アジアへの玄関だということ。お隣は中国だ。中国市場にアピールできるものを作れると理解すべきだ。今居る市場が小さいのなら、同じ仕事量をこなしたとしても、大きな市場ならより多くのものが得られる。投資家はそれがわかっているから、サービスを展開する地理的範囲が限られるスタートアップには、投資したがらないんだ。

最後に、もしテクノロジーのスタートアップを作っているのなら、いい技術者を採用し、いいエンジニアを採用し、経営者自身も少しは学習することだ。エンジニアの経歴を持つか、もしくは、それをこれからすぐにでも得ること。難しいことをやるんだ。私は、くだらないことをやっている企業を多く目の当たりにしている。

彼らは、よくこんなことを言う。「YouTube からユーザを取り込んで、彼らを Twitter のユーザとマッチングして、友人が Facebook 上で私のやっていることを知れるようにして便利にする」とかって。そんなのは、シリコンバレーの偉大な企業がやってきたことの足下にも及ばない。

Instagram でさえ、ただのソーシャルなプロダクトに見えるけど、ユーザが写真を取ってフィルターをかけたときに、バックエンドでは技術的に非常に巧妙なことをやっている。写真を撮影したバックグラウンドで、次画面に遷移する前にその写真のアップロードを開始しており、結果的にユーザは、あまり時間をかけずに処理が完了できたように感じられる。一見簡単に見える技術が多く実装されていて、それは実際には難しいものだ。使っているユーザには、簡単に感じられるけどね。

だから、技術や技術者から始めてほしいと言いたい。難しいことを実現し、そして、それを広く消費者が抱える問題に適用する方法を考えるんだ。くだらない問題を取り上げちゃいけない。

例えば、最近、Facebook に買収された WhatsApp。彼らはローンチでは非常にハードな仕事をこなした。iPhone や Android のみならず、Blackberry やガラケーにも、決してやりたくないであろう、J2MEなどのテクノロジーが使えるあらゆるデバイスに実装したんだ。

それはハードで、面倒くさい仕事だ。でも、スタートアップとはそういうもので、コアの技術を持っていなくちゃいけない。もしコアの技術がないのなら、それはメディアビジネスだ。でも、それはここで議論している話じゃない。メディアは全く違う業種で、投資家が求める種類のお金を稼ぐようになりつつあるね。

次回に続く)

AngelList創業者Naval Ravikantが語る、成功するスタートアップ・ハブの作り方(1/3)

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本稿は、5月14日〜15日に韓国・ソウルで開催されたスタートアップ・カンファレンス「beLAUNCH 2014」の取材の一部である。2日目に行われたファイヤーサイド・チャットのセッションに、起業家と投資家をつなぐソーシャル・ネットワーク「AngelList」の共同創業者 Naval Ravikant が登壇し、スタートアップ・シーンにおけるエンジェル投資やクラウドファンディングの重要性、成功するス…

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左から:Naval Ravikant (AngelList)、Jai Choi (Teckton Ventures)

本稿は、5月14日〜15日に韓国・ソウルで開催されたスタートアップ・カンファレンス「beLAUNCH 2014」の取材の一部である。2日目に行われたファイヤーサイド・チャットのセッションに、起業家と投資家をつなぐソーシャル・ネットワーク「AngelList」の共同創業者 Naval Ravikant が登壇し、スタートアップ・シーンにおけるエンジェル投資やクラウドファンディングの重要性、成功するスタートアップやスタートアップ・ハブの作り方について考えを披露した。

このインタビューの全編は長いものになるが、彼の発した言葉は要約するには惜しいので三部構成とすることにした。今回はまずその第一回目である。なお、このセッションのインタビュアーは、サンフランシスコを拠点にスタートアップ向けシード投資を行っている、Teckton Ventures の Jai Choi が務めた。

(トランスクリプションと翻訳:池田 将)

まず、AngelList とはどういうものなの?

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THE BRIDGE が掲載されている、
AngelList のページ

Naval: 明らかに、これはコミュニティをエンゲージするためのものだね。交流するためのサイトではあるが、毎日訪問してもらうようなサイトではない。君のような投資家がスタートアップをチェックできるわけだ。海外では違うだろうけどね。いい会社がいい投資家に出会って、十分な資金を獲得できるようにすべく日夜努力しているんだ。

非常に規制の多い分野で業務をしている。特に企業の資金調達を助ける分野においては、アメリカでは規制を遵守しなければならない。ヨーロッパでもこの規制をクリアしようとしているところなので、ヨーロッパでも同じことができると思う。我々はアジアではできないと思うんだ。法律制度が全く異なるから。お金の動きも全然違う。

みんながニーズを持っているけど、それを満足させるプロダクトを作るのは難しい。我々は他の誰もが解決していない問題を解決しようとしているんだ。

以前のインタビューで、君は「脱出速度 (escape velocity)」という考え方について話していたね。聴衆の皆に説明してくれないかい? 君が脱出速度を達成できた事例でも構わないよ。

Naval: 脱出速度というのは、ロケットを宇宙に打ち上げるときの用語だね。君に置き換えれば、素早く動けば、支えているものを打ち破れることを意味する。重力圏を突き抜ければ、地面に引き戻されて死ぬこともない。

そこで疑問なのは、脱出速度に達してしまえば、それで十分なのかということだ。十分だろうがなかろうが、あるいは、それが分かろうが分からなかろうが、さらに進まなければならない。スタートアップの多くに取って、それがあるべき姿だ。

文化を偉大に発展させている力の一つは、失敗を忘れるということだ。失敗を忘れられるから、次に何かを始めようという気になることもできる。したがって、起業家は自分が脱出速度に達したと気付くことができれば、少なくともどこかへ進もうとしているという自信につながる。

脱出速度には多くの測り方があるが、素早く脱出速度に達することができれば、市場は君のプロダクトを放っておかない。君が信じるものには需要があるのだから。需要が向こうからやってくる。お客が値段を聞きに来る。君は人々を確信させ、彼らにプロダクトを買ってもらうようになるだろう。

しかし、脱出速度に達している企業はほとんど存在しない。私達でさえ達していない。私達の場合、ある面では達しているが、すべての面では達していないと思う。

それは、クリティカル・マス(訳注:ある商品やサービスの普及率が一気に跳ね上がるための分岐点となる普及率、物理学用語としては臨界質量)とは違うの?

Naval: クリティカル・マス? それは、みんな同じものを使おうとすることだよね。「成功とは、失敗よりは成功しそうな状態」と彼らは言う。君だって、失敗よりは成功に近いよね。

クリティカル・マスは核反応から来た物理学用語だが、おそらく、それはこの場で話すような重要なテーマではない。プルトニウムとウランを混合したら、爆発するか核反応を始めるというような話になる。

スタートアップの文脈では、コミュニティの中で君のプロダクトを使ってくれるお客やパートナーが獲得できることを言う。彼らは互いに価値を提供しあう。つまり一定のクリティカル・マスを獲得すれば、反応を得られ、さらに多くのお客を市場に連れてきてくれる、というものだ。

それを実現した企業の例はある? 何が一番の成功要素なのだろうか。

Naval: 我々は初期の段階で大きな成功を企業に注力するようにしている。例えば、Uber。非常に速く成功したよね。正しいプロダクトを正しいタイミングで正しい方法で投入すれば、大きな市場が生まれる。

振り返ってみても、そのようなケースはまれだ。さらに成功事例を述べれば、Twitter や Yammer だろう。彼らは成功までに時間を要した。時間はかかるものだ。スタートアップをしているということは、世界中の最高の人々と競争している訳だ。これは間違いない。つまりそのゲームで、君は最高である必要がある。でも、みんな頭がいいし、みんなよく働く。

頭はいいのに成功していない人も多く居る。研究所、大学などにはそういう人はいっぱいいる。長期的に見て、勝者と敗者を分けるのは執着心だ。10年間も同じ場所にいて、同じことをやり続けるということだね。

では、最近の資金調達や市場動向について、ちょっと話を進めてみたいと思う。現在のVCやスタートアップ・シーンで起きている、最も恐いことは何だろう?

navalNaval: 恐いこと? いつだって恐いことは起きているよ。スタートアップはリスキーだし、スタートアップ投資のビジネスは感情に左右されるからね。リスクや恐いことが常について回るが、スタートアップ投資は規模が小さい。非常に少数の人々に少額が投資されるだけだ。

株式公開に近づいたら、恐くなるかもしれないね。バリュエーションが過大で後にクラッシュするかもしれない企業がポートフォリオにあれば雰囲気は悪くなる。でも、破綻や損害は、ある程度あっても構わない。

例えば、ここ韓国で聞いた話では、今年3つの大きな上場があるという。Coupang(関連記事)、カカオ(先週ダウムが買収)それに LINE だ。君は、Coupang の出資に関わっているんだってね、おめでとう。

そのような動きが世界の他の場所でも繰り広げられるようになれば、韓国のスタートアップ・シーンは変化していくだろう。リスクに物怖じせず、スタートアップを知り、スタートアップを愛し、より多くのスタートアップに出会う、お金を持った人々を生み出すからだ。そうなれば、そこからはローンチ可能なコミュニティが生まれ、エンジェル市場やスタートアップ・シーンが生まれることになる。

例えば、世界の他のスタートアップ・ハブを見てみると、言うまでもなくシリコンバレーがナンバー1だ。しかし、ニューヨークがナンバー2だと言う人も大勢いる。ニュ—ヨークはこのところ、テック業界からIPOは出ていないのにだ。もし韓国が一年で3社のIPOを出せるのなら、韓国はテック・エコシステムで普遍的な位置づけになれる可能性がある。

それは夕べ、我々が飲みながら話していたことだね。

Naval: そう二人とも飲んでいたので、それ以上のことは話さなくていいよ。(会場笑)

君は、韓国の市場が5大財閥によって成り立っていることにコメントしていたね。そして、市場をディスラプトするには、韓国は最高の場所だと思うって。この点についてどう?

Naval: そうだね、韓国には財閥があるよね。彼らは成功者だし、この国に信じられないほど多くのものをもたらしている。長期的に見れば、財閥はイノベーションとは関係ないところにいる。成熟した市場、例えばアメリカを見てみると、多くの公開企業は一つか二つの事業しかやっていなくて、うまくやっている。つまり、一社で10種もの事業をやる企業なんて存在しないわけだ。

こういう財閥をみたら、資本へのアクセスが不十分だと思うよね。市場が規制され過ぎているとか。こういうことは変化していくと思っている。ここにはインターネットやオープンソースのおかげで、起業家世代がいるんだ。以前ほどお金がなくても会社は作れるんだよ。

10万ドルもあればプロダクトが一つ作れる。市場で100万ドルを手に入れられる。1,000万ドルで成功する会社が作れる。こういう数字がかつては10倍、100倍必要だった。だから、そこにはイノベーションのチャンスがあるんだ。

韓国の人はリスクを取りたがらないという話はよく聞く。文化、文化、文化。人はリスクを取りたがらない。でも、そんなの問題じゃない。スタートアップ・エコシステムが存在するために、リスクを取る人が100万人必要なわけじゃないんだ。1,000人リスクを取ってもいい人が居れば、1,000人で十分なんだ。

これだけは言わせてほしい、スタートアップに本当のリスクなんて存在しない。確かにスタートアップは大変だ。人生の数年間を費やすことにはなるが、そこで学ぶことは後の人生にとって役立つことだ。餓死することはないと思う。だから、積極的にリスクを取るべきなんだ。

Fred Wilson(訳注:ニューヨークの投資家でブロガー)が「成功しているスタートアップ・ハブとは何か」って面白い記事を書いていた。彼は世代の多様さ、学び、適用性だと。これについてはどう思う? スタートアップ・ハブを成功させる要素って何だろう?

Naval: ハブは、いろんなことが組み合わさって成立している。だから作るのは難しいけど、それを壊さないようにすることはできるよ。まず規制を減らすのはよいこと。リスクを取ろうとする文化を支持するのもいい。よいベンチャー投資家を迎えるのもいいことだ。

私は韓国にいいVC企業が少ないことには驚かなかった。むしろシードファンドがもっと必要だね。もっとエージェントが必要だ。イグジットが必要だ。大きな IPO が必要だ。そして成功したスタートアップの創業者や従業員は、次世代の企業にもっと投資を促されるべきだ。税制も緩和しなくちゃいけない。

私はシリコンバレーの天気がいいのは偶然だとは思っていない。天気はすべてに役に立つ。近くに大学がたくさんあることも。デザインも重要なので、よいデザインセンスを持った人がいれば、それも役に立つ。

私は大学の近くにいたんだけれども、そこには非常によいデザインセンスが多くある。クリエイティビティもある。エネルギーもある。そういったものをテクノロジーを持った優秀な人と結びつければ、すごいことになる。

テクノロジーはカギだ。スタートアップはテクノロジーのビジネスだからだ。すなわち、たいていの会社は、MBA や美術の学位を持った人じゃなくて、エンジニアで埋め尽くされなければならない。そこには、テクノロジーや技術者を賛美する文化が必要なんだ。

次回に続く)

AngelListを最大限活用するために知っておくべき17のこと【ピックアップ】

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【ピックアップ】は世界のテク系スタートアップの資金調達やトレンド記事を概要と共にお届けします Winning AngelList 大変興味深い寄稿記事です。先に言いますが長いので読み込むの時間かかります。 CrunchBaseに並ぶ非公開企業のデータベースとして、また米国JOBS法制定以降、オンラインでの投資プラットフォーム(言い換えるとスタートアップにとってのオンライン・エコシステムの一部)とし…

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【ピックアップ】は世界のテク系スタートアップの資金調達やトレンド記事を概要と共にお届けします

Winning AngelList

大変興味深い寄稿記事です。先に言いますが長いので読み込むの時間かかります。

CrunchBaseに並ぶ非公開企業のデータベースとして、また米国JOBS法制定以降、オンラインでの投資プラットフォーム(言い換えるとスタートアップにとってのオンライン・エコシステムの一部)としても影響力を拡大しつつあるのがAngelListです。

CB使っててこれ知らないという人はいないでしょうが、少なくともこの辺りの情報に疎いまま「俺…世界の王者になるんだ!」と公言するとなかなかしょっぱい感じになるので名前ぐらいは覚えておいて損はありません。

興味深いのは使われ方で、認定投資家としてこのALを使っている某投資家に聞いてみると、やはりオンラインでの投資よりも直接コンタクトした方が効率的だということや、実は裏側でいいスタートアップについてサジェストしてくれたりと、見たままというわけではなさそうなところも初期投資っぽい話で楽しいです。ちなみにハイアリングにも効果的という話もあります。

国内およびアジア圏でこの手の一番手がまだないことからTHE BRIDGEでも準備進めてますが、とにかく便利で情報が最新に保たれているものが最後に残ると信じております。

Google翻訳でざっくり読む

via TechCrunch

Dreamlt VenturesがAngelLIstを通じてファンドの資金調達を実施、2500ドルからスタートアップ投資【ピックアップ】

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【ピックアップ】は世界のテク系スタートアップの資金調達やトレンド記事を概要と共にお届けします DreamIt Ventures launches new microfund powered by AngelList (exclusive) これまた面白い取組みです。オースチン拠点のスタートアップインキュベーター、Dreamlt Venturesがスタートアップ向けのマイクロファンドを準備というニュ…

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【ピックアップ】は世界のテク系スタートアップの資金調達やトレンド記事を概要と共にお届けします

DreamIt Ventures launches new microfund powered by AngelList (exclusive)

これまた面白い取組みです。オースチン拠点のスタートアップインキュベーター、Dreamlt Venturesがスタートアップ向けのマイクロファンドを準備というニュースなのですが、このファンドの資金調達、なんとAngelLIstを通じて実施するそうなんですね。最小投資金額は2500ドルですからそこのお父さんにもチャレンジできそうです。

初期投資の現場というのは興味深く、絨毯爆撃のような目隠し投資もありますし、起業家一本釣り投資、プロジェクトを用意して起業家を据える養殖投資など、みなさんいろんな手法にチャレンジされてます。

どんどんスタートアップの現場がオープンになりそうです。

Google日本語訳でざっくり読む

via VentureBeat