音を通じて近くのコンピュータとURLを共有できるChrome拡張機能「Google Tone」が登場

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Above: Google Tone
上: Google Tone

Googleは、近くにある別のコンピュータにウェブサイトのURLを音だけで伝えることができる実験的な拡張機能をChrome向けに新たにローンチした。

この機能を使うには、すべてのコンピュータにGoogle Tone Chrome拡張版がインストールされ、お互いに音が聞こえる範囲内にいる必要がある。そしてシェアしたいウェブページがあればブラウザにある小さなGoogle Toneタブを押す。するとピーという小さな音が聞こえる。昔のZX Spectrumコンピュータがゲームをロードする時の音と似ていなくもない。近くのコンピュータは、メッセージに埋め込まれた送信者のGoogleプロフィールや写真とともに通知を受け取る。そしてユーザーは自身のパソコンでURLを開くかどうかを選ぶことができる。

Google Researchブログ上での発表によると、Google Toneの初版はとある午後に作られた。現時点での基本的な使い方は単純なURLを共有するだけだが、その基礎技術はあらゆる種類のファイルを転送するのに適用されることになるだろう。

メールやインスタントメッセージからDropboxまで世界には多くのファイル共有方法が既に存在するが、同室内にあるコンピュータ同士の共有方法はもっと簡単で直接的になるだろう。

私たちがロンドンに本拠を置くChirpというスタートアップのことをレポートしたのはつい先週のことだ。Chirpはユーザ間のファイル転送を音声で行うことを実現した。転送は瞬時に行われ、画像や動画を扱うことができる。このサービスはiOSとAndroid版アプリが利用可能だ。偶然にも、Chirpもつい最近Chromeの拡張機能をリリースした。

Chripの基盤技術は裏で実際に何が起こっているかという点では多少ベールに包まれている。転送対象のファイルはピアツーピアで送られているわけではなく、音声を通じてデータが移動しているわけでもない。Chirpはファイルを単にエンコードしているだけであり、音声は付随的に受け渡しのメカニズムとして機能している。実際には、ファイルはChirpのサーバにアップロードされ、ChripはURLをリアルタイムで生成・転送先のデバイスに共有し、ファイルをデコードするのである。ファイル転送のプロセスはシームレスでほぼ瞬時に完了する。

Google Toneはマシン間のデータ転送に類似技術を使用している。従って、理論上は、将来的にこの技術をクラウドベースのファイル転送サービスに拡張できると考えられる。このサービスは特定の状況で特に有用であり、デバイスを「ペア」にする必要も、メールアドレスを入力する必要もなくなる。同じ部屋にある複数のマシン間でのデータ共有の効率的な手段というだけに留まらず、ラジオなどブロードキャストネットワークでも有用だ。GoogleはHangoutsでも機能すると認めた。

しかしながら、Google Toneはまだ初期段階のプロトタイプであり、欠陥がないわけではない。バックグラウンドノイズの干渉の問題や、マシン同士の距離が遠くになるとビープ音を拾わなかったりすることもある。だが、Googleは「少人数のチームや、教室の学生たち、複数台のコンピュータがある家庭」には、Google Toneは便利なのではと言う。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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