中国の旅行サイトQunar(去哪)が5億米ドルを調達し、Ctrip(携程)の買収提案を拒否

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中国最大の旅行ブッキングサイトの1つ Qunar(去哪)が本日、世界的なテック系投資企業 Silver Lake が主導する戦略ラウンドで、5億米ドルを獲得したことを発表した(編集部注:原文掲載6月2日)。

Silver Lake の投資額は3億3000万米ドルで、残りの1億7000万米ドルは2番目の匿名の投資家によって提供された。Qunar が声明で発表したところによると、同社はこの資金を自社のモバイルの存在感(プレゼンス)を拡大し、同ビジネスラインを成長させ、そのテクノロジーを向上させるために投入する予定だという。

Qunar は1億6,700万米ドルを調達した2013年7月にNASDAQに上場した。IPO(株式公開)以降は利益を上げていない。

今日発表された第1四半期決算資料によると、Qunar は2015年第1四半期において、計1億830万米ドルの利益と前年同期比で2倍にしている。そのうち、モバイル端末での利益が60%を占める。

Qunar における最大の収入源はフライト予約によるものであり、ホテル予約がそれに続く。

Ctrip(携程)の合併は依然として検討中

先月、中国最大のオンライン旅行予約企業 Ctrip が Qunar の買収を申し出た。Quinarは、その噂を鎮めるため、今日発表した収益報告書に以下のような回答を盛り込んでいる。

そのような提案を慎重に検討しましたが、私たちは2015年6月1日付の文書において、その実行を差し控える旨の回答をいたしました。しかしながら、弊社および弊社の株主に利益をもたらす可能性のある、あらゆる戦略的ビジネスチャンスを検討するという弊社ポリシーと一致しているため、私たちは Ctrip のみならず、業界のその他の戦略的に有力な企業ともさらなる協議をする用意があります。

Qunarは、中国で最も人気のある検索エンジンを運営する大手 Baidu(百度)の投資先企業である。Baidu、Tencent(騰訊)、Alibaba(阿里巴巴)共に、中国のWeb業界の三大企業の地位を築いており、中国のインターネット業界の道筋を大きく形作っている。

Ctrip は先月、中国の人気フライト・ホテル予約サービスを展開するElong(芸龍)の4億米ドルの株式を購入した。この株はアメリカのExpediaから購入したものであり、Expedia は Elong の株式の過半数の6億7100万米ドルを売却した。Expedia の最大のライバル Priceline は Ctrip の株式を10%所有している。

もし Ctrip が Qunar を買収すれば、中国の小さな企業を除く全ての競合他社を吸収することになる。

2015年6月3日更新:Ctrip は公式に Qunar の拒否に対して回答し、もはや買収を推し進めることへの興味はないと語った。Qunar は Ctrip から「頼んでいない」オファーを受けたのだと語ったが、Ctrip は Qunar からアプローチがあった後に内密の予備提案をしたのだと主張した。Ctrip が、Qunar のこの状況への対処の仕方について快く思っていないは明らかだ。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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