国内民泊は既に数百億円市場ーースペースマーケットがオプトV等から4億円調達、民泊・シェア経済の市場牽引を狙う

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2016.8.29

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スペースマーケット代表取締役の重松大輔氏

空いたスペースと借りたい人のマッチングサービス「スペースマーケット」は8月29日、オプトベンチャーズをリード投資機関とする第三者割当増資の実施を発表した。

その他、同投資ラウンドに参加したのはリクルートストラテジックパートナーズとみずほキャピタル、SBIインベストメントおよびオリックスの4社。合計5社から調達した資金は総額で4億円となっており、払込日や各社の株式比率などの詳細は公開されていない。

スペースマーケットの創業は2014年1月。同年10月に総額1億円の資金調達を実施して主にイベントを中心とした遊休スペースのマッチングを提供し、取り扱いスペースは8000件を超えている。同社は今回の調達で短期的には開発人員やSEOなどマーケティング周辺の強化に努める他、中長期的な事業推進および経営基盤の強化も進める。

スペースマーケットの注目点は「イベント」と「民泊」

合同法要_築地本願寺
提供:スペースマーケット(築地本願寺で開催したイベント)

国内シェアリングエコノミー、特に注目度の高いスペースシェアの雄が次のステージに進む。

私が気になったのは二点。ひとつは市場性の大きいバケーションレンタル、つまり国内民泊の可能性、それと現行のイベントスペース事業の状況についてだ。

まず先にイベント利用のスペースシェアについて聞いてみた。実は私たちもスペースマーケットを使って都内のクラブ・スペースを借り、200名程のパーティーを実施したことがある。担当者が付いてくれて、候補地の提案や価格交渉、当日までの調整など、かなり手厚くサポートしてくれていた。手数料等についても特に特別な料金は発生していない。

助かる反面、当然マーケットプレース型のモデルとしてはややスケール感にかける手のかかりようだ。ただこれは大きめの案件に限ってのものらしい。スペースマーケット代表取締役の重松大輔氏はこう説明する。

「さすがに数百人規模のイベントや大企業の案件についてはウェブで決まりようがないので現在4名ほどの営業アカウントを立てて対応しています。また、登録されている物件も7割ぐらいはセルフで登録されていますが、こちらも物件保有が多い事業者についてはB2Bで取ってきたりしています」。

今回のファイナンスについても主にこのイベント・スペース事業が評価対象になったということで、企業のマーケティングで大手広告代理店に依頼するほどではないような中型の案件が依頼として多いということだった。(文末に事例写真集を掲載)

国内民泊の可能性とAirbnbの実態

古民家_開発会議
提供:スペースマーケット(古民家で開催されたイベント)

そして最も注目していたのが民泊分野の可能性だ。

重松氏によれば、国内で展開しているAirbnbは既に物件数が4万件に到達しており、その平均宿泊数などの情報を試算すると、その規模は数百億円規模に拡大している可能性があるという。

一方でこの民泊分野についてはこれまでは貸し出し側に旅館業法に則った許可が必要で、それを取得していない場合はアウト、今年5月に解禁の方向性が示されたものの、法規制については「向こう一年ほど」(重松氏)で成立するのでは、という状況となっている。なお、民泊解禁に関する考察については、メルカリで法務やIRを担当している岡本杏莉さんの解説が詳しいので参照されたい。

つまり、国内バケーションレンタルは基本的に手足を縛られてる状態というわけだ。岡本さんの考察にもある通り、示された解禁の方向性についても日数制限等が厳しく、これだったら賃貸で貸し出した方が得という状況も十分に考えられる。

ただ、事実上立ち上がっているグレーな市場と、2020年オリンピックに向けた数千万人規模の訪日観光客の宿泊需要を考えると、民泊事業の可能性は十分に考えられる。重松氏はこのようにみていると話してくれた。

「シェアリングエコノミー協議会に入って検討を進めていますが、現時点の国の目標数値に対して宿泊場所が足りていないのは明らかです。日本は欧米の事情に比較して空き家率が高いので、不動産事業者さんは歓迎しているという状況があります。また、国内の展望としては、(現在の解禁の方向性から)業者が空き家を使った「擬似ホテル」を作るというよりは、ホストが同居するホームステイ型が主流になるのではないでしょうか」(重松氏)。

スペースマーケットでは各地方自治体との提携を進めており、例えば彼らの得意とするイベントと民泊をセットにした方向性を考えているのだという。これは確かに理にかなった方法だし、その場合はホストが同居する民宿のようなやり方の方が来日観光客も喜びそうだ。

現在27名ほどの人員で国内のシェアリング・エコノミーに挑戦するスペースマーケット。2019年に5万件の物件数獲得を目指す重松氏は、遊休スペースを活用した豊かな暮らしを提案したいと語る。

「シェアリング・エコノミーはやはり面白いです。私も千葉の実家を登録しているんですが、先日は写真サークルの方々が借りて下さって、それを親父が対応しているんですね。貰ったお金でさらに家を直したりして生活にハリが出てくるというか。これから厳しくなる地方に新しい可能性を提案していきたいと考えてます」(重松氏)。

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