登山者コミュニティアプリ「YAMAP」が、ダウンロード数45万件を突破——社名を変更し、2017年は観光防災分野にも注力

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2016.12.31

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登山者コミュニティアプリ「YAMAP」は先ごろ、モバイルアプリのダウンロード件数が45万件を突破したことを発表した。2013年7月のローンチ以降、順調にユーザ数を増やし続け、登山者人口740万人(日本生産性本部発行「レジャー白書2016」による)の約6%を占めるまでになった。ユーザの継続利用率が高いことを考慮すれば、実際の登山者のうち YAMAP をスマホにインストールしている人の割合は、統計から算出される平均的な値よりも高いかもしれない。

また、YAMAP の開発元のセフリは10月、社名をアプリ名と同じヤマップに変更している。同社が拠点を置く福岡市の母なる山「脊振山」を社名に冠していて、筆者にとっても旧社名は愛着のある名前だったが、社名変更は次なる一歩への布石と考えて良いだろう。

ヤマップでは今年3月のシリーズAラウンドでの1.7億円の調達以降、京セラのアウトドア向けスマートフォン「TORQUE」やカシオのスマートウォッチ「WSD−F10」への YAMAP アプリのプリインストール、自動車メーカー富士重工が運営するウェブコミュニティ「スバコミ」との山登りイベントの開催など、大企業との協業活動を加速させている。

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YAMAP 上に表示した、福岡市の防災マップ

大晦日に改めて振り返ってみると、熊本での大地震、北海道への台風上陸など、2016年の日本は甚大な被害をもたらす大規模自然災害に見舞われた。日本列島が造山帯の上にあったり、台風の通り道になったりすることを考えれば、今後も自然災害が完全になくなることはない。注力されるべきは、被害の影響を最小限にとどめる努力と、災害が通り過ぎた後のできるだけ早い日常生活の回復である。

同社は今年5月から、福岡市の協力により、アプリ上での防災マップの公式配信を開始している。地震などの災害時、たとえ通信が途絶えた状態であっても防災マップが表示し、現在位置を確認できる。出張者や旅行者など地理に不案内な人でも、付近の屋内避難所や屋外避難地域、病院・交番・消防署などの施設情報が得られるしくみだ。

観光誘引効果のある YAMAP に防災マップを追加するコンセプトは、2014年に34年ぶりの火山噴火が起きた口永良部島でも取り入れられることになった。ひとたび自然災害が発生すると、実際の被害状況は限定的であるのに、人々はその地域に旅したいという心理から遠のく。いわゆる風評被害だが、観光産業にとっては、災害が直接的にもたらす物損的被害よりも往々にして大きな経済的打撃となる。

そこで、口永良部島を管轄する屋久島町では、ヤマップに YAMAP 上で口永良部島の防災マップ追加を依頼。口永良部島を訪れる観光客には YAMAP を名所を巡る際の案内アプリとして利用してもらい、万が一のときには、防災マップとして身を守るための情報源に活用してもらうことを想定している。口永良部島の防災マップが追加されるのは来年のことだが、自然がもたらす絶景は災害と常に隣り合わせだけに、国内各所の観光地を中心に、このようなユースケースは増えてくるだろう。

YAMAP メインのコミュニティアプリ以外の活動も活発だ。ヤマップは9月、ユーザ同士がトレッキング・ハイキング・登山などのグループイベントをスケジュールできるアプリ「YAMAP Events」をローンチ( iOS 版 / Android 版 )。さらに、今月半ばには、同じく姉妹アプリで登山・アウトドア用品の比較評価ができる「YAMAP Gears」( iOS 版 / Android 版 )が大幅リニューアルし、タイムライン上に登山・アウトドア時に実際に使った道具の写真を併せて投稿できるようになった。ユーザは他ユーザの実際の利用シーンを見て商品を評価できるようになり、YAMAP Gears から商品購入に至るコンバージョン向上にも寄与することが期待される。

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10月にローンチした「YAMAP Events」(左) と、今月大幅リニューアルした「YAMAP Gears」(右)

これから初日の出を見るべく、旅支度を始めている人も多いだろう。幸い、新年3が日の空は全国的に快晴のようなので、YAMAP の3つのアプリで情報を得て、安全安心な山登りとご来光を楽しんでみるとしよう。

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東京都内で開催された、YAMAP ファンによる関東オフ会の様子。ヤマップ代表の春山慶彦氏(左下の写真)は、ユーザから「はるさん」の愛称で親しまれている。

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