福岡を拠点とするシード向けベンチャーキャピタルである F Ventures は22日、若手起業家と起業家予備軍コミュニティ「TORYUMON ZERO」ローンチした。U25 と称される概ね25歳未満の起業家や起業を目指す潜在起業家で、外部からの資金調達を迎えていないアーリーステージのチームを対象とする。事業の法人化が完了しているかどうかは問わない。第一期の募集人数は30名程度を予定。
TORYUMON ZERO では、事業の壁打ちをはじめとしたメンタリングやオフィスアワーが行われる模様。メンターは投資家の立場である主に F Ventures のパートナーやアソシエイトが務めるが、オフィスアワーには起業家を中心に事業経験者がアンバサダーして招かれる予定。家入一真氏(CAMPFIRE)、田中邦裕氏(さくらインターネット)、土屋尚史氏(グッドパッチ)らの名前が挙がっている。
F Ventures ではこれまでに数多くの起業家発掘のプログラムをローンチしてきた。このうち、2016年9月にローンチした「F Alliance」、2017年4月にローンチした「スタートアップ投資部」については事実上活動を停止している。九州の大学生を対象としたインキュベーションプログラム「TORYUMON STARTUP GATE(TSG)」は「TORYUMON RISING PROGRAM(TRP)」と名を変え、通算で9チームが起業し、うち6チームが資金調達を獲得している。TORYUMON ZERO は、こうしたプログラムを再編し、運営を効率化する意図もあると見られる。
TORYUMON ZERO 第一期への募集は本日から開始され、締切は1ヶ月後の7月22日まで。プログラムは8月3日から開始される予定。コンテンツは概ねオンラインで提供される予定であるため、参加するチームの所在地は問わない。
起業または法人化する前の段階の潜在起業家を支援するプログラムは多様化しつつある。
東大 FoundX は同大卒業生や在学生向けのオフィス提供プログラムを展開、最近、一般向けに MOOC の無償提供を始めた。アプリコット・ベンチャーズは、東京・渋谷や大手町を中心に起業家向け支援プログラム「FLAP」を展開、新型コロナの影響を受け、物理的なオフィスを持たないスタートアップ向けの「リモートプラン」を開設した。今年に入って、Creww、Sun*(サンアスタリスク)、トグルなどがそれぞれスタートアップスタジオ事業への参入を発表している他、「WEIN 挑戦者 FUND」は先月、ウェルビーイング事業を中心とした創業支援を発表している。
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