先月ローンチした、福岡生まれのシード向けファンド「F Ventures」に新たな動きだ。同社は9日、福岡市の起業支援施設スタートアップカフェで記者会見を行い、IT大手やスタートアップ各社との提携により、福岡での人材教育やハッカソンを実施するスキーム「F Alliance」を発表した。福岡は、日本における地域スタートアップ・ハブとしては指折りの位置付けになりつつあるが、依然として、東京を含む他の地域出身のスタートアップや起業家に比べると絶対数が少ない。「F Alliance」は、起業家の予備軍の育成につなげようという動きだ。
このスキームに参加するパートナー企業、共同運営内容は次の通り。
- 日本アイ・ビー・エム……「IBM Watson 日本語版ハッカソン」の九州地域における拡大提供
- ジーズアカデミー(デジタルハリウッド)……プログラミング講座「G’s CODE-CAFE Fukuoka」を6/26から開始し、7月まで日曜日3回にわたってコーディング指導を共同で行う
- TECH::CAMP(div)……福岡拠点における講座のメンタリングを F Ventures 代表の両角将太(もろずみ・しょうた)氏が提供
- WebCamp(インフラトップ)……起業家や開発者がハッカソンに参加する場合のテクニカルサポートを提供
- PR TIMES……F Ventures 出資先スタートアップに月1回のプレスリリース配信を無償化
- QREATOR AGENT 代表 佐藤詳悟氏……起業家のブランディング戦略・PR戦略の支援
- CAMPFIRE × LOCAL(CAMPFIRE)……福岡発のクラウドファンディングプロジェクトの立ち上げ・拡散支援を実施
- リコー
- DreamPlus(韓国ハンファグループ)…… KOTRA(韓国貿易公社)とも協力し、韓国スタートアップの福岡でのビジネス展開や福岡スタートアップの韓国進出も支援
スタートアップハブの活性化を図る手段としては、ピッチイベントの実施やアクセラレータの立ち上げなどが典型的だが、そもそも、活動する起業家やスタートアップの母数が少ない場合、どのイベントやアクセラレータに行っても、集まっている顔ぶれがほぼ同じ、という事象は世界の多くの場所で発生している。起業家やスタートアップの母数を増やすためには、この種の人材教育やメンタリングというボトムアップのアプローチは大変重要になってくる。
今回発表となった「F Alliance」の詳細については、今月東京で開催される IBM Watson Summit のパネルセッション(5/25 16:15-17:00)においても、両角氏自らが登壇して説明する予定だ。
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