2次元キャラのホログラムと生活ができるロボット「Gatebox」開発元のウィンクル、9000万円を調達

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とにかくこの動画を見て欲しい。話はそれからだ。(音注意)

Internet of Things(以下IoT)関連プロダクトの企画・開発を手がけるウィンクルは1月18日、好きな2次元キャラクターと一緒に生活ができるホログラム・コミュニケーション・ロボット「Gatebox」を開発中であると発表した。また同社は2016年秋のクラウドファンディングによる製品版発表に向けて必要な資金調達を実施したことも併せて発表している。

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調達にあたり第三者割当増資を引き受けたのはインキュベイトファンド、プライマルキャピタル、iSGインベストメントワークスの3社で、これに各種金融機関からの融資を組み合わせて資金調達を完了させている。

調達した資金の総額は約9000万円で、この調達に伴い、ウィンクルは社外取締役にプライマルキャピタルの佐々木浩史氏、監査役にインキュベイトファンドの赤浦徹氏が就任することも公表している。なお、割当てた株式比率や払込日などの詳細は非公開。

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ウィンクルの投資家/創業者チーム

さて、なかなか味わい深いプロダクト、アプローチが発表された。Gateboxは動画の通り、ボックスの中にホログラムで映し出される2次元キャラクターに話しかけることで、出迎えやランプの点灯、目覚ましなど様々なアクションを提供してくれる。ウィンクル代表取締役の武地実氏によれば、原理的には初音ミクのコンサートで使用されたホログラム技術を活用しており、ボックス上部には同様のプロジェクターが仕込まれているということだった。

ウィンクルが推進していたロボット事業については以前、このような記事を書かせてもらっている。いわゆるスマートホーム文脈だ。

<参考記事>

スマートホームについては2016年に一般化して、更に普及するという見方が散見されており、実際、国内でもスマートロックやセキュリティ関連でスタートアップする起業家が昨年来増えてきている印象が強い。

スマートホームにおけるロボットの役割は今の所、「ホームコントローラー」と呼ばれる範囲とされることが多い。今朝もこのような記事を掲載したが、昨今、ソーシャルメディアの発達により、私たちは日々、さまざまなライフログ、アップデートをオンライン上に知らず知らずの内に溜め込むようになった。

Gateboxは見た目こそ2次元キャラのいわゆる「オタク」的要素の強いプロダクトに見えるが、その実態はこの大量に散らばるデータを活用して、日々の生活をスマートに変化させるコントローラーの色合いが強い。

まだ、現段階では動画にある通り(そして実際に試作品もそのように動いていた)音声認識によるシンプルな家電コントロール、キャラクター操作の段階だが、間違いなく今後、各種蓄積データとの連動は考えられることになるだろう。

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ただ武地氏との話では、具体的な動きはまだなく、現在はこのプロダクトをしっかりと仕上げて秋のクラウドファンディングに向けた体制強化が目下の仕事、ということではあったが。

ロボット事業の可能性はソフトバンクのPepperが記憶に新しく、今年のCESでも国内から数社、家庭用ロボットを携えたスタートアップたちが海の向こうで脚光を浴びたと聞いている。

一方で物理的な可動箇所が多いロボットには常にメンテナンスやスペースが課題としてついて回る。そういう意味でウィンクルのホログラムというアプローチはソフトウェア的であり、オンラインによるアップデートでどんどん進化する可能性を秘めている。

私は個人的に(今回の見た目はある意味振り切っているが)このソフトウェア的アプローチの方が、最終的な家庭利用を促進させるのではと予想している。ちなみに武地氏の説明では、このホログラムをボックスではなく、部屋にそのまま出現させることも可能、ということだった。

最終的なプロダクトがどのようなものになるのか、今から楽しみだ。

筆者注:初出時タイトルが「2次元ホログラム」になっていましたが、正しくは2次元キャラクターのホログラムと一緒に生活ができる、という意味で「2次元キャラのホログラム」が正式なタイトルでした。修正してお知らせいたします。

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