「捨てる神あれば、拾う神あり」ということわざがある。シンガポールのスタートアップ「Fashfix」は、このコンセプトを女性のファッションに取り入れる。
10月にサービスを開始したFashfixは、女性がファッションアイテムを購入、販売、交換、転売できるウェブプラットフォーム。例えば、ユーザがもう着ることがない200米ドルのカクテルドレスを売りたい場合、ウェブサイトに商品を出品し、誰かが購入してくれるのを待つ。そのドレスが欲しい人は、現金で買う以外にも、自分の持っているものと交換することができる。この交換機能は、10月末までに公開される予定だ。(原文掲載10月11日)
ピアツーピアのレンタル・小売プラットフォームとして考えたらいいだろう。あるお店から上着を1枚借りるというだけではなく、その上着はコミュニティー内で再び流通する。同スタートアップは、事業を維持のために取引ごとに1米ドルの手数料を受け取っている。
Fashfixは99dressesやThreadflipなどのサービスに似ている。ユーザーインターフェースも、ファッションスタイリストやライフスタイルのブロガー、著名な女性などの流行の先端を走る人達のアイテムを中心に掲載しているという点で、Threadflipにいくらか似ている。
現在、Fashfixでは600人を超える会員が800点のアイテムを販売している。販売されるブランドは、ASOSやTopshopなどの量販ブランドから、Love BonitやOh So Fickleなどのインディーブログショップアイテム、そしてPradaやMarc Jacobsなどの高級ブランドまで幅広い。
同スタートアップには2人の女性創業者がいる。Vivien Chua氏は香港大学でビジネスと法律の学位を習得して卒業したが、起業家になるために法曹界には進まなかった。Shazanah Hassan氏は、クリエイティブとウェブデザインの分野で力を発揮している。
Fashfixは最近、Nanyang Technological Unibersityが主催するシンガポールのスタートアップコンペであるIdeas.Incに参加した。結果として上位15位に入賞したことによって、シード資金の15,000シンガポールドル(12,200米ドル)を獲得した。
Fashfixのアイディアは、アジアで必ず上手くいくだろう。特に、シンガポール、フィリピン、インドネシアなどでは、LiveJournalやMultiplyなどのウェブサイトに、ファッションに熱心なセラーやバイヤーがいる。お金があまりかからないファッションは、これからも大きな注目を浴び続ける。
Fashfixがうまく事業拡大できるかどうかは、地元のファッションコミュニティーを味方につけ、ファッション界のカリスマたちがその洋服をFashfixで公開するかによる。また、ウェブサイトのデザインも磨く必要があるし、新興市場に便利な決済システムを導入することも考えなければならないだろう。
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