未来のニーズを想像しろ−−GCLOUD渡部氏が語る「テクノロジーとライフスタイルの変化」

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テクノロジーの進化によって、私たちの生活は大きく変わろうとしている。そうした時代の変化に敏感に感じ取り、時代のニーズを先読みすることが、スタートアップのビジネスチャンスと言えるだろう。

GCLOUDの渡部薫氏は、iPhoneやAndroidなどのアプリ開発の教育プログラムを社会人、就活生、転職希望者や企業研修向けにサービスを提供し、これからの時代に必要な環境を作ることを目的に、日々ビジネスをしている。

MOVIDA SCHOOLで渡部氏が語った、テクノロジーライフスタイルの変化についてまとめた。

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テクノロジーが社会を変えていく

100年前に車が誕生した時、誰が今のような時代を想像できただろうか。車の登場は、移動手段のみならず新しい産業構造や生活を変化させてきた。ヘンリー・フォードが自動車で世界を飲み干したように、インターネットの登場は、ビジネスだけではなく私たちの情報伝達や人との出会い方、教育などに革新をもたらした。テクノロジーの進化は、社会全体を変えうる可能性を秘めており、私たちのライフスタイルやワークスタイルを大きく変化させていくものだ。

1965年以降の人たちで世界を考えろ

コンピュータの基盤を作った1960年代生まれの人たち、そして70年80年代の人たちが今の時代を生きている。そして、90年代以降のこれからの新しい世代は、当たり前のようにインターネットを使い生活を送っている。こうした変化の激しい時代を生きているからこそ、これからのビジネスの中心は、1965年以降の人たちでなければいけない。私たちスタートアップは、新しい時代を生きる若い人たちに対して、次のライフスタイルを送るためのサービスを作っていくべきだ。

これからの時代の主役は子どもたち

テクノロジーの変化の後には、必ずライフスタイルの変化があります。20世紀は車や家電生活の社会であったように、21世紀はウェブの社会にあってきます。生まれた時からiPadを触ってインターネットを活用している子どもたちは、まさにデジタルネイティブであり、まさにウェブ中心のライフスタイルを当たり前のように送っています。クルマではなくスマホ、モノは人を動かす前に、データを動かす、経済の中心は、物流からデータ流通へ移行するように、インターネットのネットワークを活用することが身近になっていくからこそ、これからは、様々なものをクラウド的発想を中心に設計しなければいけないだろう。クラウド思考の考え方がどのような時代を作るか。その時に、どのようなサービスがあるべきか。時代の主役である子どもたちを考えることは、新しいビジネスチャンスを秘めている。

ソフトウェア中心の組織設計で効率化を図る

GCLOUDが提供しているRainbowAppsは、iPhoneアプリ開発に特化した教育プログラムを提供しており、受講生2500名以上が参加するiPhoneアプリ開発スクールとして提供している。RainbowAppsは社員やオフィスを持たず、コミュニケーションのほとんどをオンラインで完結させ、メンバーはそれぞれ役割にコミットして成果に応じて報酬を決めるスタイルを取っている。これもすべて、ソフトウェア中心で組織設計をしているからだ。人もモノもお金も、ソフトウェアで置き換えられるものはすべてソフトウェアで対応し、提供する商品も情報のみに特化している。

すべてをクラウドベースで思考することで、コストを最小限に抑えられている。これにより、個人や少人数でも、大企業に並ぶサービスを作ることができる。

作業と仕事の違いを認識しろ

作業とは、与えられたタスクを期限内に効率的に完了させることであり、仕事とは、予期せぬ問題に対処し解決することだ。後者のほうがよりクリエイティブであり、人間がやるべき仕事なのだ。だからこそ、効率化を図れるところはクラウドソーシングやソフトウェアが担当し、人間が人間としてやるべき仕事に集中することで、よりよいものが生まれてくる。テクノロジーの素晴らしさを認め、代替できるところとそうでないところの役割を意識しよう。

自身の能力に応じた目標を設定しろ

登山家は、自分が登れそうな山を瞬時に把握することができる。誰も始めからエベレストを登ろうとはせず、今の自分の能力と実力を分析しながら、努力をすれば届く目標を設定している。つまり、リスク管理ができているからこそ、そうした発想になれるのだ。ビジネスも同様のことが言える。時にはリスクを取って攻める場合もあるが、あまりにリスクが大きすぎると、それはただの無謀と言えるだろう。時には引き返す勇気を持ちながら、能力や実力に応じて攻めるべき目標を定めて欲しい。

1歩先のニーズを掘り起こすサービスを考える

サービスを考える際は、2世代前の過去から現在を振り返り、そこから未来がどうなるかを考えよう。例えば結婚はどうなるか、旅行はどうなるか。柔軟な発想をもとに、無限のアイデアで時代がどう変わっていくかを想像しよう。そうした想像をもとに1歩先のニーズを掘り起こし、そのニーズに応えるサービスを作ることで、時代とマッチしたサービスが提供できる。

これからのスタートアップは、アプリを作るだけでなく自身のライフスタイルを見つめ直し、ライフスタイルに変化を起こすものを提供しなければいけない。その中心はソフトウェアと若い人たちであり、未来を想像してビジネスを考えよう。

U-NOTEリンク】:スクール当日にライブで記録されたU-NOTEです。合わせてご参照ください。

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