会員数14万人、累計仕事依頼金額70億円のクラウドソーシング「ランサーズ」拠点を鎌倉から渋谷へ

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国内クラウドソーシングでは2008年創業という開祖的な存在のランサーズが、本拠地をこれまでの鎌倉から渋谷に移転すると発表した。これに合わせて本格的な地方展開、アジアを中心とした海外展開も開始するとしている。

現在のランサーズの会員登録者数は約14万人、仕事の発注数もまた同じく約14万件となっている。これまでの仕事依頼金額は約70億円で、2012年度だけで35億円を達成しており、これは2008年から2011年まで3年半の累計金額と同等となるのだという。

私も取材で一度鎌倉にお邪魔したが、確かにすぐに取材できる距離とは少し言いがたい。人や情報、資金についてもやはり東京の方が何かと便利だ。そして渋谷には同じく成長中のクラウドワークスも拠点を構えている。

前回の取材時、ランサーズ代表取締役の秋好陽介氏は鎌倉を選んだ理由として開発に集中できるから、ということを話してくれていた。開発が終わったかというとそれについてもまだ「実現したい機能の10%程度」と言っていたのだから他に理由があるのだろう。

その点についてランサーズの山口豪志氏に話を聞いたところ「興味を持った程度でちょっと話をきいてみようとか、会社を見てみようと思って頂くほどの動機づけがなくても、気軽に会いにいける、という視点で東京が鎌倉より便利」とのことで、今回の移転を機会に、勉強会やセミナーなどの定期的なイベントを通じて積極的なランサーとの接触機会を増やすのだという。

ただ、発表されている海外展開については具体的な話というよりは「持ち込みの話題が増えているのでタイミングが合えばいつでも仕掛ける」という臨機応変な対応が可能な状況を作った、という側面が強いのだろう。実際、海外要人が来日しても滞在は大体東京になる。会いやすい環境というのはスタートアップに限らず重要だ。

競合となる二つのクラウドソーシング・プラットフォームは勢い良く成長している。両サービスの世界観は少しずつ違うが、仕事のマッチングという点では同じだ。距離が近くなったことで、どういう影響があるのか分からないが、日本の働き方を大きく変える可能性のあるプラットフォームだけに、その進化の方向は大変興味深いと思う。

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