組織と個人で働き方を比較したとき、当然ながらスケールメリットにおいて差が出てしまう。たとえば福利厚生やスキルアップといったものを、個人やごく少人数で実現しようとするとどうしても割高になってしまう。
もしそんな状況に悩んでいる人がいるなら、この支援策は嬉しいものになるかもしれない。
新しい働き方を提案するクラウドソーシングサイト「Lancers」を運営するランサーズは7月31日、既に発表されているフリーランスのための支援サービス「フリーランストータルサポート」の申し込み開始を発表した。
提供されるサービスは法律や税金サポートに福利厚生、スキルアップや育児など多岐にわたり、利用条件はサービスによって異なるが、基本的にLancersを活用しているユーザーが対象となっている。
また、提携するパートナー企業の提供する支援策もあり、人材のインテリジェンスやインフラのさくらインターネット、既に提携が発表されているデジタルハリウッドなど10社が公開されている。
同様の施策としては、同じくクラウドソーシングを運営するクラウドワークスも福利厚生などの支援策を発表している。
新しい働き方にスケールメリットを提供する
クラウドソーシングというカテゴリで眺めると、ロゴなどのカテゴリに特化したものや、マイクロタスク(文字入力などの軽作業)に強いリアルワールドのような事業者、積極的に中間に入って仕事をこなすMUGENUPのようなタイプなどバラエティも豊かになってきている。
一方で総合的なクラウドソーシングサービスはより「クラウド上に現れた巨大な会社のような存在」になりつつあり、新しい働き方を望む人達に、今回の支援策のようなある種スケールメリットを感じられる施策を打ち出している。
例えばランサーズでは福利厚生以外にも、ウェブツールの無償提供や商標の事前確認、支払猶予期間を毎月1回から2回への変更など、個人単位ではなかなか難しい取組みをプラットフォームとして実現しようとしている。

働く場所を問わない取組みも
ランサーズ代表取締役の秋好陽介氏によれば、ランサーズで働く人の7割は地方在住者なのだという。その流れから場所を問わない、海外でも仕事ができる取組みとしてフィリピンのセブ島のコワーキングスペースと連動した仕事のインフラづくりにも着手している。
フィリピンの物価は安く数万円ほどがあれば1カ月の生活が可能で、例えばランサーズから生活費相当の仕事を発注することで、仕事をしながらの語学留学などを実現することができるようになる。
もちろんさらにスキルがあれば場所にとらわれない生き方を獲得できるかもしれない。こういった取組みはまだ実験段階なのだそうだが、地道な一歩だと評価したい。
各社の状況が整備される中「新しい働き方」も多様性を増してきた。どこかで各社プラットフォームの比較なども実施してみたい。

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