日本で勢いづく6つのウェブサービス・カテゴリと注目されるスタートアップ・ライバルたち

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ウェブ系スタートアップにとって競合の存在は決して煙たいだけのものではない。サービスが溢れ、コンセプトがニッチになればなるほど、そのカテゴリに参入してくるプレーヤーが少なくなる。

もし参入プレーヤーが自分一人だけだったら、それは全くニーズが無いか、大発見のいずれかだ。絶妙なのは主要プレーヤーが3つぐらい、それにコピーキャットが続くという状況だろう。近年だと共同購入クーポンやソーシャルゲームはまさにそれだった。

そして今、いくつかのウェブサービス・カテゴリでまたこのような状況が起こりつつある。あるプレーヤーが新機能をリリースすれば、次の日にライバルがそれをパクる。事業提携、引き抜き、買収。スタートアップにとっては熾烈な戦いだが、この切磋琢磨が結果的に利用ユーザーに還元され、市場が盛り上がるのは結構なことだ。

本稿では注目度の高まる6つのカテゴリについて主要プレーヤーと過去の取材記事を挙げながら整理してみようと思う。

ラウンド1/ECプラットフォーム:STORES.jp vs BASE

これを書きたかっただけと言われてもおかしくないほど、両サービスの成長は激しく、日々サービスの質が高まっていると感じられる。競合が良い影響を与える好例ではないだろうか。

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ラウンド2/スマートフォン+ファッション:iQON vs Origami vs MONOCO vs Fril

iQONはメディア、Origamiはコマース、コンシェルジュのMONOCO、C2CのFrilとサービスは微妙に違うが、全て「ファッション」と「スマートフォン」を共通のキーワードにして、投資家などから高い注目を浴びているのが特徴だ。しかもこの分野はさらにプレーヤーが参入を準備しているという情報もあり、さらなる盛り上がりが期待される。

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iQONとMONOCOについてはこのような考察もしている

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ラウンド3/クラウドソーシング:CrowdWorks vs Lancers

プラットフォームのコンセプトが微妙に違う両者だが、共に幅広い仕事を取り扱うことで日本という国の「働き方」のあり方を変えられる可能性を持っている点が、他の単カテゴリ・マッチングサービスやコピーキャットとの違いだと感じている。

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ラウンド4/ペイメント:Coiney vs 楽天スマートペイやPaypal here

ここは相手がスタートアップではない、という点で他のカテゴリよりも熾烈だ。ただ、Coineyの取材時に感じたのは、巨大資本と真っ正面から勝負をするような戦略は取っていない、ということだった。詳しくはインタビュー記事をご一読頂きたい。

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ラウンド5/クラウドファンディング:CAMPFIRE vs READYFOR? vs COUNTDOWN

何かと話題の多いCAMPFIREは先日最高額となる600万円以上を集めることに成功したが、海外サービスと比較するとまだまだパンチが足りない。スタートが一番早いREADYFOR?は他のプラットフォームに比較して寄付やNPOといった社会活動に寄ったテイストが差別化に繋がっている。話題づくりやマスへの拡大がキーか。

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ラウンド6/ニューステクノロジー:SmartNews vs Gunosy vs Vingow

ここは相当面白い。なぜなら他のカテゴリに比較して圧倒的なテクノロジー勝負だからだ。SmartNewsは全員がほぼ同じ情報を見ている点で他の二つと違い、パーソナライズドのコンセプトは似ているGunosyとVingowだが、Vingowはリアルタイムに情報が更新される点でまとめ配信のGunosyとやはり違いがある。それぞれ組み合わせて使う人も多いだろう。

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[インタビュー]情報の新しい流れをつくりたい–東大のエンジニア集団が立ち上げた次世代マガジンサービスGunosy
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さて、本当はC2Cプラットフォームも入れたかったのだがここはチケット販売のようなニッチがさらに複雑に集まっているので、機会があれば別途まとめてみたいと思う。

また、カメラアプリやカジュアルゲームなどは数が沢山あるものの、マネタイズやビジネスモデルが追いついていないものは相対的に盛り上がりに欠ける印象がある。つまり商売になってるかどうか、数字があるかどうかというのは人を熱くさせる要素だと強く感じる。

他にも盛り上がりを見せているカテゴリやライバル関係があればぜひコメントなどで教えて欲しい。

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