スタートアップとメディアとライバルと

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Battle Creek Airshow 6
Photo by Mile Miley

世の中的には夏休みということでコラムをひとつ。

競泳400m個人メドレー

少し前、水泳の世界選手権の競泳、男子400メートル個人メドレーで日本人の瀬戸大也選手が優勝したというニュースがあった。

日本人選手がこの種目で金メダルを獲得するのはオリンピック、世界選手権通じて初めてのことだそうで、シンプルに感動を覚える話題だった。

ところでこの種目にはロンドンオリンピック銅メダリストで、瀬戸選手と同学年の萩野公介選手も出場していた。いくつかの報道を眺めていると、体格で圧倒的に不利とされる欧米人から勝利を勝ち取った背景には、決勝に進んだ二人のライバル関係が大きく関係しているのだという。

ライバルは厄介なものだ。しかし時に強力な力を生み出す原動力にもなる。ーーそう感じた。

スタートアップとメディアとライバルと

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ライバルといえば、SDでは以前、スタートアップ・ライバルたちの戦いをこのような記事にまとめたことがあった。(新しいものを現在作成中)

特に成長著しいインスタント・コマースの分野では、BASESTORES.jpが競い合い、お互いの獲得店舗数が3万店を超えるタイミングでSTORES.jpはスタートトゥデイと電撃的に提携、子会社化を決めた。ローンチから1年以内の出来事だ。

競い合うことで私たちはそれを連日追いかけ、話題が広がっていく。実際、この動きをウォッチしていた経緯から、既存市場を牽引してきたプレーヤーに取材範囲を拡大させるきっかけにもなった。

スタートアップを追いかけるメディア

特に先週は大きな調達や買収の話題が続いた。たった2日で30億円近くの金額が動く。スタートアップをカバーするメディアは解禁時間と共に一斉にこれを報じる。情報の深さ、切り口、カバー範囲。それぞれ持ち味が違う。私が彼らをライバルというには時期尚早だ。けどやっぱり負けたくない。

SD Japan
ごちクル運営のスターフェスティバルがジャフコから10億円の資金調達を実施ーー全国展開も加速
KDDI系列のmedibaがノボットに続き広告配信事業(DSP)のスケールアウトを子会社化
旅SNS「trippiece(トリッピース)」が約2億円の資金調達ーー元ミクシィ取締役CFO小泉文明氏が取締役に

CNET Japan
お弁当宅配「ごちクル」運営のスターフェスティバル、10億円を調達して全国展開を加速
KDDI子会社のmediba、スケールアウトを買収へソーシャル旅行「trippiece」が2億円を調達–元ミクシィCFOの小泉氏も参画

TechCrunch Japan
KDDI子会社のmediba、アドテクベンチャーのスケールアウトを買収――買収額は10億円程度

ライバルたちの戦いがあり、メディアも競ってそれを伝える。読者のみなさんが新しい市場に興味を持ち、さらに活性化していく。それこそが新興市場を作る上で必要な「エコシステム」のひとつになると信じてる。

なぜそのアイデアを誰も考えなかったのですか?

The Conference 2012

Photo by Media evolution

スタートアップのライバルに関する話題をもうひとつ。

ある海外カンファレンスで審査員がスタートアップに投げかけた質問がいまでも忘れられない。

「君はそれが世界初だといったね。ではなぜいままでそれを誰も作らなかったのか、理由を教えてくれるかい?」。

スタートアップの回答は忘れた。けど、その後に審査員が返した言葉はやはり印象的だった。

「それが今までなかったってことは『大発見』か『それを使いたいのはあなただけか』そのいずれかだと思うんだけど、君は自分のサービスがそのどちらか分かる?」。

ライバルがいないことイコール優位性ではない。もちろん大発見の可能性もある。けど、ほとんどの場合はニッチを追い求めすぎて、もしくはライバルとの戦いから逃げすぎて、誰もいない市場にひとりでトライしている場合が多い。

ーーさて、恐らくスタートアップして夏休みを謳歌しているようなチームはいないと思う。けど、少し世間が止まってるこの時期だから、立ち止まって考えてみてもいいテーマかもしれない。

あなたのサービスは「大発見」か「自分だけのサービス」か。そのどちらだろうか?

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