BPM(業務プロセス管理)ツール提供のクエステトラが第三者割当増資ーーEAI大手アプレッソと資本業務提携

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BPM(Business Process Management、業務プロセス管理)をグラフィカルに作成できるクラウド型のワークフローツールを提供するクエステトラは8月7日、EAI(Enterprise Application Integration、業務アプリデータ連携)ツール提供のアプレッソとの資本業務提携を発表した。

クエステトラは既存株主である京大ベンチャーファンド(京大ベンチャーNVCC1号投資事業有限責任組合)およびアプレッソに対し、第三者割当増資を実施する。金額は総額で4500万円で、内訳は京大ベンチャーファンドから3000万円、アプレッソから1500万円となる。これによりアプレッソはクエステトラの4%株式を取得し、今回の調達でこれまでの累計調達額は2億5500万円となる。

今回の資本業務提携により、アプレッソが推進してきたEAIツール「DataSpider Servista」とクエステトラが推進してきたBPMツール「Questetra BPM Suite」の統合サービス「DataSpider BPM suite」の共同開発をさらに進めることになる。

BPMとEAIは連携して企業の業務改善を実現する

クエステトラの提供する業務プロセス管理ツールは、オンライン上でフローチャートなどを作って、業務に必要なワークフローを作成できるサービス。

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ドラッグ&ドロップの簡単な操作で、「請求書作成までの稟議フロー」などといった日常の業務管理フローを作成、さらにタスク処理、モニタリングなどの機能で社内業務を可視化することができる。CacooやBacklogなどを業務管理に特化させたイメージが近いかもしれない。

EAIはさらにシステム方面で、企業の基幹業務システム(会計や業務、販売管理など)を連携させ、データや処理の効率的な統合をはかる方法のこと。

つまり、BPMとEAIが統合されると「請求書作成までの稟議フロー」などをBPM側で作成して請求に必要な数値を入力すると、EAIによって連携された既存の企業基幹システムに自動的に数値を入力することができ、業務処理の改善だけでなく、実際に既存のシステムから請求書を発行することができるようになる。

高まる企業側の業務フロー改善ニーズに挑戦する京大出身ベンチャー

このような業務フローと業務システムの統合は経営環境が激しく変化する現代だからこそ、柔軟に取り組まなければならない。実際、クエステトラ代表執行役の今村元一氏に話を聞いたところ、企業側からのEAIとBPMの両方を入れたいというニーズが増えてきたことが資本提携の背景にあるということだった。

「企業側でも本格的な運用が始まり、もっと本気で作り込まなアカン!という話になった。ポイントはBPMを使いたいというニーズのそばにEAIがあるということ」(今村氏)。

ちなみにクエステトラの創業メンバーは京都大学出身で、入居する京都の御池ビルには「はてな」など同じく京大出身ベンチャーが軒を連ねていることでも知られている。

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