CEO の伊地知天(そらと)氏とPRマネージャーの石井こずえ氏によれば、同社は日本テレビからシリーズAラウンドで約1.2億円を資金調達した(公式発表は本日)。同社はこの資金を使ってビジネスをさらに成長させ、特にマーケットプレース事業を強化したい意向だ。Creww は、日本のスタートアップを世界、特にアジアの外へ露出させるべく、彼らのスタートアップ・データベースを5カ国語に翻訳する計画も持っている。
Crayon Dataはシンガポール拠点のビッグデータ系スタートアップで、2回目の投資ラウンドで175万シンガポールドル(140万米ドル)を超える資金をエンジェル投資家から調達した。 投資家には、FabIndiaのマネージングディレクターWilliam Bissell氏、L Capital AsiaのCEOでLVMH Asia PacificグループのヘッドでもあるRavi Thakran氏、JF…
500startups の Christine Tsai(左)と 500videos の Ho Yang(右)
筆者は以前、モーショングラフィック動画の制作を志望していたことがある。そのとき、モーショングラフィック動画の作り方を習ったりもした。しかし、スタートアップが集まる場に行ってみると、よく耳にするのは「この動画は、いくらかけて作りましたか」という質問だ。以前、モーショングラフィックを志望していた立場から、この種の質問には敏感に反応した筆者は、これまでに二度PR動画についての記事を書いたが、その取材過程で 500videos の Ho Yang 代表を知ることになった。PR動画制作スタートアップの考えを直接聞ければ、PR動画の記事を書きながら抱いた「どんな映像がよいPR動画なのか」という疑問のヒントが得られると思ったからだ。
Ho Yang 氏は、「誰かが必要とするものより、自分が必要とするもの」が、何かをする上で強い動機付けになると言う。彼のこれまでの事業履歴を見ると、彼自身が必要としたものを、事業としていたことがわかる。これまでに、彼は不動産の写真を撮影する ImageYA というフランチャイズをチェ・ジェヒョク(최재혁)氏とともに運営し、AirBnB と契約・取引しながら決済に不便を感じた。
ファイル転送と同時に決済が完了するしくみの必要を感じた彼は、PaymentTab を作り、AirBnB の共同創業者である Joe Gebbia と Brian Chesky が最初の顧客になった。PaymentTab は、一言で言うと、ファイル転送と同時に決済が実行できるサービスだった。次第に多くのフリーランサーが使うことを期待して、PaymentTab のPRを始めた。そのとき、PR動画の必要を感じて、短いアニメーションを制作しようとアメリカ企業に連絡をとったが、金銭的にも時間的にも条件が合わなかった。結局、Ho Yang 氏は今回も問題を自ら自分で解決しようとし、ケイウォン芸術大学のチョン・ミンス(전민수)教授とともにPR動画を作った。それがまさに、500videos の始まりだ。
不要なものを捨てながら生きる男
人生のすべてにおいて、不要なものやムダなものがとにかく嫌いだという Ho Yang氏は、500videos のビジョンを「効率の追求」だと語った。過去1年間オフィスを持たずに 500videos を運営して来た彼は、PR動画を制作する上で、一度も顧客と事前に対面打合せをしたことがない。Dropbox や Skype があれば世界のどこでも仕事がができるので、オフィスがなくても仕事さえ効率よくできるのであれば、オフィスの所有は資金の浪費であり、顧客と対面で話すよりも、Eメールでやりとりした方が情報が整理されて正確だったからだという。
しかし、作るのが簡単ならば、つぶれるのも簡単なのがプラットフォーム・サービスだ。ユーザを呼べないプラットフォームは、お客の居ないデパートと同じで、お客を呼ぶためには、よい商品を陳列する必要がある。Ho Yang 氏は、打合せで会った AirBnB の共同創業者 Joe Gebbia と Brian Chesky から、プラットフォーム・ビジネスが必ず意識すべき、コンテンツに対するインスピレーションを得たと述べた。
AirBnB では創業期、部屋を提供してくれる賃貸主を急増させるのではなく、賃貸主を啓蒙しながらコミュニティを形成すべく、オフラインでの活動に注力していた。つまり、AirBnB はオンライン・プラットフォームなのだが、オフラインの活動とPRに注力し、良質のコンテンツ(良質の賃貸主)を集めることに邁進していたのだ。この姿勢が AirBnB の成功につながったと信じる Ho Yang 氏は、500videos でコンテンツの確保に力を注いでいる。
3年以上にわたり、毎日 TechCrunch や Mashable の記事を読み、スクラップしながらビジネスの流れを学んだという Ho Yang 氏は、「この2つのサイトこそ、私のメンターだ」と述べている。特に記事の下に書かれたコメント欄に、役に立つインサイトが含まれていると述べ、他のユーザにもコメント欄を必ず読むことを薦めた。
日本のアニメ「エヴァンゲリオン」には、シンクロ率という概念が出て来る。シンクロ率とは、パイロットとエヴァの間の精神疎通の程度を意味するが、シンクロ率が高ければ高いほど、パイロットはエヴァを自分の意思通りに操作することができる。この考えにならって、パイロットをCEOに、エヴァをサービスに例えるなら、シンクロ率が高ければ高いほど、そのサービスを成功に導ける可能性も高いと言えるはずだ。事実、成功したスタートアップを見てみると、創業者とサービスは非常に似ているという印象を受けることが多い。500videos の Ho Yang 氏も、インタビューを通じて、彼とサービスが非常にシンクロしているような印象を受けた。
一方、Ho Yang 氏は現在カナダに住んでおり、ケイウォン芸術大学のチョン・ミンス教授(ケイウォン芸術大学)、アン・ヘソン(안혜선)氏、チェ・ジェヒョク(최재혁)氏など、他の創業メンバーらと共に事業を進めている。500videos の創業にまつわる話は、過去記事「安くて簡単に素敵なビデオを作ることはできないだろうか? 500 Videos(韓国語)」で読むことができる。