中国のジェイルブレイク(脱獄)アプリ市場の競争が始まる、Baidu(百度)がApp111(蘋果園)を買収

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appleorchard1-300x101App111.com、別名Apple Orchard(中国名:蘋果園)は、iOSの脱獄アプリのダウンロードサービスとその他の脱獄系アプリ・サービスを提供している。2010年に設立され北京を拠点とする同社は、2013年1月時点で4,000万人のユーザ数と150万人のデイリーアクティブユーザ数がいるとしている。

400~9,000のインストールに対し、1,000~1万5,000元(160~250米ドル)が開発者に課金される。App111は同社のプラットフォームで、パートナーモバイルゲームからも収益を上げている。ビジネスモデルは中国におけるiOSやAndroidのアプリ配信業者とほとんど同じである。

App111が2013年末にBaidu(百度)によって買収されたと報じられているが、App111は買収される前、Baidu創設チームの1人が設立したベンチャーキャピタルであるUnityvc(九合創投)からシード資金を調達していた。

App111の買収金額は公表されていない。Baiduが91 Wireless(手機娯楽)に18億5,000万米ドルという多額の資金を投じたことが、中国のモバイルインターネット市場において、アプリ配信がいかに重要かということを物語っている。TencentのCOOによると、91買収後のAndroidのアプリ配信においては、Baidu、Qihoo(奇虎)、Wandoujia(豌豆荚)、Tencent(騰訊)がそれぞれ38%、28%、15%、12%と、2013年度末の時点で市場シェアの大半を占めている。

今年、TencentがAndroidアプリストアであるMyApp(応用宝)のプロモーションのために大型投資を行うとの噂が流れている。しかし、Androidアプリ配信市場の全体像が近い将来大きく変わるというわけではなさそうだ。

iOSアプリ配信においては争いが勃発しそうだ。Qihooは、議論の的となっている脱獄アプリストアであるTaiGを開発したiOSアプリダウンロードマネージメントサービスKuaiyong(快用)に出資したことを正式に発表した。

TaiGは将来自社内で脱獄アプリをリリースすると公表している。モバイルブラウザとサービスプロバイダーのリーディングカンパニーであるUC Webは、iOSアプリダウンロードとマネージメントアプリPP Assistant(PP助手)を最近買収している

中国のiOSデバイスの数がAndroidデバイスよりも減り続けるという試算がされているが、中国モバイルの4G対応iPhoneや低価格のiPhone 5Cなどの導入により、iOSデバイス売り上げの急速な伸びが進むと見込まれている。中国の現存しているiOSデバイスの12%に上るiPhone 5Sの販売実績は、中国の過去のモデルの売り上げよりもはるかに良いとされている。

【原文】

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