「リーンスタートアップなんて実際は泥臭いもんです」ーーキヨのシリコンバレー探訪記・WHILL杉江氏インタビュー(後半)

by ゲストライター ゲストライター on 2014.3.11

キヨのシリコンバレー探訪記は連続起業家の小林清剛氏がシリコンバレーでみつけた「気になる」スタートアップをインタビューする不定期連載です。毎回おひとりずつ、小林氏がみつけたスタートアップのサービス紹介とファウンダーの素顔に迫ります。

初回は北米拠点でパーソナルモビリティの開発、販売を推進するスタートアップWHILL代表取締役の杉江理氏。500Startups(以下、会話中は500と表記)に採択されたジャパニーズ・スタートアップの挑戦をキヨが聞いてきました。(本文中の敬称略)

前回からの続き

エンジェルリストはワークしてます

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小林:こちらで役立つサービスとかありましたか?

杉江:エンジェルリストはワークしてますね。資金調達もそうだし、ハイアリングは強いです。インターンの応募は毎週5,6人は来ます。

小林:どういうスペックの人が多いです?

杉江:やっぱりスタートアップしたい人、スタンフォードとかの学生が多いですね。

小林:ハイアリングするならお金のことよりもビジョンがある人がいいって言われてましたよね。

杉江:ビジョンとスキルですね。アプライがきたら、まずレジメとカバーレターをくれというんですね。カバーレターというのはどうして応募したかの動機とかそういうのです。

それで、そのカバーレターにコピペする人がいるんです。文章の内容にWHILLの名前がなかったり、明らかなものはそこでスクリーニングして、そっからスカイプミーティングですね。

例えば、今いるクリスとかは前から車いすはどうして格好悪いんだ、と思っていたっていうんです。なぜなら、自分の父親が車いすで苦労してたから。彼には、車いすというのは家族にも影響を与えるプロダクトなんだという新しい視点をもらいましたね。

でもそれですぐに雇ったりせず実際に作業してもらいます。展示会に来てもらったり、2カ月ぐらいかけて(採用を)徐々にやっていく。

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小林:ほうほう。

杉江:ジュリアは4番目ぐらいのカスタマーです。事故をして、実際の利用者としてこの遠近感が違うねとかそういう意見をくれるんです。彼がプレゼンするとやっぱり説得力が違うんです。

そういう人たちってパッションがあるから能動的にアイデアを出してくれる。ミッションが同じなのでまだチームが小さい内はカルチャーを作るという意味で最初はそういうメンバーがいいですね。

ミーティングも全部WHILLに乗って行ってます

小林:そういうお話を聞いてると、最初に設定した購入者像が気になります。どういうターゲット設定だったのですか?

杉江:最初のターゲットユーザー像ってセルフコンシャスな方なんです。お洒落をしている人。でそういう人あんま太った人はいない(笑。

あとfacebookの写真等を拝見してみると健常者と一緒の写真が多かったり、健常者の社会で仕事をしているような、意識が高い層をイメージしてます。そのフォロワーとして子供や両親のために購入を検討するような比較的富裕層の方々。

こういった方に最初のユーザーになってもらうことで、人目に出る機会が増え、一般的な方々にも影響が大きくなってくる。マスへの認知が広がった未来に、プロダクトコストも下げられ廉価版などの検討もできるようになるでしょう。

小林:なるほど、おもしろいですね。

杉江:まあ、それでも試行錯誤ですよ。ぶっちゃけ、最初はなにがなんだかわかんない。300人ぐらいのユーザーにヒアリングして回るわけなんですよ。けど、最終的にしっかりと意見を聞いたのは5人ですね。実際に150万でも買うっていって契約書にサインしてくれた購入意志がある方々です。

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小林:たくさん聞いてもぼやけてしまう。

杉江:全く関係のなさそうなスタートアップ向けのミートアップも行ってましたね(笑。これで通勤したり、ミーティングも全部これに乗っていってます(笑。日々の路上でもいつチャンスが訪れるか分からないですから。出来る事考えつく事は全部やります。

小林:あの手この手は試さないとだめですよね。僕らも今はそれがモットーです。

杉江:「たくさんの手を試せ」なんて一般的に言われてることなんですけど、実際やろうとすると泥臭い。

小林:そうですね。「リーンスタートアップ」なんて実際は泥臭いですもんね(笑。

杉江:だからWHILL のmissionに対してパッションないとできないんですよ。500でも崩壊してるチーム、いっぱいみてきましたから。スキルとかのバックグラウンドは大切なんですが、その前にパッションや想いがないと。

小林:そういうパッションのすり合わせってどうしてます?

杉江:基本的にメンバー全員に会ってもらって、本当にいいね、という人でないとゴーしないです。特に日本人じゃないのでよくわからないことも多いんですよね。

100人中100人が『僕が今までやってきた事はWHILLの事業にベストフィットする。僕はWHILLにとって最高の人材だ!!』って言い切ってきますから(笑。ハイアリングに関するアドバイスは多方面から聞いてます。

小林:そういうのって大事ですよね。今日は時間どうもありがとうございました。がんばってください。

インタビュワー紹介

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小林 清剛

1981年生まれ。2004年、大学在学中に会社を設立。食料品の輸入事業で大手通販会社・メディア等の販路開拓に成功。2005年、株式会社イン・ザ・カップを設立して代表取締役就任。珈琲豆や器具を販売するコーヒー通販サイトを運営。2009年、株式会社ノボットを設立して代表取締役社長就任。2011年8月ノボットをKDDI子会社の株式会社medibaに売却。2013年12月よりChanoma Inc.を設立し、米国でスタートアップ中。数社のVCやスタートアップのアドバイザーをしている。

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