Tencent(騰訊)とBaidu(百度)がWanda(万達)とタッグを組み、中国eコマース業界を独占しているAlibaba(阿里巴巴)に挑む

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観光業・ホテル・エンターテイメント事業を手掛ける中国の商業不動産開発大手、Wanda Group(大連万達集団)は、中国インターネット大手Tencent(騰訊)およびBaidu(百度)と共同で総額50億元(約8億1400万米ドル)を出資し、eコマース合弁会社を設立する。合弁会社にはWandaが70%、TencentとBaiduがそれぞれ15%ずつ出資する。

今回の合意によると、3社はアカウントシステムを接続するほか、トラフィック、メンバー特典、ビッグデータ、支払い、オンラインファイナンスなどをシェアすることで3社の連携を深めるとしている。

Wandaの会長であるWang Jianlin(王健林)氏は、新規の投資家を迎え、投資額は今後5年で200億元になるだろうとしている。

Wang氏は、この新合弁会社がWandaのオフライン小売リソースと、提携2社が提供するロケーション、検索、コミュニケーションサービスと統合することで、O2Oのeコマースプラットフォームを構築することになると話している。Wandaのeコマースは物理的な製品というよりは販売サービスに関わっているとしたうえで、Wang氏は「O2Oはeコマースの中でも最大のシェアを占めていますが、これはまだ始まりに過ぎません」と続けた。

アナリストの中には、Tencentが以前、市場シェアで中国第2のeコマースプラットフォームであるJDと提携したのは、WandaのeコマースがO2Oセクターを重視している理由の1つであるのかもしれないとする人もいる。Tencentが今年初めにJD(京東商城)と結んだ合意によると、JDは実体のある製品のeコマースでTencentの主要パートナーになるという。そしてTencentは今ではバーチャル製品のeコマースとO2Oの現地ビジネスを維持しているにすぎない。

この合弁会社は、Dong Ce(董策)氏(高級品eコマースサイトのJiapin.com=佳品及びXiu.com=走秀)の前役員)をCEOに指名した。Gao Xia氏(Gaopeng=高朋・前バイスプレジデント)とCao Dajun(曹大軍)氏(Newegg Greater Los Angeles Areaの前CEO)はそれぞれWandaのeコマースのCOOとCTOに指名された(情報筋による)。

今回の提携は、中国のeコマース市場を独占しているAlibabaに対してTencentが挑む取り組みの1つである。前述の案件にて、TencentはJDの株式を15%取得した。同時に同社のeコマースサイトをJDに移行し、JDがWeChatMobile QQのサービスを統合し、巨大なユーザベースを商用化できるようにした。JDは成長しており、この提携後急速にAlibabaを追い上げている。

Wandaによるeコマースの合弁会社設立は、Wang Jianlin氏とJack Ma(馬雲)氏(Alibabaトップ)の間で白熱した逸話を思い起こさせる。今後10年の中国における購買行動には複数の見方があるが、 この2人の中国実業家は、中国小売セクターについて1億元(1600万米ドル)にも及ぶ賭けをしそうになったことがある。

2013年にはWang氏がMa氏に対し、10年でオンラインでの消費が総小売量の半分を超えたら1000万元を差し出すと言えば、 Ma氏はオンラインでの消費がその水準に満たなければWang氏に同額を払うと応じていた。

【原文】

【via Technode】 @technodechina

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