BASEが開発者向けにAPIを公開、流通総額の拡大を目指す

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BASE_dev

久々にインスタント・コマースの界隈に動きが見られるようになってきた。STORES.jpの次はもちろんこちら、BASEだ。

簡単にコマースサイトを構築できるプラットフォームBASEは10月1日、開発者向けに構築したネットショップの情報を利用できるAPIを公開した。既にサードパーティーによる利用は開始されており、iPhoneケースなどのオリジナルアイテムを作れるマーケットプレース「Canvath」やクラウド会計のfreeeなど数社の事例が公開されている。

APIによって可能になるのは商品情報の閲覧、注文情報の取得、商品情報の編集、商品情報の検索の4つで、今後順次拡張される。具体的には「このAPIを使ってBASEのモールを独自に作ることもできる」(同社代表取締役の鶴岡裕太氏)とのことで、外部事業者が10万店舗のデータを活用した新しいビジネスを検討することも可能になる。なお、有益なアプリケーションについては、BASE Appsでの公開も検討される。

この分野でのライバルのSTORES.jpが独自に機能を拡張、大規模ECへの市場参入を発表したのと流れは同じものだ。両社が狙うのは「流通総額の拡大」にある。

STORES.jpは機能拡張で要望の多い企業ユーザーに対応したのに対し、BASEはAPI公開というサードパーティー依存で商圏を拡大させ、同プラットフォーム内の流通総額をアップさせる戦略を取ったことになる。

ZOZOTOWNというパートナーとの連携で、流通総額の比較的大きいアパレル事業者を狙うSTORES.jpと、まだフリーな状態で幅広いパートナーと手を組もうとしているBASEの展開は比較すると興味深い。

現在、年間で数十億円規模(鶴岡氏)という流通総額がどのように変化するのか。STORES.jpは流通総額を公表していない中、またこの2社の動きから目が離せなくなってきた。

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