創業当初は学食に集まって開発してましたーー全員エンジニアのダラフが開発する「シラバス」はキュレーション型エンジンをベースにしたプログラミング学習サイト

by Junya Mori Junya Mori on 2014.11.13

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シリコンバレーのスタートアップが、創業当初はガレージで開発を行っていたというエピソードはいくつか残っている。ビル・ヒューレットとデーブ・パッカードの二人によって創業されたヒューレットパッカードもそうだし、スティーブ・ジョブズが創業したAppleも最初はそうだった。

会社を立ち上げ、プロダクトを作り始めるのに場所は関係ない。このエピソードを思い出したのは、あるスタートアップの創業当初の話を聞いたからだ。

そのスタートアップとは、プログラミング学習サイト「シラバス」 を開発するダラフ。彼らは本日「マネして学べる」をコンセプトに、GitHubからプ ログラムコードをキュレーションする仕組みと、それを利用した学習コースの提供を開始する。

今回は、ダラフの創業から現在に至るまでの経緯を紹介しながら、彼らが目指す世界を紐解いていければと思う。

創業当初は学食で開発

ダラフは東京理科大学出身のメンバーによって構成されるスタートアップで、創業したのは2013年7月。当時大学3年と4年だった、斉脇一志氏と大畠健氏によって創業された。

創業当初、メンバーは東京理科大学の野田キャンパスの学食に集まってプログラムを書いていたという。ダラフのメンバーは東京理科大理工学部の電気電子情報工学科、物理学科、土木工学科、機械工学科など、理工学部の学科のメンバーで構成されている。

ダラフ創業メンバー、左からデザイナーの寺西勁人氏、代表の斉脇一志氏、プログラマーの大畠健氏
ダラフ創業メンバー、左からデザイナーの寺西勁人氏、代表の斉脇一志氏、プログラマーの大畠健氏

彼らはシラバスを開発する以前、大学生限定のプリント共有アプリ「Pipet」や教員との面談管理システム「オフィスアワー.jp」などの開発・運営を行なっていた。

「最初は学内でプリント共有アプリを開発してたんですけど、理工学部の学生5000人中1500人ほどしか使ってくれず、「これじゃザッカーバーグになれないじゃん!」と思ってやめました」

と創業前後の時期を振り返り、ダラフ代表の斉脇一志氏は語る。彼らはアプリの開発などを行った後、「シラバス」の開発に取り組み始める。

斉脇氏「2013年11月ごろ、ダラフは開発人員が足りない状態で、プログラマーとして手伝ってくれる人の採用を 考えていました。バイトの採用方法として、ダラフのツールスタックであるRailsやBackbone.js を学習するための、 簡単な学習カリキュラムを作成し、そのカリキュラムを最後まで完了できた人を採用することにしました。そうすれば、入ったときには即戦力です」

彼らは、大学の後輩に頼んで、情報科学科のLINEグループに「この学習カリキュラムを最後までできた人を採用します!!」というメッセージを投稿した。希望者が20名ほど現れ、彼らに対してカリキュラムを渡した。2、3ヶ月間で、2名が最後までカリキュラムを完了し、1人をバイトとして採用したという。

この体験から、学習カリキュラムを作成し、採用前に学習させるというアプローチは一般化できるのではないかと考え始めた。だが、ダラフが考えたサービスは採用のどのタイミングでアプローチするのかが難しい。そこでダラフが開発したのは、社内のeラーニングシステムだった。

キュレーション型eラーニングシステム

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メンター的な存在から、「せっかく全員プログラマーなのだから、システムを作ったほうがいい」そうアドバイスされたダラフは、キュレーションエンジンベースのeラーニングシステムの開発を始める。

学習は学ぶ側の課題もあるが、教える側もリソースを割く必要がある。ダラフでは、CTOの大畠氏が新しく入ったエンジニアに対して、githubに載せているコードにコメントを書いておき、それを読ませていたという。そうやってたどったプロセスをトレースさせることで、知識共有を早めることができるのでは、と考えた。

システムをベースにサービスの展開へ

システムを提供してきたダラフだったが、コンテンツを作ることにハードルがあることがわかってきた。コンテンツとコースを増やすために、今回プログラミング学習サービスとしてリリースし、C向けの展開に踏み切った。

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コンテンツを投稿する際のインターフェースは、Naverまとめなどに近い。何かを学習するために必要な素材はあちこちにある。それらを組み合わせて、学習カリキュラムを作成できるようになっている。キュレーション形式で学習コンテンツの作成が可能というわけだ。

先述したように、githubからあるコードの部分を抜き出して貼り付けることもできるし、写真や映像、Amazonのリンクで参考書籍なども紹介することができるようになっている。

プログラミング学習サイトとしての「シラバス」は、HTML / CSS、 WordPress、Ruby on Rails、Backbone.js などのWEBデザインやWEBアプリの開発を学ぶことができるようになっている。

だが、彼ダラフはプログラミングを学ぶことができるサイトだけを運営するわけではない。余談になるが、彼ら自身は独学でコードを学んできている。「CodeAcademyはちょっと簡単過ぎるんじゃないか?」と感じているくらいだそうだ。

教えてもらう「教育」ではなく、自ら学ぶ「学習」をサポートしていきたいというのがダラフのスタンスとなっている。

ラーニングマネージメントシステム(LMS)の開発に向けて

プログラミング学習サイト「シラバス」をリリースし、元々提供していた社内向けeラーニングシステムと連動させていくことを考えている。キューレション型エンジンという抽象度の高いシステムを開発してきたことにより、サービスとシステム双方に対応していくことができるという。

斉脇氏「システムのアーキテクチャが「シラバス」のストロングポイントです。「シラバス」のイメージはWordpressやEC Cubeに近いものがあります」

と同社のシステムについて語る。

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「シラバス」で作成され、公開されたコースは、コピーができるため、編集して社内でも使えるようになっていく。企業はこれを活用しながら社内のeラーニングシステムを充実させられるようにする、というのがダラフの考えだ。この話はWordpressとwordpressのテーマの関係を彷彿とさせる。

斉脇氏「社内での評価まで可能なツールにしていきたいですね。将来的にはLMSとして成長させていきたいと考えています」

LMS(Learning Management System)とは、eラーニングの実施に必要な学習教材の配信や成績などを統合して管理するシステムだ。ダラフは、これらをテキストベースで開発し、翻訳することで海外にも展開していきたいと考えている。

まずは今回リリースする学習管理システム「シラバス」でユーザの感触を確かめ、KPIを決めていく。KPIが決まったら出資も視野に入れているそうだ。

斉脇氏は今年の春に大学を中退、大畠氏はまだ在籍している。創業時は学食で開発していた彼らも現在は、VOYAGEのシェアオフィス「BOAT」を拠点にしている。

斉脇氏「今でもやることは学食にいたときと変わりません。場所が変わっただけですね」

と斉脇氏は笑いながら話してくれた。同世代の起業家から影響を受けてきたという彼らの挑戦はここからが本番になりそうだ。

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