Tencent(騰訊)が携帯ゲームでマネタイズするのが難しい理由

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Tencent(騰訊)は昨日2014年第3四半期の決算を発表したが、アナリストが予想していた通り、携帯ゲームの成長は鈍化した。実際、26億元(4億2400万米ドル)という同四半期の携帯ゲームの収益は前年同期を下回った。ただ、Tencentはこの主因を「更新版のローンチが遅れたため」であるとしている。

アジアにおける携帯ゲーム市場が過大に宣伝されていると考える理由については様々なところで書いてきたので、今ここで議論を蒸し返そうとは思っていない。ただ、Tencent等の企業が携帯ゲームでヒットを飛ばしている時でさえ利益を上げられないのには別の理由がある。それはユーザの習慣に関係しているのだ。

他の多くのアジアの国々同様、中国ではPCゲーム市場は動きが安定している。ヒット作品を出せば安定的な収入を長年に渡り手に入れることができるのだ。例えばこの9月、最も熱い中国のPCオンラインゲームを見てみよう。特に人気のある4つのゲーム、World of Warcraftは10年間、 CrossFireは7年間、Dungeon & Fighterは9年間、 League of Legendsは3年間(中国での話)もその人気の座を受け渡していない。

トップ10のリストにいくつか新しいゲームはランクインしているが、上記の4つの人気ゲームは強力である。事実、トップ3のゲームは、私が中国PCオンラインゲーム市場を追いはじめた2~3年前から全く変わっていない。

Tencentにとって、そのようなゲームからマネタイズするのはきわめて容易である。Tencentはゲームの開発こそ行っていないものの、同社はトップ4のうち3つのゲームのパブリッシャーだ。同社が必要だったのは、海外発の有望なゲームを見定め、そのゲームの中国人ユーザベースが拡大するにつれて確実な収益を何年も得ることができるよう、パブリッシャーになることだけだった。

その理由は、中国のPCゲームプレイヤーたちは好きなゲームを見つけるとそれを何回もする傾向にある。中国においてDungeon & Fighterをプレイする人は何年にもわたってプレイしており、ユーザ離れの気配は一向にない。

しかし中国の携帯ゲーム市場はこれとは全く異なる。PCゲームのプレイヤーが何年も同じゲームをするのに対し、統計によれば、中国の携帯ゲーマーは2ヶ月以上も同じゲームを携帯にインストールしておいたりしないようだ。携帯ゲームに多くの時間を費やす人でさえ、PCゲームの状況と比較すると、次から次へと遊ぶゲームを乗り換える傾向がある。

Tencentのようなパブリッシャーにとって、たとえ、4億6800万の月間アクティブユーザーを誇るWeChatがあったとしても、そのような状況では携帯ゲームのマネタイズは難しい。携帯ゲームからはほとんど収益を上げられないので、たくさんのゲームを制作するかライセンスを取得し、その中で少しでもヒットするようにしなければいけないのだ。

たとえ人気のあるゲームを手にしたとしても、一般的に、ほとんどのユーザが遊ぶのに飽きて別の人気ゲームに移る前にそのゲームのプレーヤーベースから利益を引き出す時間は数か月しかない。多くの携帯ゲームの日の当たる期間は短いので、言ってみれば、デベロッパーやパブリッシャーはマネタイズに関しては度を越してしまい、ゲーマーにとって不愉快な仕掛けをしようとする誘因が働いてしまう。

Tencentは、携帯ゲームの成長が最近鈍化している一部の要因は戦略的な移行にあるという。これは、収益の拡大というより、ユーザ体験の向上に集中するものだ。しかし同社の携帯ゲーム部門がPCゲームに相当する収益をもたらすようになるとすれば、プラットフォーム間で異なるユーザ習慣の違いに対処する新たな方法を見つけなくてはならない。そして、ゲーマーがすぐに飽きてしまうことなく携帯ゲームのヒット作からマネタイズする方法を見出す必要がある。

【原文】

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

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