本稿は、ソウルで開催されている「beGLOBAL SEOUL 2015」の取材の一部だ。
5月13日〜14日の2日間、ソウルの東大門デザインプラザ(DDP)で、韓国のスタートアップ・ニュースメディア beSUCCESS が開催する年に一度のスタートアップ・カンファレンス「beGLOBAL SEOUL 2015」が開催されている。
韓国で最も傑出したスタートアップが集結するピッチ・セッション「スタートアップ・バトル」には20社が4回のセッションにわけて登壇する。14日の午後に開催されたセッション Part 4 からお届けしよう。
beGLOBAL SEOUL 2015「スタートアップ・バトル」Part 4 で審査員を務めたのは、次の方々だ。
- Nix Nolledo / CEO of Xurpas Inc.
- Eric Manlunas / Managing Partner of Wavemaker Partners
- Andy Chung(정영학) / Head of Global Business Development & Global Product Development @ SK Planet
News Marker(Marker / 마커)
News Marker は、ニュースの中の重要な部分だけを目立つようにハイライトしてくれるアプリ。一般的に、ニュースというのはモバイルで読むのには文章が長い。後で読もうと Evernote などに保存してみたりもするが、後から気づいたときには、そのニュースのどこが面白かったのかも思い出せない。
Newsmarker では、自然言語解析とアルゴリズム解析により、ニュースの重要な部分をハイライトする。ニュース提供会社の著作権料も含め1ヶ月5ドルて提供。忙しくニュースを読む時間が無いオフィスワーカーを対象としている。
THERE(THERE / 데어)
ハワイに旅行しようとしたとして、シュノーケリングを始めとするアクティビティを楽しむことにしたとしよう。個別のアクティビティは、別々のサービスプロバイダやポータルサイトから予約する必要がある。THERE は、ある場所に旅をした場合、体験すべきアクティビティを提案し、一連のアクティビティを THERE でワンストップで予約ができる。
アクティビティはホールセーラーから仕入れ。Open API 経由でアフィリエイトプログラムを提供し、さまざまなサイトにアフィリエイトで THERE のサービスを販売してもらう。これまでに THERE を通じて1万人が旅をし、100万ドルを売り上げた。多国語展開を図る予定。
Krowdpop(KPOP UNITED / 케이팝 유나이티드)
クラウドファンディングをして、K-POP のライブやコンサートを開催することができるプラットフォーム。ファン、プロモーター、アーティストの3社にとってメリットが得られる。プロモーターは、どこかにツアーをする場合、そこに観客の需要があるかどうかわからない。ファンは、自分の好きな場所でライブを見られなかったり、チケット料金が高かったりする。
Krowdpop を使えば、どのアーティストのイベントを見たいか、事前にファンからの投票を受けてから(クラウドファンディング)イベントが開催できるので、プロモーターはリスクが回避できる。
プロモーター向けのポータルサイト利用料、取り扱ったチケットの販売手数料10%でマネタイズ。中国の Apollo P&C と提携し、さまざまな中国のポータルサイトを通じて2億世帯にリーチできるほか、韓国国外各地にもビジネスを展開中だ。K-POP から着手したのは、韓国の音楽業界が国外に出て行くのにハードルが高かったので、その問題を解決したかったから、とした。
類似サイトには、日本の Alive、イギリスの Songkick、ブラジルの WeDemand! などがあるが、K-POP に特化していることで差別化している。
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Lenz(Leevi / 리비)
現在のニュースは、異なる人にも同じコンテンツを配信しているので、読者は満足しない。Leevi が開発した Lenz は複数のメディアをクロールし、分析してパーソナライズされたページを1ページで生成。自然言語解析、機械学習によりユーザの関心に合致したニュースが提供される。
韓国のディスプレイ広告市場は10億ドル、ユーザの関心データに基づいて、広告のマイクロターゲティングでマネタイズが可能だと考えている。日本では、SmartNews やグノシーが既存のポータルサイトをディスラプトしたが、その韓国版を目指しており Naver をディスラプトしたいとしている。Q&A では SmartNews やグノシーなどが競合になった場合の対応について回答を求められたが、基本的には当面、韓国語市場にフォーカスしてサービスを提供していくようだ。
ALIVE(Maverick / 매버릭)
ALIVE は、ソーシャルネットワークで動画共有することを前提に、フィルタ、字幕、サウンドなどの効果を入れることができる編集アプリ。インターフェースはモバイルアプリだが、レンダリングエンジンをクラウド側に持っているため、アプリ上でレンダリングするのに比べて処理が速い。
2015年1月にローンチし、これまでに27万ダウンロードを突破。ユーザのうち、7割はアメリカのティーン達だ。今後は、ユーザとクリエイターにビデオを編集してもらい、そのコンテンツを売ったり買ったりできるビデオコンテンツマーケットを作りたいとしている。
Part 1〜Part 4 まで20社を見てきたわけだが、この中から優勝を勝ち取るのは、どのチームだろうか。このあと、審査員の評価による表彰が控えているので、引き続き THE BRIDGE でレポートをお送りする。
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