海外アーティストを日本に招く、音楽ライブ専門クラウドファンディング・サイト「alive」がローンチ

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東京に拠点を置くスタートアップ Yuno Group は、日本の音楽ファンの支援により、海外ミュージシャンのライブ招聘を実現するクラウドファンディング・サイト「alive(アライブ)」をローンチした。

従来のCDショップ等による音楽流通と同じく、日本では海外ミュージシャンによるライブ公演が減少傾向にある。ニッチなファンを持つミュージシャンが日本でライブを開催したとき、観客が集まらないリスクを恐れて、興業会社も公演を積極的に開催しなくなっている背景がある。

alive では、事前にサイト上で消費者からチケット予約を受付、一定期間内に予約オーダーが規定数に達した場合のみ、公演の開催が決まりミュージシャンが招聘される。このしくみにより、ライブ公演の興行主は赤字が発生しない。(事前のチケット販売で、ニッチな興業のリスクを排除するという観点では、今年初め、ヤフーが買収したドリパスのビジネスモデルにも似ている)

今日の alive のローンチ時点では、次の5つの音楽アーティストのライブ・プロジェクトが公開されている。

  • alive_screenshotBlue Hawaii

カナダ、モントリオール出身のエレクトロデュオ。最新アルバム『Untogether』ではアコースティックなフォークとエレクトロニックを融合したサウンドと、エモーショナルな女性ボーカルによる独自の世界を提示している。

  • San Cisco

オーストラリア、パースで結成された注目の若さはじけるインディー・ポップバンド。ファーストアルバム『San Cisco』は瞬く間に人気を博し、収録曲『Awkward』は現在YouTube にて500 万以上のアクセス数を誇っている。

  • Crocodiles

サンディエゴ出身のロックバンド。Jesus and Mary Chain や初期Stone Roses のようなサイケデリックな轟音ポップスタイルを見事再現。頻繁にヨーロッパ各地でライブを成功させるなど、カルト的な人気が世界的に高まっている。

  • XXYYXX

フロリダ出身、弱冠17 歳のエレクトロミュージック・プロデューサーによるソロプロジェクト。James Blake やBurial を思わせる実験的なサウンドに世界中でファンが急増しており、YouTube でも彼のミュージックビデオが1200 万以上の再生数を記録している。

  • Nouvelle Vague

フランス出身のポップバンド。女性ボーカリストにより往年のパンクやニューウェーブの名曲をボサノバやフレンチポップスタイルで演奏する独自のスタイルを確立。世界的に有名なグラストンフェスティバルやベニカシムフェスティバルのステージにも立ち、喝采を浴びた。

alive のチームは、東京にあるコワーキング・スペース PAX Coworking を中心に活動しており、イギリス人神経科学研究者の Sam Mokhtary 氏と、UIデザイナーの藤木穣(ゆたか)氏によって設立された。チームには、音楽コラボレーション・アプリの nana 出身のチームが多数参加している模様だ。

alive に似た、音楽ライブ・パフォーマンスに特化したクラウドファンディング・サイトの事例としては、イギリスの Songkick やブラジルの WeDemand!(旧名:Queremos!)などがあり、このうちSongkick は昨年 Sequoia Capital から1,000万ドルの出資を受けるなど、音楽・興行業界の活性化させ、音楽ファンの関心を引くプラットフォームとして注目を集めている。

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