中国のインキュベータChinaccelerator(中国加速)が、第7期デモデイで多様なスタートアップ10社を披露

SHARE:

Chinaccelerator-shows-off-a-diverse-batch-of-10-new-startups-at-demo-day-photo-1

2017年5月20日更新:原文からの School Match CEO の名前削除に伴い、訳文から名前を削除。

90日間の指導、訓練を経て、スタートアップ10社が今日、上海の Chinaccelerator (中国加速)を卒業した。2009年に本プログラムが始まり、今回が7期生となる。

最近設立された上海科技大学の講堂に大勢が集まったデモデイにて、Chinaccelerator の取締役兼SOS VenturesのパートナーWilliam Bao Bean氏(下画像)が称賛したのは、今期は女性のCEOが50%、女性の創業者が43%を占めているということだ。

Chinaccelerator-shows-off-a-diverse-batch-of-10-new-startups-at-demo-day-photo-2

では、以下に投資家、仲間の起業家、興味を持った学生達にビジネスを披露した、各国混成の10チームを紹介する。

School Match

School Matchは、これから学生になる人がマンツーマン指導を受けられるアプリだ。CEO によると、自身がメキシコからアメリカのバークレーに転入した際、初めは環境に慣れるのに苦労したとのことで、このようなサービスを利用できたらよかったと話している。こうした不安により学生が落第することもある、と説明している。

School Matchでは世界中のトップスクールから指導者(メンター)を探すことが可能で、子供と親が、進路の負荷から一番住みやすい場所と学外に及ぶあらゆる質問もぶつけることができる。既に200人のメンターが登録されている。

School Matchは海外に行く中国の学生を対象としている。1年に約500万人の学生が海外でより高いレベルの教育を受けに行くための準備をしており、約46万人が実際に入学している。

同社は指導料金の15%を利益として得ている。アプリのスクリーンショット(画面)を見てみると、指導の料金は原則1時間に200人民元(32米ドル)で、中国で英語の個人指導を受けるのと同等の料金だ。

iCE Angel

iCE Angel の創設者 Richard Law 氏は、自分の母親の写真と共にピッチ(投資家へのプレゼン)を始めた。彼は、母親が突然交通事故で亡くなり、最後を看取れなかったのは、救急サービスが自分に連絡してくれなかったためだと説明した。同サービスが回避する手助けをしたいと望んでいるのは、こういった状況である。

このサービスは緊急対応アプリを通じて、最初に対応した人がアプリにアクセスすることを想定し、ユーザーに直接提供される(ただ電話がロックされていたらという問題もある―また、救急隊員や医師が電話を見つけられない場合もあるだろう)。iCE Angelの他のアプローチは、旅行会社や自宅から離れたときに関わるビジネス等との提携だ。そして同社は顧客にiCE Angel IDブレスレットまたはカードを渡し、事故が発生したときの緊急連絡手段として利用できるようにする。

他の収益源は保険や高齢者介護等のサービスである。

このアプリの主要サービスは無料で受けることができるが、提供されている他の要素は有料であるという。

Meet Boutique/漫酒店

Meet Boutique は、中国国内のブティックホテルに焦点を当てている。ブティックホテルはQunar(去哪児)やCtrip(携程)といった、中国で人気のある旅行予約サイトの中に埋もれてしまう傾向があると、Han Dong氏は言う。だが同スタートアップのアプリを使えば、通常の高級ホテルチェーンの代わりとなる、特徴的で異彩を放つブティックホテルを選択肢に加えることができる。

そのようなビジネスは注目の的であるだけでなく、趣味の良い客をホテルにもたらすことを十分に理解しているため、自分のアプリはブティックホテルにしては安めの金額を顧客に提供できるとHan氏は主張した。

GeiLi Giving/給力

GeiLi Givingは中国人がチャリティへの寄付を行う方法を活性化し、チャリティ活動やKickstarterのような活動をより知ってもらえるようにし、ゲーミフィケーションとソーシャルメディアバイラリティーを活用し寄付を推進する狙いだ。

現在の問題は、中国はチャリティ寄付の割合が世界で一番低い国の1つだということだ、と共同創立者兼CEOのElyse Ribbons氏がデモデイで説明していた。GeiLi Givingは「中国の寄付ポテンシャルを開放する」ことが狙いだと同氏は熱弁する。

GeiLi GivingはWeChatの公式アカウントとして働き、WeChatのウォレットを通じて電子マネーを利用しやすくする。

同社は事前検査を受けたチャリティやNGO向けに、クラウドファンディングのスタイルをとった寄付サービスを展開し、各プロジェクトにどれだけの額を寄付すればいいかをわかりやすくしている。少額寄付(マイクロドネーション)も可能で、できるだけ利用しやすいように最低10人民元(1.6米ドル)から寄付ができる。

Chinaccelerator-shows-off-a-diverse-batch-of-10-new-startups-at-demo-day-photo-3
合計5万米ドル相当の2枚の小切手を手にするGeiLi GivingのElyse Ribbons氏(左)。メディア機関OMDは、10社のスタートアップのうち3社に2万5000米ドルを贈り、Chinacceleratorからもそれぞれに同額を贈った。他の2社はRobin8とXiao Dian Bao(小店宝)である。

寄付や活動情報をWeChat仲間に伝えることで、バイラル(ソーシャルメディアによる口コミの広がり)要素が加わる、とRibbons氏は説明する。さらに人々に活動に対する「当事者意識を感じ」てもらうことも狙いだと同氏は話す。

GeiLi GivingはKickstarterのような手法で、集めた総額から利益を得ていく。

Ribbons 氏は、アメリカ出身で流暢な中国語を操り、Beijing TV(北京電視)のレギュラー出演で知り合った有名人を通じ、WeChat でチャリティ活動を推進するため沢山の有名人を集めている。

Robin8

Robin8はブランド企業とブロガーやインフルエンサーをつなぐデータドリブンプラットフォームである。中国市場を狙っており、同社CEOのMiranda Tan氏は「中国のコンテンツマーケティングは信頼面が阻害要因になっています。『キーオピニオンリーダー(KOL)』を明確にレーティングする手段がないのです。」と語る。

Robin8のアイデアは、KOLをデータ化し、ブランドマネージャーが最も効果的なブロガーやレポーターを通じてマーケティング資料を展開できるようにすることだ。Tan氏はプレゼンテーションでAirbnbを引き合いに出して「KOLのマーケットプレイス」となぞらえてみせた。

もし「レポーター」が直接ブランド企業からコンテンツマーケティング的な記事を受け取り、再配信するのであれば、倫理的に問題があるように思われるが、実際にそうなるかはまだ分からない。同様に、最も関連性のあるブロガーやジャーナリストに向けてプレスリリースを発行する効果的な方法になるだろう。

Robin8のプラットフォームは毎日膨大な数のニュース記事をスキャンしており、特定の分野において誰がインフルエンサーなのかを判断しているとTan氏は語った。

Specifiko

Specifiko のCEOであるMark McIntyre氏は、国際企業は英語力不足により多くの損失を受けていると考えている。

このスタートアップはヘルスケアおよび製薬業界という、一つの業界においてこの問題を解決しようとしている。同社は日本と中国に特化し、医師と臨床科学者向けに、業界および日々の仕事を細かくカバーする英語講座を提供する。テキストと動画の両方が使用される。現在のところ、英語による2,000の動画と82,000の記事、および人手による中国語訳と日本語訳があり、人々が目下の課題を理解する手助けをしている。

このサービスは企業が負担し、企業側が従業員の英語学習の進捗に関するいくらかのデータを受け取る。これにより昇進や昇給などの判断に役立てることができる。

同社はNovartisやPfizerといった大手の製薬企業と提携する予定である。

SXT Learning/随訓通

SXT LearningのRyan J King CEOは企業で7年間教育講師の経験がある。同氏はプレゼンテーションの冒頭で「問題は、企業の教育システムは機能不全に陥っているのです」と述べた。トレーニングセッションでは一度に多くの情報を詰め込みすぎで、受講者は居眠りしてしまいがちである。会社員はぼーっとしてしまい授業中に居眠りしてしまうのだ。彼自身も居眠りしてしまったことがあると認めており、その様子の写真をだして見せた。

デロイトの調査によれば、授業内容の90%は5分以内に忘れられてしまい、年間1600億米ドルにのぼると見られる企業の教育予算のかなりの部分が無駄になっているとのことだ。

SXTのソリューションは、企業のトレーニングをアプリ化し、情報過多だった教育を扱いやすいまとまりに分割できるようにします、とKing CEOは説明する。社員の観点では、アプリはクイズがあってモチベーションが続くようになっており、上司の観点では、分析ツールで部下の進捗をチャートで確認できる。

アプリベースのモデルの意味するところが、勤務時間外の自習でないことを望みたいが、King CEOのプレゼンテーションはその点には触れていなかった。

同氏によれば、既に30社がSXTを利用しているとのことだ。

The Squirrelz

面白い名前のスタートアップのための賞はないが、もしあればThe Squirrelzにあげるべきだろう。これは一種のアップサイクル(廃品に価値を見いだし、新しい活用法を見いだすこと)商品専用のEtsyみたいなものなのだが、巨大な、Alibaba(阿里巴巴)並みのひねりが効いている。

The Squirrelzは2つのレベルで運営している。一般の買い物客に対しては、廃物から作られたファンキーな商品(写真下)のマーケットプレイスであり、作家に対しては、その材料を大量に調達できる場所なのだ。このスタートアップにとっての朗報は、両サイドにコミッションが発生するということだ。

Chinaccelerator-shows-off-a-diverse-batch-of-10-new-startups-at-demo-day-photo-4

CEOで共同創立者のBunny Yanは、色がよくないからと捨てられた大量の医療用スクラブの束を例に挙げた。The Squirrelzで、誰かがこれをメッセンジャーバッグとして生まれ変わらせたのだ。

大手メーカーには、本来なら捨てられるような材料を売り払うことができるという利点がある。

このスタートアップは、ほんの10米ドルしかしないような1kgもの廃物の山を、1000米ドルの価値がある、人々が買いたいと思うような商品に変える手助けをすることができる、とYan氏は主張している。

今のところ、The Squirrelzには40名以上ものデザイナーがおり、600以上の商品を作り出している。中国に焦点を当てることから動き始めそうだ。

BitNexo

多くのスタートアップが国際送金を改善しようと試みている。銀行やWestern Unionが法外な手数料を取っているからだ。BitNexo はそうしたスタートアップの一社だが、中国と中南米の企業間の国際送金に特化している。

設立者のDarren Camas氏(中国とチリを往復する生活をしている)はプレゼンテーションの中で、送金はビットコインで行われるが、送金の際に利用者がビットコインを意識することはない、と説明した。つまり、この送金は厳密にはビットコインの送金ではない。これは中国市場では重要なポイントとなる。なぜなら中国では銀行による顧客のビットコイン取り扱いは禁止されているからである。

Xiao Dian Bao/小店宝

Xiao Dian Baoは電子商業取引の業者とその顧客間だけの、ある種個人的な情報交換の場を提供し、それをオフラインのお店と連携させたい。

その宣伝文句には少し悩まされた。なぜなら小さなショップのオーナーだけがソーシャルメディアで顧客と取引するかのように聞こえるが、しかしプレゼンテーションでは大型チェーン店とパートナーになると言及していた。

この新規事業は英語の名前「Shopal」を宣伝文句に使っていたが、それは既に日本の企業が使っている名前だ。私たちは混乱を招かぬよう中国語名を採用した。


概して、Chinacceleratorは見事に多様で非常に的の得た新規事業を打ち出した。それはありがたいことにアイディアコンテストで見飽きているものとは異なっている。(顧客忠誠心をはかるアプリなんてどうでしょう? だれか?)

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

----------[AD]----------