台北を拠点とし、ハードウェア・メーカーがマーケティング可能なプロダクトを作れるよう専門家とつなぐスタートアップ「HWTrek」は今日(原文掲載日:6月2日)、シリーズAラウンドで400万ドルの資金調達を完了したと発表した。このラウンドは WI Harper と ITIC がリードし、Legend Star Capital(中国のPCメーカー Legend=連想の親会社による投資会社)、中国のEコマース大手 JD(京東商城)、日本のグローバル・ブレインが参加した。
HWTrek は、ハードウェア・メーカーが自分たちの制作物をビジネスへの進化させられる、エンド・トゥ・エンドのプラットフォームだ。同社が提供するダッシュボード「Product Development Hub」では、HWTrek の開発ガレージから出したプロダクトが組立ラインに乗るまでの進捗をモニターすることができる。ユーザは他の専門家との協業により、部品調達、認証取得のための申請、製造業者の選定に関する洞察を得ることができる。HWTrek によれば、これまでに2,500人のクリエイターが850のプロジェクトをスタートさせており、360人の製造やサプライチェーンの専門家が参加している。
2013年に HWTrek について初めて取り上げたときには、同社はハードウェアのクラウドファンディング・サービスとしてローンチしたところだった。同社は以降、クラウドファンディングから現在のモデルへとピボットした。HWTrek は中国のハードウェア・ハブであり、世界の電子工場である深圳にオフィスを開設する計画だ。
Legend Star Capital のエグゼクティブ・ディレクターの Keven Wang 氏は、今日の発表の中で次のように語っている。
ハードウェア起業家からは、サプライチェーンに関する需要が大きい。HWTrek のプラットフォームは、サプライチェーンのリソースと、スタートアップが必要とするものをつなぐ、より効果的なシステムを提供する。
次なるスターを探して
何かプロダクトを作りたいチームが HWTrek に登録すると、10人のコラボレーターに紹介される。
HWTrek のデジタル・エンゲージメント担当ディレクター William Albano 氏は、次のように述べた。
コラボレーター達は、あなたのチームのメンバーになってくれる可能性があります。彼らは、HWTrek のプラットフォーム上にいる、製造やサプライチェーンの専門家です。10人以上も紹介可能です。将来は、追加で人を紹介する場合に、料金を徴収する計画です。
このようにして、クリエイターが登録したプロジェクト一つ一つにハブが形成されていく。プロダクトの進捗を管理し、生産スケジュールを導き出すダッシュボードとしても機能する。
HWTrek の専門家は、製造業者、コンポーネントベンダー、デザイン会社などを代表する個人だ。彼らは、クリエイターのプロダクト開発支援を通じて、新しいビジネス機会を見つけ、流行の上がり下がりを見極め、手がけるべきプロジェクトを見極める上で時間を節約することができる。
専門家達は、次なるスター、イノベーションを探す困難に直面しています。ちょうど、PC やスマートフォンが出回る前にも、彼らそうしていたように。現在のホットな話題である IoT はカテゴリが非常に多岐にわたるため、適切なビジネス機会を見出すのは非常に難しいのです。(William Albano 氏)
HWTrek で作成されたプロジェクトの多くは、そのまま資金調達し Kickstarter や Indiegogo などのクラウドファンディング・サイトで露出を図ることになる。HWTrek から輩出されたスタートアップには、デジタルサイネージの Qisda やスマート通気口の Keen Home などがいる。
【via Tech in Asia】 @TechinAsia
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