個人ブログなどを入れると、星の数ほど存在するレシピサイト。ところが、気が遠くなるほど膨大な量のレシピから自分に合ったもの、また冷蔵庫にあるもので作れるレシピを見つけ出す作業はユーザーに委ねられています。共働きだったり、子どもの面倒で忙しい主婦などにとって、実は料理を作ること以上に面倒なのが献立を決めること。朝の通勤電車のなかで夜ご飯のことを考えている人も少なくないはず。
そんな日々の献立決めのストレスから解放してくれるのが、2014年にリリースされた、1週間の献立が簡単に作れる料理サイト「me:new(ミーニュー)」です。これまでのスマホサイトとAndroidアプリに加えて、新たにiOSアプリの提供を開始しました。運営会社ミーニューの代表、三宅伸之さんにお話を伺いました。
料理を作ること以上に面倒な献立作り
ミーニューは、ユーザーの好みを反映して、最長一週間分の栄養を考えた献立を自動で生成してくれるサービス。また、人数に応じて食材の買い物リストも自動で生成してくれます。
会員登録したユーザーは、主菜や副菜、例えば肉じゃが、唐揚げ、酢の物など味や作り方がある程度イメージできる定番レシピから好みのものを選びます。ユーザーの好みに加えて、ミーニューが提案したメニューで却下されたものも以降の献立提案に反映されるため、使えば使うほど献立が洗練されていく仕組み。また最近では、「これは美味しかった」「家族が喜んでよく食べてくれた」といった特定のレシピへのフィードバックも送れるようになりました。
リリース時点のレシピは、三宅さんがブログを通じて知り合った主婦の人たちに提供してもらった2,000件ほどが中心でした。現在では、全国で展開する料理教室「ベターホーム」、またフジテレビなどのレシピを取り入れています。
提供を受ける元のレシピは、材料や分量、作り方や写真データから成るもの。そこに、2000種類程の素材の栄養データベースを用いて、料理の栄養分を自動算出。その結果、美味しいだけでなく、栄養バランスのとれた献立の提案が可能になっています。
まずは奥さんを虜にするサービスにする

広告代理店の営業やシステムエンジニアなどを経て、地元の岡山でミーニューを立ち上げた三宅さん。現在は、ITベンチャーにも解放されているという岡山大学の岡山大インキュベーター内にオフィスを構え、チームには5人のメンバーが在籍しています。三宅さんがミーニューの構想を得たのは、ご自身の生活がヒントになっているそう。
「そもそもミーニューを立ち上げるきっかけが奥さんなので、まずは奥さんがどうしても使いたいというサービスにすることを目指しています。僕たちは共働きで、平日は忙しいため、週末に献立を決めて翌週分の材料をまとめ買いするんです。色んなレシピサイトや書籍を見たり、買い物リストをメモったりしていました。これを支援してくれるサービスがあれば楽なんじゃないかなと考えました」
ミーニューを立ち上げる前には、1年間ほどの間、自分で様々な料理サービスを使いながら家族の料理を毎日作り続けました。そうすることで料理をする人の気持ちを理解し、他サービスの長所・短所を把握し、自社サービスの開発に役立てることができたと言います。現在も、自らユーザーとしてミーニューを使い込むことでサービスの改善に取り組んでいます。
子どもがいる世帯に向けた機能強化


20代後半から40代の既婚者の女性に多く使われているミーニュー。三宅さん曰く、世の中の主婦の多くが、スーパーで特売の食材を適当に買っておき、その時の冷蔵庫の中身をもとにレシピサイトで材料名などで検索しているとのこと。でも、レシピサイトでレシピを探すためには、何かしら検索するためのキーワードが頭にある必要があります。キーワードが出尽くしたという主婦にとって、ミーニューは救世主かもしれません。
ミーニューの提案した献立通りに作る人がほとんどですが、中には参考にするだけに留まる人も。毎日、レシピを自ら探しに行くのではなく、プッシュで献立のヒントをくれる利便性が買われているようです。今後は、主婦はもちろんのこと、子どもがいる世帯に特化してサービスを強化していく予定。またSNSに寄せたコミュニケーション機能より、より献立提案のツールとしての機能を強化していきます。
「僕たち夫婦がそうなんですが、共働き家庭の夫婦なら、週末にミーニューで提案された食材を用意しておいて、平日は奥さんと旦那さんとが交代でご飯を作る。近い将来、そんな家事の共有の仕方をミーニューが支えられるといいなと思います」
毎晩料理を作る人にとっての本当の課題は、料理を作ること以上に献立作りにある。「あるある」とうなずく人たちは、一度ミーニューを使ってみてはいかが。
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