〝音声版Twitter〟「voice」がAndroidとiOS向けにアプリをβ版公開、日本・中国・台湾への市場展開を開始

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東京に拠点を置くスタートアップ ZoooG は14日、音声の共有ができるソーシャル・ネットワーク・アプリ「voice(ボイス)」の iOS 版をβローンチした。これは先月の Android 版のβ版ローンチに続くもので、今後、日本・中国・台湾へのマーケティング展開を本格化する。voice は Twitter と同じ感覚で音声を投稿し、気に入ったユーザをフォローしたり、フォローされたりするサービスだ。

ZoooG ではかねてから、100人以上の人気ツイキャス主(フォロワー数の多いツイキャス・ユーザ)からなるネットワークを持っており、彼らのフォロワー数の総和は190万人。ZoooG の創業者兼代表取締役である手塚千里氏が、別会社から昨秋リリースした、人気ツイキャス主から擬似電話がかかってくるアプリ「fancy call」( Android / iOS )では、ダウンロード数8万件を記録している。これを受けて、音声をやりとりするアプリの需要に可能性を感じた手塚氏は、今回 voice をリリースすることにした。

(DeNAが提供する)SHOWROOM でも、ツイキャスでも、ラジオ放送をやっている人は多い。しかし、1対αの音声だけに特化したサービスが無かったので、voice を作ることにした。中国や台湾でも、他愛のない音声コンテンツを投稿する人は多いので、需要は大きいと考えている。(手塚氏)

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ZoooG 手塚千里氏

当面の目標として、ZoooG では、自社が持つ人気ツイキャス主の情報伝播の力を使い日本国内で20万ダウンロード、Facebook などを通じたプロモーションで台湾で10万ダウンロードを達成したいとしている。中国については、市場がユニークであることから、中国の動画投稿サイト「Bilibili(嗶哩嗶哩、日本のニコニコ動画に相当)」などを活用しながら、現地でのマーケティングに長けた日本企業と共同で事業を展開する計画とのことだ。

voice は無料で利用できるが、投稿された音声は24時間経過すると消える仕様となっている。自身やフォローしているユーザの気に入った音声を消えないように保存する場合には、保存メニューを利用するためにアプリ内課金が発生する。今後は、有名人を起用した「声ガチャ」のようなビジネスモデルも検討しているという。

voice 以外にも、世界ではこれまでに音声ベースのソーシャルネットワーク・アプリは存在しており、有名な事例としてはシンガポール発の「Bubbly(旧称:Bubble Motion)」が挙げられる。Bubbly は昨年8月にインドのテレコム企業 Altruist Group に買収されたが、インド人の替え歌投稿のプラットフォームに終始してしまい、世界的に受け入れられるアプリにはならなかった、というのが手塚氏の見方だ。彼は Bubbly が成し得なかった世界展開を、voice では中国・台湾から着手し、マレーシアやインドネシアといった若年人口の多い東南アジアへと拡大させていきたいと語った。

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voice を開発する ZoooG のチームは、アプリ開発に関わる外部協力者などを含めると約10人のメンバーで構成される。これまでに個人投資家から数千万円のシード資金を調達しており、voice の世界展開に目処が立った時点で、次ラウンドの資金調達の検討を始めるとしている。

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